これから家を買おうとしている方にぜひ知っておいてもらいたいことがあります。
それはウッドショックによる木材高騰、その他材料も高騰していることにより家が売れなくなり、建築業の倒産激増しているということ。
今回はこれから家を買う人にぜひ知っておいてもらいたい、チェックしてもらいたいことについて解説していきます。
建設業の倒産が増えている
まず、今回の話の前提から見ていきましょう。
建設業の倒産がかなり増えてしまっているんですよ。
出典:帝国データバンク
上記グラフは帝国データバンクが負債1000万円以上法的整理による建設業の倒産を集計したものとなります。
2022年特に後半に入り建設業の倒産が大きく増えているのがわかります。
ゼロゼロ融資の据え置き期間終了
まず1つ目の要因はゼロゼロ融資の影響です。
実はコロナ禍ではそれほど建設業の倒産は増えていませんでした。
その要因はゼロゼロ融資と言われる無利息、無担保の貸付をコロナの経済対策として行ったことが大きいでしょう。
かなり容易にお金を調達できる環境だったんですよ。
しかし、ゼロゼロ融資の据え置き期間、無利息期間が終わり、返済が始まっているところが多くなりそろそろきつくなるというのもあるんですよ。
ちなみに私も無利息、無担保なら借りないなら損と借りてしまっていましたので住宅ローンで苦労しました笑
今後も増えるか?建設業の倒産
さらにもう一つ大きな要因があります。
物価高、人件費上昇の影響です。
これは今後も続く可能性がかなり高いです。
出典:帝国データバンク
工事原価の増加が止まらないのです。
先日もLIXILが9月からの建材の大幅値上を発表するなど今後も止まりそうもありません。
すでに住宅価格はかなり上がっており、建設業者からすると建材や人件費の高騰分を価格転嫁すると売れにくくなりますし、価格転嫁しないと利益がなくなるという厳しい環境になってしまっているのですね。
私が住宅を契約したのは昨年の9月でしたが、その時点でもコロナ前と比べて2割ちかく坪単価が上がっていると聞いていました。
それ以降も値上げが続いており、さらに上がっている可能性がたかいでしょう。
上記グラフでみても2011年が100だとすると2022年は140でと40%近く上がっていますからね。。。。
それではなかなかな家も売れなくなってしまうでしょうね。
家が売れなくなってきた
最新のデータによると(2023年3月)住宅着工件数は前年同月比3・2%減の7万3693戸。
持ち家だけに絞ると1万7484戸(前年比13.6%減)と16カ月連続の減少とかなり厳しい結果に。
住宅請負系の建設業者はかなり厳しい状況と言えるでしょう。
そのため、各社かなりお客争奪戦を繰り広げています。
少し前の記事ですが、展示場の来場特典も以前よりかなり豪華になっていますね。
また、うちの近所でも大手ハウスメーカーの建売がいくつも建ち始めました。
私が家を探していた昨年の8月〜9月ころなんてまったく見なかったような大手ハウスメーカーの建売もたくさんあります。
私が契約したハウスメーカーも建売は今までほとんどやっていないのですが、見かけるようになりましたね。
担当営業マンの話を聞くとどうやら下請けに仕事を回さないといけないけど注文住宅の請負が少ないので、下請けの余力で建売を建てているとか。
(下請けに仕事を回さないと他社に移籍したり引き抜かれたりするそう)
大手は体力がありますからそれでも問題ないでしょうが、それ以外の建設業者の倒産が増えてしまうのも納得という状況・・・
しかし、注文する側としても絶対避けたいのは家を注文した建設業者が倒産をするという事態です。
当然ながらいろいろ不都合が出てきてしまうんですよ。
家を買うなら住宅完成保証もしくは経審はチェックしたい
こんな状況下ですからこれから家を買う人は倒産しない住宅会社で家を建てたいですよね
しかし、上場している大手ハウスメーカー以外はなかなかそれを判断するのが難しい・・・
そこでぜひ知っておいてもらいたい制度があります。
住宅完成保証制度です。
住宅完成保証制度とは
住宅完成保証制度とは住宅保証機構が提供する保険みたいなのです。
具体的には建設業者が倒産したりして工事が継続できなかった場合に、発注者が最小限の追加負担で住宅を完成することができるようにする仕組みとなっています。
住宅保証機構が増嵩工事費用や前払い金の損失の一定割合を保証してくれるんですよ。
さらに工事を引き継ぐ事業者様をあっせんしてくれたりもします。
まったくダメージが無いわけではありませんが、住宅完成保証制度があればなんとか完成まで持っていくことが可能となるはずです。
なお、この制度の加入は任意です。
事業者が加入しているかどうかですので注文前に「住宅完成保証制度加入の有無」をチェックすることでまさかの事態が起こってもダメージを軽減することができるんですよ。
また、この制度は加入するために審査や制度参加金が必要ですので体力がない会社など加入しないでしょうからその点でもヤバそうな工務店等は回避できるかもしれません。
大手ハウスメーカーは財務諸表をチェック
ちなみに住宅完成保証制度は中小企業のためのものですから大手ハウスメーカーは加入できません。
ですが、大手ハウスメーカーはほとんど上場しており財務諸表を公開していますので、あらかじめそれらを確認しておけば倒産リスクなどは回避できるはずですから問題ないでしょうが。
帝国データバンクなどの企業与信調査
住宅完成保証制度に加入していなくて、上場もしていない工務店などにどうしても頼みたい・・・
そんなときは帝国データバンクや東京商工リサーチなどの企業与信調査を利用するのも手です。
多少お金はかかりますが、家という大きな買い物をするということを考えれば安心料として考えれば安いものですね。
niftyビジネスなどを使えば帝国データバンクや東京商工リサーチなどのデータを一括して購入できたりもします。
経審(経営事項審査)を確認する
なお、帝国データバンクや東京商工リサーチは企業調査をして、先方が協力した場合には決算データなどの詳細が載っていますが、そうでないケースも多いです。
先方が協力しなかった場合には企業与信調査を購入してもスカスカな情報しかなかったりします笑
そんなときは経審(経営事項審査)を確認するというのも手です。
経審とは建設業法によって定められている「建設業者の経営に関する事項の審査等」のことです。
経審は自治体など公的な500万円以上の仕事を取るためには必要なものなので多くの建設業が受けているんですよ。
経審では決算情報などをもとに財務状況等を点数化していますので素人でもわかりやすくなっています。
なお、経審の結果は一般財団法人建設業情報管理センター(CIIC)のWEBページや各都道府県の県庁の担当課で第三者でも閲覧が可能です。(建設業の許可番号や商号で探せます)
競争参加者選定手続の透明性の一層の向上による公正さの確保、企業情報の開示や相互監視による虚偽申請の抑止力の活用で行われているんですよ。
ですからこれを確認することでもしものリスクを減らすことができるのです。
ただし、粉飾決算には注意が必要ですけどね。(経審目的もあり建設業の粉飾はかなり多い印象・・・)
まとめ
今回は「建築業の倒産激増。家を買うなら住宅完成保証もしくは経審はチェックしたい」と題してこれから家を買おうとしている方にぜひ知っておいてもらいたい住宅完成保証制度や経審についてみてきました。
家という一生に一度の大きな買い物で失敗しないためにもあらかじめ確認しておきましょう。
また、いろいろなハウスメーカーを比較して決めるのがおすすめですね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。