投資信託のクレジットカード決済をネット証券各社が10万円に引き上げ。各社の対応まとめ

クレジットカードでの投資信託の購入上限額は月5万円となっていました。

これは法令上のルールによるものです。

しかし、新しいNISAのつみたて投資枠が月10万円まで可能となっており、使い勝手がかなり悪くなってしまっていたんですよ。

それがようやく月10万円まで可能となります。

今回はこの件をまとめてみましょう。

投資信託のクレカ積立が月10万円まで可能に

まずは前提となるクレカ積立が月10万円となる話の詳細をみておきましょう。

今までクレジットカードでの投資信託の購入上限額は現在月5万円となっていました。(裏技で月10万円まで可能な証券会社もありましたが)

これは金融庁がクレジットカードなど与信に基づいて有価証券を購入する場合、「月額10万円まで」「積み立て」を必須条件としているためです。

決済サイクルを考えると月額10万円までに引っかかる可能性があるので上限の半分である月5万円が上限になってしまっていたんですよ。

クレジットカード決済による有価証券の購入は、顧客の資力を上回る有価証券の購入を可能とし、過当取引による投資家保護上の問題が生じるおそれがある一方、支払いの選択肢を増やすことにより投資家の利便性向上に資する面もあることから、法令上、一定の要件の下で認められている。この法令上の要件を満たすため、現行実務では、クレジットカード会社の決済サイクルなどを踏まえ、毎月の投資上限額は基本的に5万円に制限されている。

出典:金融庁 金融審議会

しかし、新しいNISAでのつみたて投資枠が月10万円まで可能であるため、上限まで投資をしようとすると5万円はクレジットカード、5万円は現金でみたいな決済になってしまいます。

これは利便性が悪いので改正を求める声があがっていたんですよ。

パブリックコメントなども経てようやく3月8日に内閣府令が改正されました。

そこで続々各社が対応を発表しています。

2024年3月9日時点での発表に基づいて確認してみましょう。

SBI証券のクレカ積立10万円への対応

まずはSBI証券です。

2024年3月8日に金融商品取引業等に関する内閣府令の改正により、クレカ積立の上限額が月5万円から月10万円に引き上げられることが確定し、当社もお客さまの資産運用ニーズにお応えするべく、クレカ積立の上限額を引き上げることに対応します。

当社でクレカ積立に利用できるクレジットカードはすべて10万円への上限額引き上げの対象です。なお、積立設定可能額引き上げの実施時期や、引き上げ実施後のポイント付与率など各種条件については、決定次第、速やかにご案内します。

出典:SBI証券 クレカ積立による投資信託の積立購入上限額の10万円への引き上げのお知らせ

SBI証券ではいくつかのクレジットカードでの投資が可能ですが、その全てで10万円まで引き上げることについては決定しています。

しかし、実施可能時期やポイント付与率についてはまだ確定していない感じですね。

他社の様子見なのかもしれません。

追記:SBI証券が対応を発表しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。




注目は三井住友カード プラチナプリファードのポイント付与

個人的に注目しているのは三井住友カード プラチナプリファードのポイント付与です。

現在、クレカ積立時の還元率は三井住友カード プラチナプリファードが5%と他社を圧倒する形となっているんですよ。

ただし、三井住友カード プラチナプリファードは年会費が33,000円と高めなので、クレカ積立利用だけだと元は取れませんでした。

しかし、クレカ積立が月10万円まで可能となり、上限までやれば年間60,000ポイントがクレカ積立だけでゲットでき一気に魅力的なクレジットカードとなります。

私も三井住友カード プラチナプリファードの還元率がそのまま維持なら作成しようと思います。

ちなみに三井住友カード プラチナプリファードはハピタス経由だとお得に作れますよ。

楽天証券のクレカ積立10万円への対応

次は楽天証券です。

2024年4月積立分3月12日設定締切)から、クレジットカードで積立できる決済額が月5万円から10万円に引き上がります。

出典:楽天証券 クレジットカードで毎月10万円まで投信積立が可能になります

楽天証券はすでに2024年4月積立分からの対応を発表しています。

ただし、締切が3月12日設定とすぐなのでお気をつけください。

ポイント付与率は変更なし??

ポイント付与率については今の時点の発表ではどうなるのか一切触れていません。

触れていないということはそのまま現状維持って感じなんでしょうか?

続報を待ちたいところ。

ちなみに現状の楽天証券のクレカ積立のポイント付与率は以下のとおりです。

  • 楽天プレミアムカード:1%
  • 楽天ゴールドカード:代行手数料0.4%以上の銘柄1%、それ以外0.75%
  • 楽天カード:代行手数料0.4%以上の銘柄1%、それ以外0.5%

ちなみに多くの方が買っているインデックスファンドは代行手数料0.4%以上の銘柄ではありません。

楽天キャッシュも継続

なお、楽天証券はもう一つ楽天キャッシュでの投資信託積立も可能です。

楽天キャッシュとは楽天のオンライン電子マネーのことです。

楽天キャッシュは楽天カードからのオートチャージに対応しているので入金の手間がなく、投資信託の積立投資にも使えるんですよ。

楽天カードにチャージをする際に0.5%のポイントが還元されます。

ですから楽天証券では今ままでも実質的には月10万円までクレジットカードでの投資信託の購入が可能だったんですよ。

こちらはクレカ積立と別枠となり月5万円となりますので、今後はクレカ積立の上限が増えたことで合計15万円まで実質クレジットカードでの積立投資が可能となりますね。

このあたりは楽天証券のストロングポイントかもしれません。




マネックス証券のクレカ積立10万円への対応

次はマネックス証券です。

このたび、2024年3月8日(金)の金融商品取引業等に関する内閣府令改正で、今年1月に開始した新NISAのつみたて投資枠(年間120万円)をカバーできるようクレジットカードの決済上限額が見直されたことを受け、当社では2024年4月買付分より積立上限額を月10万円に拡大することといたします。2024年3月25日(月)(予定)から10万円上限での2024年4月買付分の申込を受け付けます。

出典:マネックス証券 【マネックスカードクレカ積立】積立上限額拡大のお知らせ

マネックス証券も楽天証券と同様に2024年4月買付から月10万円に拡大されます。

マネックス証券はクレカ積立のタイミングが少し他社と違うこともあり、2024年3月25日(月)から設定できるとのこと。

ポイント還元率は変更

ポイント付与については以下のとおりに変更されます。

積立金額ポイント還元率
5万円以下1.1%
5万円超〜7万円以下0.6%
7万円超〜10万円以下0.2%

今までの上限であった5万円までは今までと同じポイント還元率。

それ以降については7万円まで0.6%、それを超える部分は0.2%となります。

ちなみにマネックス証券の投信積立で使えるクレジットカードはマネックスカードですが、その発行会社がSBI証券の親会社SBIHDグループになるという歪な状況になっています。

マネックス証券はNTTドコモと資本業務提携契約を結んだこともあり、今後はdカード中心に変更される気がしています。

auカブコム証券のクレカ積立10万円への対応

最後はauカブコム証券です。

auカブコム証券株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:二宮 明雄、以下「auカブコム証券」)とauフィナンシャルサービス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:長野 敦史、以下「auフィナンシャルサービス」)は、2024年3月8日より、改正「金融商品取引業等に関する内閣府令」が施行されることを受け、2024年3月15日より「au PAY カード決済による投資信託の積立」の月額設定上限を10万円(現行5万円)に拡大いたします。

4月5日までに設定又は変更していただくと、5月1日以降の指定日分から月額最大10万円までの積立が可能となります。なお、新NISA(少額投資非課税制度)でのつみたて投資枠の上限は年間120万円ですので、カード決済だけで満たすことも可能です。

出典:auカブコム証券 「au PAY カード決済による投資信託の積立」の月額上限を10万円に拡大!3/15より

auカブコム証券は5月分から月10万円となりますね。

5月から利用するためには4月5日までに設定変更が必要ですのでお気をつけください。

ポイント還元率は維持

また、ポイント付与は今までのルールと同じく1%が維持されます。

Pontaポイントの還元率もこれまでどおり1%で、毎月10万円を積み立てると、月々1,000Pontaポイント、1年間で12,000Pontaポイントをためることができます。

出典:auカブコム証券 「au PAY カード決済による投資信託の積立」の月額上限を10万円に拡大!3/15より

このあたりはマネックス証券と対応が分かれる形となりました。

auマネ活プランは月5万円まで

ただし、

※auマネ活プランのクレカ積立特典は、毎月の投資信託の積立金額5万円までが上限となります。

出典:auカブコム証券 「au PAY カード決済による投資信託の積立」の月額上限を10万円に拡大!3/15より

との注意書きもありますのでご注意ください。

auマネ活プランとはauのスマートフォンを利用中の方が、「auマネ活プラン」に加入し、「auカブコム証券のNISA口座」と「au PAY ゴールドカード」を保有することで、au PAY カード決済による投資信託の積立でのPontaポイント還元率が「合計最大3.0%」と、通常の3倍になる仕組み。(12ヵ月限定。13ヵ月目以降は「最大2.0%

こちらは月5万円までしか有効にならないってことですね。




まとめ

今回は「投資信託のクレジットカード決済をネット証券各社が10万円に引き上げ。各社の対応まとめ」と題してクレジットカードによる投資信託積立の上限が引き上げられる話を見てきました。

各社対応してくれるのは嬉しいですね。

なおパターン別でどの証券会社とクレカの組み合わせがオトクなのかを考えてみました。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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