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お金で買える資格、お金で点数がもらえる資格は他にもあった。

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お金で買える資格、お金で点数がもらえる資格は他にもあった。

先日、記事にしたFP1級が33万円で買えるという話。

かなりバズっていました。

そこで今回はお金で点数が買える国家資格について他にないのかをご紹介したいと思います。

意外とたくさんあるんですよ。

目次

「お金で資格が買える」は本当か

まず結論から言うと、資格そのものを丸ごとお金で買えるケースは、ごく限られています。

多くの場合、「試験の一部」を合理的に免除してもらえるという感じですね。

それでもかなり楽に取得できるようになります。

代表的な免除ルートを整理するとこうなります。

資格免除・取得ルート費用の目安期間
宅地建物取引士登録講習で5問免除約2万円2日+通信
普通自動車免許指定教習所で技能試験免除約30万円1か月〜3ヶ月
FP1級きんざい養成コース(学科免除)33万円約5ヶ月
中小企業診断士養成課程で2次試験+実務補習免除180〜350万円6ヶ月〜2年
税理士大学院修了で最大3科目免除200〜300万円2年
税理士公務員経験10〜25年で科目免除0円10〜25年
社会保険労務士公務員経験10〜15年で科目免除0円10〜15年
行政書士公務員経験17〜20年で無試験登録0円17〜20年
税理士司法試験・公認会計士保有で無試験登録
社会保険労務士弁護士は無試験登録可
行政書士弁護士、弁理士、公認会計士、税理士は無試験登録

こうして並べると、「お金で買う」タイプと「経歴で買う」タイプの両方があることが分かります。

特に後者の「経歴で買う」ルートは、意外なほど知られていません。

FP1級の33万円養成コースについては別記事で詳しく論じていますので、興味のある方はどちらもどうぞ。

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もっとも身近な「5問免除」、宅建登録講習の威力

お金で点数を買う制度の代表格が、宅地建物取引士の登録講習、通称「5問免除」です。

不動産業界に1年以上勤務している従業者であれば誰でも受講でき、約2万円と2日間のスクーリング+通信講座を修了すると、本試験50問のうち5問(問46〜50)が免除されます。

「たった5問」と思われるかもしれません。

ところが、宅建経験者なら口を揃えて「使った方がいい」と言うんですよ。

免除科目にあたる問46〜50の平均得点は2〜3点程度とされ、一般受験生と比べれば、講習修了者は実質的に2〜3点のアドバンテージを得ることになります。

合格ラインが1点差で勝負を決める年もある宅建において、この差は致命的です。

修了後3年以内に合格しないと再度受講が必要になるという制約はありますが、不動産会社勤務者なら受講料すら会社負担になるケースが多く、実質ゼロ円で大きな武器を手に入れられます。

社労士「7科目免除」

ほとんど知られていないのですが、社会保険労務士試験には、国家資格の中でも屈指の規模を誇る免除制度が用意されています。

社労士試験は、労働基準法、労働安全衛生法、労災保険法、雇用保険法、労働保険徴収法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、労働・社会保険に関する一般常識、という全8科目(試験区分としては8つ)で構成されています。

そして、これらの科目は以下のような実務経験に応じて、個別に免除可能なんですよ。

公務員・実務経験による主な免除パターン

社会保険労務士試験センターが公表している免除資格者一覧(2025年現在)によれば、以下のような免除ルートが存在します。

免除対象科目代表的な免除要件
労働基準法・労働安全衛生法国家公務員として労基法等の施行事務に通算10年以上/労働基準監督官採用試験合格者/司法試験合格者で労働法選択者
労災保険法国家公務員として労基法・労災法の施行事務に通算10年以上/労災保険審査官の職に5年以上
雇用保険法国または地方公共団体の公務員として雇用保険法・職業安定法の施行事務に通算10年以上/雇用保険審査官の職に5年以上
労働保険徴収法労働保険事務組合の役員・職員として通算10年以上
健康保険法公務員として健保法の施行事務に通算10年以上/健保組合・全国健康保険協会等の役員・従業者として通算10年以上
厚生年金保険法公務員として厚年法の施行事務に通算10年以上/厚生年金基金等の役員・従業者として通算10年以上
国民年金法公務員として国年法の施行事務に通算10年以上/国民年金基金等の役員・従業者として通算10年以上
労働・社会保険に関する一般常識公務員として厚生労働省の所掌事務に従事した期間が通算10年以上

(出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト「試験科目の一部免除資格者一覧」)

さらに驚くべきは、労働行政や社会保険諸法令の施行事務に15年以上従事した公務員は、それぞれ労働科目・社会保険科目の複数科目が一括で免除されます。

つまり、労働基準監督署やハローワーク、年金事務所などで15年のキャリアを積んだ公務員は、社労士試験の大半が免除される可能性があるわけです。

試験を通った社労士としては特に「労働・社会保険に関する一般常識」が免除なのは大きいと感じますね。

これかなり運に左右される科目ですから・・・

弁護士は「無試験」で社労士になれる

さらに、社労士登録制度にはもう一つルートが存在します。

弁護士となる資格を有する者は、試験を受けずに社会保険労務士として登録できるのです。

「弁護士が社労士業務をやるの?」と思う方もいるでしょうが、社労士の主業務である労務管理や労働紛争対応は、まさに弁護士の得意領域と重なります。

実際に、両資格を保有して企業の労務リスクに幅広く対応するダブルライセンス事務所も増えています。

また、行政書士となる資格を有する者や、司法試験予備試験合格者は、社労士試験の受験資格を得られます。

社労士は受験資格に学歴や実務経験の縛りがあるため、「そもそも受験できない人」が少なくないんですよ。

行政書士を先に取って受験資格を得る、という戦略は意外と理にかなっています。

公務員17年で無試験。行政書士「特認制度」

社労士と同じ構造の制度が、行政書士にも存在します。

行政書士法では、一定期間以上、公務員として行政事務に従事した者に対して、試験を経ずに行政書士資格を付与する規定があります。

俗に「特認制度」と呼ばれるものです。

具体的には、国または地方公務員として以下の期間、行政事務に携わった経験が要件です。

学歴区分必要年数
中学校卒業程度20年以上
高等学校卒業程度以上17年以上

つまり、地方公務員として20歳で入庁し、行政事務に17〜20年従事すれば、40歳前後で試験を一切受けることなく行政書士になれるんですよ。

費用はかかりません。

必要なのは日々の業務遂行と、その経歴の証明書類だけです。

実際、行政書士の新規登録者のうち、特認制度による登録者は毎年一定数を占めています

地方自治体を定年退職した方が、そのキャリアを活かして行政書士事務所を開業するケースも珍しくありません。

私も行政書士と知り合う機会が多いですが、元公務員の割合はかなり高いですね。

おそらくこの制度を利用しているのでしょう。

さらに、行政書士は他の難関資格保有者にも門戸を開いています。

弁護士、弁理士、公認会計士、税理士は免除

弁護士、弁理士、公認会計士、税理士となる資格を有する者は、無試験で行政書士登録が可能です。

つまり、これらの資格を既に持っていれば、行政書士は追加費用と登録申請だけで名乗れるわけです。

税理士の免除制度

税理士にもいくつも免除制度があります。

院免制度

まずは全国で毎年約40%の新規登録者が活用する「院免制度」です。

大学院で税法または会計に関する修士論文を執筆して国税審議会の認定を受けると、最大で税法3科目または会計1科目が免除されるルートです。

公務員の科目免除

また、税理士にも他の資格と同様に公務員の免除制度もあります。

従事する業務の内容によって必要年数や免除科目が変わります。

例えば「国税専門官」なら

・10年以上従事した場合:税法科目(固定資産税、住民税、事業税を除く国税のみ)
・23年以上従事した場合:税法科目+会計科目

が免除となります。

税理士で国税OBと名乗る人を結構見ますが、このルートでの取得の場合が多いですね。

弁護士、公認会計士は無試験で登録可能

弁護士、公認会計士となる資格を有する者は、無試験で税理士登録が可能です。

税法に関する一定の研修修了は必要ですが、試験そのものは免除されます。

中小企業診断士の免除制度

私ももっている中小企業診断士にも免除制度があります。

養成過程制度

1次試験合格後、2次試験を受験する代わりに、中小企業大学校や認定大学院などで6ヶ月〜2年の実務訓練プログラムを修了すると、2次試験と実務補習が免除されます。

費用は180〜350万円と、決して安くはありません。

それでも毎年、新規登録者の約2割がこのルートで診断士になっています。

中小企業診断士は2次試験が本番と言われるくらい難しいですから、はじめからこの制度を意識している方も多いですね。

一次試験の免除制度

さらに、中小企業診断士の1次試験にも科目免除があります。

公認会計士試験で経済学を受験して合格した者、不動産鑑定士試験合格者等は「経済学・経済政策」が免除。

公認会計士試験合格者、税理士試験合格者、弁護士は「財務・会計」が免除。

司法試験合格者等は「経営法務」が免除。

技術士(情報工学部門)や情報処理技術者試験の一部区分合格者は「経営情報システム」が免除されます。

ただし、免除となる科目は得意分野でしょうから得点源としてあえて受ける人も多いそうです。

公認会計士の取得ルート

公認会計士にも一部免除制度があります。

司法試験合格者

まず、司法試験合格者は、短答式試験全部と論文式試験の「企業法」「民法」が免除されます。

税理士

次に税理士となる資格を有する者は、短答式の「財務会計論」と論文式の「租税法」が免除されます。

弁理士の取得ルート

弁理士も同様です。

司法試験合格者、司法書士、行政書士

司法試験合格者、司法書士、行政書士は、論文式試験の法律科目(弁理士の業務に関する法律)が免除されます。

技術士、一級建築士、電気主任技術者、薬剤師等

また、技術士、一級建築士、電気主任技術者、薬剤師、情報処理技術者の一部区分合格者、電気通信主任技術者は、論文式試験の理工系選択科目が免除されます。

なぜ制度設計者は「抜け道」を用意したのか

ここまで整理すると、根本的な疑問が湧いてきます。

なぜ、国はこんなにも多くの免除制度を用意しているのか?

答えはシンプルで、試験は万能の選抜装置ではないということを、制度設計者が知っているからです。

筆記試験で測れるのは、「限られた時間で、定められた論点を、ミスなく解答する能力」に過ぎません。

これが実務能力と完全に一致するなら、どの士業も試験さえ通せば一人前のはずですが、現実にはそんなことはありません。

実務では、顧客の抽象的な悩みを解きほぐす力、関係者との合意形成力、経験に裏打ちされた判断力が求められます。

これらは試験では一切測れません。

だからこそ、制度設計者は試験以外の評価経路を用意しました。

  • 長期間の実務経験への評価(社労士の公務員免除、行政書士の特認制度)
  • 教育機関での体系的学習への評価(税理士の院免、中小企業診断士の養成課程)
  • 関連資格の知識水準の相互認定(弁護士→税理士・社労士、公認会計士→税理士)
  • 継続教育へのインセンティブ(宅建登録講習)

いずれも、試験一発勝負に偏った選抜の穴を埋めるための、仕組みと言えるのかもしれません。

免除制度を使う人が意識すべき3つのこと

「使えるものは使おう」と思った方に、水を差すようで恐縮ですが、重要な話をさせてください。

免除制度を使うなら、取得後に以下の3つを意識してほしいのです。

免除された分野こそ、自主的に埋める。

宅建登録講習で免除された5問の論点も、実務では必ず出てきます。

税理士の院免で飛ばした科目の知識も、顧客の質問に答えられなければ信頼を失います。

社労士の公務員免除を使った場合でも、免除された科目は民間企業クライアントに対応する上で不可欠な知識です。

制度上スキップできることと、知らなくていいことは、別物なんですよ。

取得ルートを隠さない。

「公務員出身の特認登録です」「院免で取りました」「養成課程出身です」と、堂々と公言できる方が、長期的には信頼を得られます。

業界内では、隠していてもいずれ分かります。

そして隠していたことが発覚した時の信頼毀損の方が、よほど深刻です。

養成過程出身者が二次試験対策講師

私が知っている例では中小企業診断士の養成過程出身の人がそれを隠して、中小企業診断士の二次試験対策の講師をやっていた人がいました。

別に試験を受けてなくてもちゃんと教えられればよいのでしょうが、試験の出題形式すら知らなかったようでかなり見当違いなことを教えていたそうでびっくりしました。

具体的に書くと本人にバレそうなので書きませんが、本当にヤバいレベルでした・・・笑

これはおかしいと思った受講者がわざわざ録音して聞かせてくれたんですよ・・・

自分のルートならではの強みを磨く。

公務員出身なら「行政との折衝力」、養成課程出身なら「実務訓練の密度」、院免なら「研究で深めた専門分野」。

自分のルートが授けてくれた武器を言語化し、それを顧客への価値提供につなげる。

これができれば、免除制度はまぎれもなく「賢い選択」になります。

まとめ

最後に、この記事を通してもっとも伝えたかったことを書きます。

資格は、どのルートで取っても、取ってからが本当の勝負です。

試験組で合格しても、登録後に学びを止めればすぐに知識は陳腐化します。

税制は毎年変わり、労働法制もコロコロ変わります。

新しいビジネスモデルは次々と生まれ、古い慣習は容赦なく淘汰されていく。

逆に、特認制度で取った行政書士でも、公務員経験で免除を使った社労士でも、養成課程出身の中小企業診断士でも、現場で経験を積み、顧客の信頼を積み上げ、継続的に学習を続ければ、圧倒的な専門家になれます。

取得ルートの優劣を論じることに、あまり意味はありません。

本当に大切なのは、資格を取った後、あなたが誰にどんな価値を提供するか。

そのために、今日何を学び、何を経験するか。

資格試験は長く険しい道のりです。もし使える免除制度があるなら、それは胸を張って使ってください。

浮いた時間とお金を、取得後の実力づくりに振り向ける方が、よっぽど生産的ですから。

制度は、知っている人だけが得をする仕組みになっています。

この記事が、あなたの資格取得戦略を立て直すきっかけになれば幸いです。

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この記事を書いた人

豊かに生きていく上で必須なのがお金の知識です。
しかし、日本では「お金」が汚いものという認識が根強く、あまり勉強されてきませんでした。そのため今後は老後破産が増えてしまうなんて話もありますね。
そんな世の中を少しでも変えたいという強い信念を元に「お金に生きる」を立ち上げました。
投資歴15年以上、社会保険労務士、中小企業診断士、簿記1級、1級販売士、ファイナンシャルプランナー2級、年金アドバイザー3級持ちの私が「お金」についてどこよりもわかりやすくお伝えることを目指していきます。
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