いきなりですが、「パーキンソンの法則」ご存じですか?
「お金に生きる」でも数回取り上げたことがある理論です。
パーキンソンの法則を知っているか知っていないかでお金に関して大きく差が開いてしまうとも言われています。実際にお金で成功された方はこの理論を知っていたか、知らなかったとしても感覚で認識していた方が多いようです。
お金持ちになる、お金に困らないために知っておきたいことシリーズとして今回はパーキンソンの法則についてみていきましょう。
そのほかシリーズ記事はこちらを御覧ください。
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パーキンソンの法則とは
パーキンソンの法則とは英国の歴史学者・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソン氏が提唱した理論です。
1958年、英国の歴史学者・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンの著作『パーキンソンの法則:進歩の追求』、およびその中で提唱された法則である 出所:wikipedia「パーキンソンの法則」
大きく2つの法則がありますのでそれぞれ見ていきましょう。パーキンソンの第一法則は仕事に関する法則、パーキンソンの第二法則はお金に関する法則となっています。かなり古い本が元になったものですが、現在にもよく当てはまってくるんですよ。
パーキンソンの法則はもともとイギリスの公務員の観察
パーキンソンの法則はもともと、役人の組織は、実際に必要な仕事の量に関係なく肥大化する傾向があるというところからできています。
これはイギリスの官僚制を観測した結果に基づいたもので、イギリス帝国自体は縮小傾向にもかかわらず公務員の職員数がどんどん増加していたんですね。
パーキンソンによれば、それは以下の理由によるものと指摘しています。
公務員は相互に仕事を作り合う
パーキンソンの第1法則とは
まずはパーキンソンの第一法則です。
第一法則は仕事量とその完了に要する時間の法則です。もともとこの法則は公務員への皮肉を法則化したものだそうですが、実際に仕事に関することを当てはめてもよく当てはまってきます。
パーキンソンの第1法則の例
これを普段の仕事にあてはめるとこうなります。
たとえば水曜日に来週の月曜日までに資料を作って欲しいと取引先から依頼を受けたとします。
本来は1日あれば終わる仕事で木曜日には提出できます。
しかし、来週の月曜日までと時間を切られるとその時間をフルに使おうと考えてしまうのです。
そのためそこまで必要ないだろうという添付資料を作ったり、書類の挿絵を無駄に加工したりクオリティを高めることなど時間を費やしてしまったりします。80点でいいところを100点を目指してしまうんですね。
これが一概に悪いこととは言えないかもしれませんが、他の仕事に時間を費やした方がより効率的、効果的であることは否定できません。
また、夏休みの宿題なども同じです。夏休み終わるまでという期限があることでそれまでにやろうとすればよいと考えて遊んでしまうという方も多いでしょう。わたしもそうでした(笑)こちらは完全に無駄が生じてしまっていますね。
つまり、「人は与えられた時間をすべて使ってしまう」という傾向にあるってことですね。仕事において本質的な部分の比率が下がってしまうのです。
これは無意識でいればこういう傾向があるってことです。しかし、この理論を知って意識をしておけばそれを防ぐことも可能となります。
パーキンソンの第2法則とは
次はパーキンソンの第2法則です。
簡単にいえば入ってくるお金が増えて来れば、支出の額も入ってくるお金まで増えてしまいますよってことです。
パーキンソンの第2法則の例
これを普段の生活に当てはめるとこうなります。
例えば給料の手取りが20万円の人がいたとします。
生活費も同じく20万くらい掛かってお金が貯まらないとします。
ではこの方の給料が上がったらどうなるでしょう?
転職して給料の手取りが30万円になったとしましょう。
今までの生活水準を保っていれば毎月10万円を貯められるはずです。
しかし、大抵の場合は生活水準そのものが上がってしまいまたカツカツの生活となってしまうのです。
つまり、「人は与えられたお金をすべて使ってしまう」という傾向にあるってことですね。
こちらも無意識でいればこういう傾向があるってことです。しかし、この理論を知って意識をしておけばそれを防ぐことも可能となります。
ラチェット効果も知っておこう
パーキンソンの第2法則に直接関係があるわけではありませんが、関連する理論として押さえておきたいのがラチェット効果です。
ラチェットとは歯止めの意味です。
ラチェット効果の言葉の意味的には「景気の後退期に消費性向が上昇することで、個人消費および景気全体が一方向に傾くことに歯止めが掛かること。」とされています。
これを個人に適用するとこんな感じです。
もともと給料の手取りが20万円の人が生活費月に20万で生活をしていました。
しかし、その後独立して事業は成功します。
収入が増えそれに合わせて支出も増えて生活費は月に100万円になったとしましょう。
その後、事業はジリ貧となり手取りが20万円くらいの収入となります。
もともとの生活費月に20万で生活をおくれればまったく問題ありません。
しかし、大抵の場合には生活の水準は下げられずにお金が回らなくなる。ってのがこのラチェット効果です。
これは実際多い話なんですよね。
特に過去一世を風靡した野球選手や芸能人が引退したり、人気がなくなってから破産するケースはこのラチェット効果によるものだといわれています。
つまり、生活水準を上げすぎると収入が下がったときに大変ですよってことです。ぜひパーキンソンの第2法則と合わせてラチェット効果も知っておきましょう。
ラチェット効果について詳しくはこちらの記事を御覧ください
いきなりですが、「ラチェット効果」ご存じですか?本サイト「お金に生きる」でもなんどか取り上げたことがある理論です。これかなりよく起こる状態で知っているか知っていないかで大きな差がでてしまう怖いものでもあります。今回は[…]
パーキンソンの第1法則に打ち勝つ
まずはパーキンソンの第一法則対策についてです。考えられる事として以下の対策があります。
必要な作業時間を予め明確化しておく
まず考えられるのが締切が別にあったとしても、その仕事は実際どれくらいでできるのかを予め明確化しておくことです。
そうすれば無駄な時間を使うことは減るはずです。
スケジュールを立てておく
前述とかぶるところもありますが、そに仕事をいつからいつまでやると予め決めておくのも効果的です。
スケジュールを細かく立てることでパーキンソンの第一法則に打ち勝つことが可能となります。
自分で締め切りを定める
また、先方や上司から締め切りを指示されていたとしても、それとは別に自分でこの時間までにやるという自分締め切りを別途い用意しておくのも効果的です。
そのためには前述のように必要な作業時間をあらかじめ体系化しておくのが効果的ですね。
パーキンソンの第2法則に打ち勝つ
次はパーキンソンの第2法則対策について考えてみましょう。こちらは以下の対策が考えられます。
貯めるお金ははじめから除く
パーキンソンの第2法則対策として最も有効なのが貯めたいお金をはじめから除いておくということです。
つまり、
ということです。そうすることで支出は増えていかないし、生活水準を上げすぎないということになります。
ウォーレン・バフェットさん
世界的に有名な投資家のウォーレン・バフェットさんもこんなこと言ってます。
金森重樹さん
また、ふるさと納税のみで生活をすることで有名になった金森重樹さんはこんなことを言ってます。
言ってることは違いますが、方向性は同様です。支出のコントロールの大切さを説いているのです。
自動引き落としの制度を使う
そうは言っても人は弱いものです。
自分でやろうとしてもなかなかできませんよね。
だったら強制的にそれができる仕組みを作るのが1番です。
そんな仕組みはいろいろ用意されているんですよ。
例えば会社によっては財形貯蓄なんて制度があると思います。
給料から天引で強制的にお金を貯めることができる仕組みですね。
そういう制度がない会社にお勤めの方も個人型確定拠出年金(iDeCo)やNISAで代用が可能です。
天引きではありませんが、自動引き落としでお金を貯めることができますのでおすすめですね。
個人型確定拠出年金(iDeCo)やNISAについて詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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支出を管理する
もう一つの方法がお金の管理をちゃんと行うことです。
見える化することで無駄遣いは確実に減ります。
ただそうはいっても家計簿付けたりするのはかなり面倒ですよね。
そういうときは下記のようなアプリを使うとほぼ自動で家計簿つくれて便利ですよ。
また、予算などを立てることも可能です。予めどの支払いにいくら使うのかを決めておくことも有効な対策となります。
家計簿アプリ「マネーフォワードME」は便利「マネーフォワードME」なる家計簿アプリを使い始めて2年近くが経ちました。これが本当に便利なのでご紹介します。今まで私は家計簿なんてほとんどつけたことがありませんでした。[…]
目的口座をつくる
また、目的別に口座を分けてしまうのも効果的です。
一つの預金口座になんとなく管理しているとどうしても余分な出費が嵩みがちです。
それを別に分けてこの口座はいくら貯めるためにつかうといったように決めて管理するのも効果的ですね。
それぞれ別の銀行に口座ももつのもありです。
また目的別口座がある銀行などを利用する手もありですね。
多くのネット銀行では目的別口座を利用が可能となっています。
まとめ
今回は「「パーキンソンの法則」お金持ちになる、お金に困らないために必要なこと」と題してパーキンソンの法則についてみてきました。
特にパーキンソンの第二法則はお金を貯める上で大変重要ですので意識しておきたいところです。
また、パーキンソンの法則と合わせてプロスペクト理論も押さえておきましょう。
先日、読者様から「プロスペクト理論について詳しく教えてください」とメッセージをいただきました。「プロスペクト理論」ってあまり聞いたことがない方もおおいかもしれません。しかし実はプロスペクト理論は行動経済学最大の成果とも言われ[…]
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