「ラチェット効果」無駄使いをしてしまう理由はこれだった

いきなりですが、「ラチェット効果」ご存じですか?

本サイト「お金に生きる」でもなんどか取り上げたことがある理論です。

これかなりよく起こる状態で知っているか知っていないかで大きな差がでてしまう怖いものでもあります。

今回はお金持ちになる、お金に困らないために知っておきたいことシリーズとしてラチェット効果について見ていきましょう。

ラチェット効果とは

まずはラチェット効果とはなにかについて見ていきましょう。

ラチェット効果は経済学用語の一つで、アメリカの経済学者「デューゼンベリー」氏が提唱した理論です。

別名「歯止め効果」といいます。

景気の後退期などに所得が減っても、消費性向が上昇することで、個人消費および景気全体が一方向に傾くことに歯止めが掛かる。

状態を指します。

ラチェットとは一方向にしか回らない歯車(歯止め)のことです。

一度生活水準を上げてしまうと歯止めがあるためなかなかもとには戻らないということを指します。

多くの方が所得が減っても生活水準が落とせないため、貯蓄などを取り崩してでもしばらくの間、今までの生活水準、消費水準を保とうとしてしまうのです。

ですから景気の底固さの説明に利用されたりします。

ラチェット効果を個人の方にあてはめるとこういう状態を指します。

収入が下がったりして使えるお金が減っても、生活水準を落とせず支出は減らない

経済全体からみれば景気の底を支えるわけですから必要ですが、個人レベルでは避けたい現象ですよね。

しかし、この状態は本当によくあるんですよ。


ラチェット効果の例

それではラチェット効果の例を見ていきましょう。

本当によくある話なんですよ。

例えばこんな感じです。

会社が成功して優雅な暮らしをしている社長がいました。
高級なお店でランチが日課です。
しかし、ある時会社で不祥事が発覚。
会社をやめざる得なくなります。
つまり、収入が途絶えた状態です。
しかし、その方は高級なお店のランチはなかなかやめることができないのです。

今まで高級なお店ばかり行っていた人はプライドが邪魔をするのかすぐに吉野家や松屋にいけるようにはならないんですよね・・・

昔人気だった芸能人が転落人生を歩むのもラチェット効果によるもの

昔、一世を風靡した芸能人現役時代は高給取りだったプロ野球選手が人気がなくなったり、引退してから破産したり、犯罪に手を染めてしまって転落人生を歩むケースをよくみかけます。

これらの多くは人気のあったころ現役時代、つまり所得が多かった時の生活水準を変えられず、それを維持するために無理して破産したり、犯罪に手を染めてしまうんですよ。

高級マンションを借りていて、収入が急に減ったのにその高級マンションからなかなか出ていけないって話もよく聞きます。

ラチェット効果はお金に困らないという観点からみると本当にかなり怖いものだったりするのです。

ラチェット効果に打ち勝つには

それではラチェット効果に打ち勝つにはどうすればよいのでしょうか?

いくつか分けて見ていきましょう。


生活水準をむやみに上げない

まずラチェット効果に打ち勝つ一番の方法はそもそもの生活水準を上げないことです。

一度上げてしまった生活水準を戻すことは思っているより大変。

ですが生活水準を上げなければラチェット効果と戦うこともないのです。

稼いでいるのに節約しすぎてもなんのために稼いでるんだ・・・ってところもありますけどね(笑)

決めた金額の中で生活する

また、あらかじめお金をいくらまで使っていいのか決めてしまうのも効果的です。

お小遣い制みたいにしちゃうってことですね。

決められた金額の中で生活すれば生活水準が上がってしまうことも少ないでしょう。

家計簿をつける(見える化)

もう一つの方法がお金の管理をちゃんと行うことです。

特に有効なのは家計簿をつけることでしょう。

家計簿を付けるとそれだけでお金の流れ、支出の内容が見えるようになります、

特に支出を見える化することで無駄遣いは確実に減ります

現実をしっかり把握することでラチェット効果に打ち勝つのです。

ただ、そうはいっても家計簿付けたりするのはかなり面倒ですよね。

そういうときは下記のようなアプリを使うとほぼ自動で家計簿つくれてかなり便利です。

また、予算などを立てることも可能ですから支払いにいくら使うのかを決めておくことも有効な対策となります。

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家計簿ソフト

目的別口座を作る

また、目的別に銀行口座を分けてしまうのも効果的です。

一つの預金口座になんとなく管理しているとどうしても余分な出費が嵩みがちです。

それを別に分けてこの銀行口座はいくら貯めるためにつかうといったように決めて管理するのも効果的ですね。

また以下の銀行ならば一つの銀行口座に目的別口座をつくることができて便利ですね。

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行です。

こちらも代表口座とは別に5つまで目的別口座を設けることができます。

また、目標金額や期日を設定することができます

達成率なんかもみれます。お金を貯めることに関してはかなり便利な機能ですね。

貯める金額は強制貯金

また、そこにお金があるから使ってしまうという部分も大きいため、強制的に収入から貯めたいお金をはじめから除いておくということが効果があります。

つまり、残ったお金で生活するようにするのです。

これは有名なお金持ちの方たちも実際に提唱している話なんですよ。

ウォーレン・バフェットさん

世界的に有名な投資家のウォーレン・バフェットさんもこんなこと言ってます。

お金を使った後で、残った分を貯金するのではない。貯金したあとで、残った分を使うのだ。
つまり、貯めるべきお金は先に天引きしておけってことですね。

金森重樹さん

また、ふるさと納税のみで生活をすることで有名になった金森重樹さんはこんなことを言ってます。

コップの中の水を飲むな。こぼれてきた水を飲め

言ってることは違いますが、方向性は同様です。

支出のコントロールの大切さを説いているのです。

強制貯金のおすすめ制度

強制貯金的にお金を貯める方法として私のおすすめは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)とつみたてNISAです。

両方とも決まった日にお金を引き落として自動でつみたてをすることになります。

強制貯金といえるかもしれません。

また、会社によっては財形貯蓄という制度があるところもあるでしょう。

こちらは給料からの天引きです。

イデコやつみたてNISAほどのメリットはありませんが、投資が苦手な方にはおすすめですね。

デモンストレーション効果にも気をつけよう

もう一つ押さえておきたい理論があります。

アメリカの経済学者「デューゼンベリー」氏がラチェット効果と一緒に提唱した「デモンストレーション効果」です。

最近この効果により貧乏になってしまっている方も多いんですよ。

デモンストレーション効果とは

デモンストレーション効果とは簡単に言えば他の人の影響で購買行動をとってしまう現象のことです。

最近多いのが、Instagramなどのセレブの生活をみてしまうことでそのマネをしてしまうことで生活水準をあげてしまうことですね。

当然、セレブと所得が違いますから、生活水準を同じようにしてしまえば貧乏になってしまうのは当然です。

こちらも気をつけたい理論ですね。

対策は基本的にラチェット効果と同じです。

デモンストレーション効果に特に効果があるのは家計簿をつけるなどの見える化でしょう。

現実を知ることでそのような消費は減るはずなのです。

まとめ

今回は「「ラチェット効果」お金に困らないために必ず知っておきたいこと」と題してラチェット効果について見てきました。

お金に困ってしまう方の多くがハマってしまう理論ですから気をつけたいところですね。

そのほかお金持ちになる、お金に困らないために知っておきたいことシリーズ記事はこちらを御覧ください。

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