銀行等の預貯金口座のマイナンバーは義務?提出しないとどうなるのか?

2016年から始まったマイナンバー制度。

行政を中心にすこしずつ利用されるケースが増えてきました。

例えば平成31年4月から確定申告書の提出時に源泉徴収票の添付が不要になったのもマイナンバーでの紐づけによるものでしょう。

また、住民票や登記簿謄本などもコンビニなどでマイナンバーカードを使って簡単に発行できるようになっている自治体が多いです。

今後も徐々にそういう簡略化される手続きが増えてくると思われます。

ですからマイナンバーによって便利な部分もあります。しかし、マイナンバーを提出する側からするといろいろ紐付けられると悪いことをしていなくても漠然と怖いイメージもありますね。

また、銀行の口座開設時にマイナンバーの提出を強く要求されトラブルになるケースも聞いています。

そこで銀行へのマイナンバー提出する意味とそもそも提出をしないとどうなるのかについて解説していきます。

※2020年1月17日 追記:銀行口座とマイナンバーの紐付けが予想どうり義務化されそうな雰囲気になってきましたね。

高市早苗総務相は17日の閣議後の記者会見で、金融機関の預貯金口座とマイナンバーのひも付けを義務化するため、財務省と金融庁に検討を要請したと述べた
出所:日経新聞 2020年1月17日

追記:当面、一人一口座のマイナンバーとの連携というルールになりそうです。

これが実現すれば今回の新型コロナウィルスの際の給付などには利用が用意ですから一つの目的は達成できますね。

銀行の預金口座のマイナンバーの届け出は任意

銀行等の預貯金口座についてマイナンバーの提出しないとどうなるのでしょうか?

まずは結論からお話をしておきましょう。

そもそも銀行の預金口座に関するマイナンバーの提出

義務ではない

のです。

マイナンバーの預貯金口座へのマイナンバーの付番(紐づけ)は2018年1月から始まっています。

しかし、預貯金口座について金融機関へのマイナンバーの提出自体は今の所、任意という扱いで義務となっていないのです。

ですから銀行も利用客にマイナンバーを提出させようとしていますが、提出が義務ではないため強く言えないはずなんです。銀行はあくまでも「マイナンバー届け出へのご協力のお願い」をしているに過ぎません。

そのため基本的にマイナンバーの提出を拒否しても銀行の預金口座開設や住所・名前の変更などの手続きは問題なくできます。(後述するマイナンバー提出義務のある取引がない場合)

しかし、行員の知識不足なのか上からの指示なのかはわかりませんがマイナンバーを提出しないとそれら取引ができないと言われることも多いのです。このあたりはこちら側が知識を持っていないと騙されてしまいますね・・・


一部取引はすでに提出が義務化されている

ただし、後述しますが銀行へのマイナンバーが一部取引はすでに義務となっています。

例えば三菱UFJ銀行は預金口座の開設や住所・名前の変更などの手続については「マイナンバーのお届けをご依頼しているお取引」としています。つまり、強制ではない任意ってことですね。

しかし、義務となっている取引には「マイナンバーのお届けが必要なお取引」としてます。

金融機関側も微妙な言い回しですが明確に使い分けてあるんです。

2021年ごろからは義務化か?

ただし、将来的には義務化される可能性が高いです。

 付番開始後3年を目途に、預貯金口座の付番状況を踏まえながら、適切にマイナンバーの提供を受ける方策を検討し、国民の理解を得つつ、必要な措置を講じる予定
出典:内閣府 マイナンバー 「今後のスケジュール等」より

付番開始後3年を目処と言うことですから2021年ころからは状況により必要な措置(義務)になる可能性があるということですね。

ただし、簡単ではないと思われます。一説には銀行口座は10億口座くらいあるそうですからね・・・わたしも全く使っていない口座を含めれば10口座くらいは持っています。

ちなみにまったく使ってない銀行口座はお気をつけください。以下のような扱いになります。

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このあたりの休眠口座のほとんどは口座の連絡先が変わったなどして連絡がつかないケースがほとんどだそうです。

ですからマイナンバーが銀行口座とひもづけばこのあたりも解消されるのかもしれませんね。

なぜ銀行口座とマイナンバーを紐づけるのか?

それでは今回の話の前提であるマイナンバーと銀行口座を紐付ける理由について考えて見ましょう。

まずはそもそものマイナンバー制度ってなんのために導入されたのかからみてみましょう。

マイナンバー制度の目的

マイナンバー制度が導入されたのは大きく3つの目的があります。

1.公平・公正な社会の実現
2.国民の利便性の向上
3.行政の効率化
順番に見ていきましょう。

公平公正な社会の実現

公平・公正な社会の実現は簡単に言えば税金の脱税や社会保険の納付逃れ、様々な補助金・給付金・助成金などの不正受給の防止が大きな目的となります。
不正をしていない方からするとありがたい話ですね。
不正をしていた方が税金などをちゃんと納めてくれれば将来的に自分たちの税金負担が下がったりする可能性があるわけですしね。

国民の利便性の向上

国民の利便性の向上は前述したように住民票や謄本もコンビニで出せるようになったり、行政機関への提出書類が簡略されるということですね。
これはある程度すでに効果が表れていますね。便利になってありがたい話です。

行政の効率化

行政の効率化は今までいろいろな行政機関がそれぞれで個人情報を管理運用してましたので無駄が生じていました。それをマイナンバーで効率化しましょうってことです。
これもありがたい話でしかありませんよね。行政のムダは本当に多いと思いますがそれらがなくなればそれだけ自分たちの税金負担が下がったりする可能性があるわけですしね。
つまり、この3つとも悪いことをしていない方にとってはマイナンバーの導入はいい話ばかりなわけです。
もちろん不正利用が怖いとかマイナンバーのデメリットも考えられます。しかし、今の所はマイナンバーが絡んだ大きな不正利用の話はありませんね。

銀行口座とマイナンバーを紐付けるわけ

それでは本題です。銀行口座とマイナンバーはなぜ紐付ける必要があるのでしょうか?

これは1の公平・公正な社会の実現が大きな目的となります。簡単に言えば国がその人の所得や財産をしっかり把握するためということです。

脱税などを防ぐためということですね。

また、実は収入があるのに生活保護を受けていたりなんてケースもこちらで防ぐことができるでしょう。

悪いことをしている方からすると紐付けられたくはないかもしれませんが、それ以外の方からすると紐付けられても大きな問題にはならないというのが正直なところになります。

また、すでになんか怪しいぞってなれば税務署などは銀行口座を調べることができるそうですからあまり変わらないと言えば変わらないんですよね。

銀行にマイナンバーを必ず届け出をしないといけない取引もある

ただし、銀行に必ずマイナンバーを届け出しないといけない取引も一部あります。

例えば証券口座やNISA口座関連などです。

届け出が義務な取引

法令にもとづき、個人番号(マイナンバー)のお届けが必要になる主な取引をみずほ銀行を例に押さえておきましょう。

投資信託・債券
  • 新規の口座開設
  • 特定口座のお申し込み
  • NISA口座・つみたてNISA口座のお申し込み・ご解約・金融機関変更
  • ジュニアNISA口座のお申し込み・ご解約
  • おところ・おなまえなどの変更
  • 債券・利札による元利金のお受け取り
外国送金
  • 国外向けの仕向送金、仕向送金小切手
  • 国外からの被仕向送金、被仕向送金小切手
  • クリーンビル買取・取立
マル優・マル特
  • 新規のお申し込み
  • おところ・おなまえ・お取引店などの変更
財形預金
(住宅・年金)
  • 新規のお申し込み
  • おところ・おなまえなどの変更
金融商品仲介
  • 証券口座の開設
  • 特定口座の開設
  • おところ・おなまえなどの変更
教育資金贈与信託
結婚・子育て支援信託
(信託代理店業務)
  • 新規のお申し込み(マイナンバーのお届けは贈与を受けられる方のみ)
  • 追加のお申し込み(マイナンバーのお届けは贈与を受けられる方のみ)

出典:みずほ銀行「個人番号(マイナンバー)のお届けが必要なお取引」より

ただし、ほとんどの場合は一度その金融機関にマイナンバーを提出していれば内部で付番してくれるようですから再度の提出は必要がないとのことです。

まとめ

今回は「銀行等の預貯金口座のマイナンバーは義務?提出しないとどうなるのか?」と題して銀行の預金口座のマイナンバーについて考えてみました。

まとめると以下のとおりです

2021年までは銀行の預金口座分のマイナンバー提出は任意
2021年以降は義務化される可能性あり
預金口座以外の取引はすでに義務化されたものも

また、新型コロナウィルスへの影響で全国民に一律で10万円が給付される特別定額給付金の申請はマイナポータルを利用しての受付となりました。

今後もこのような給付にマイナンバーカード及びマイナポータルが利用されると思われますのであらかじめ用意しておくのがおすすめですね。

最後まで読んでいただいてありがとうざいます。

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