国民一人当たり一律で10万円の現金給付。特別定額給付金の給付方法を解説

2転3転していた新型コロナウィルスに伴う経済対策の目玉「現金給付」が閣議決定後にさらに大きく方向転換しました。

閣議決定では住民税非課税世帯レベルまで収入が落ちた世帯などが対象で1世帯あたり30万円の現金給付だったのが評判が非常に悪かったことも有り、国民一人当たり一律で10万円となることになったのです。(補正予算成立が必要ですが野党も反対はできないでしょう)

閣議決定までしたものを方向転換したことに批判も多いですが、個人的にはとても良い方向変換だとは思います。

当初からこっちだったら全然違ったのに・・・って思いますけどね。

そんな一律で10万円の現金給付ですが、気になるのがいつもらえるのか、どうやって申請するのか、誰が対象となるのかといった実際の手続きがどうなるのかです。

今回は過去に実施された定額給付金制度やプレミアム商品券などの事例、現在の様々な申請方法、報道を元に実際どのような手続きになるのかを予想してみたいと思います。

特別定額給付金(仮)の給付方法が正式に総務省から発表されましたので追記しました。(補正予算成立が条件)

まだ、課税の有無等不明点もありますので判明次第追記いたします。

国民一律10万円の現金給付の対象者はどうなる?

まずは現金給付の対象者について考えていきましょう。

特別定額給付金(仮)の対象者:総務省発表

※:対象者は以下のようになります

  • 給付対象者は、基準日(令和2年4月27日)において、住民基本台帳に記録されている者
  • 受給権者は、その者の属する世帯の世帯主

4月27日時点での住民基本台帳に掲載されているか否かで判断されます。

下記の定額給付金にあった外人登録原票に登録というのはなくなっていますね。

また、予想どうりですが世帯ごとの給付となりました。

問題になっている旦那から逃げている方とかはもらえないことになってしまいそうですからその辺りは微妙ですね・・・

参考:定額給付金の例

国民1人あたりとなっていますが、その範囲をどうするのかということです。

例えばリーマンショック時(2009年)に実施された「定額給付金」の際は以下の条件となっていました。

給付対象者は、基準日(平成21年2月1日)において、1)又は2)のいずれかに該当する者
1) 住民基本台帳に記録されている者
2) 外国人登録原票に登録されている者(不法滞在者及び短期滞在者のみ対象外。)

つまり、住民票に登録されているか、外国人登録原票に登録されているかということが受給の条件でした。

住民登録を怠っていたり、不正入国している方はもらえなかったことになります。

ちなみに定額給付金は給付対象者1人につき12,000円(基準日において65歳以上の者及び18歳以下の者については20,000円)とされていました。当時は完全な一律じゃなかったんですね。


国民一律10万円の現金給付の申請はどうやる?

次に現金給付の方法です。

定額特別給付金の給付方法:総務省発表

定額特別給付金は以下の2パターンの給付方法となりました。

予めの予想とかなり近かったですね。

(1)郵送申請方式

  • 市区町村から受給権者宛てに郵送された申請書に振込先口座を記入し、振込先口座の確認書類と本人確認書類の写しとともに市区町村に郵送

前回の定額給付金と近いですが、窓口ではなく基本的に郵送という流れとなりました。

窓口に殺到して新型コロナウィルスが蔓延するのを避けたのでしょう。

(2)オンライン申請方式(マイナンバーカード所持者が利用可能)

  • マイナポータルから振込先口座を入力した上で、振込先口座の確認書類をアップロードし、電子申請(電子署名により本人確認を実施し、本人確認書類は不要)

もう一つがオンラインでの申請です。

今回オンラインでの申請はマイナンバーカードが必須となりました。

まだまだ利用者が少ないですから多くの方は郵送となるでしょう。

マイナポイントもできますのでこの機会にマイナンバーカード作ってしまうのもおすすめですよ。

ちなみにマイナポータルとはマイナンバーカードを利用した政府のオンラインサービスです。

詳しくはこちらを御覧ください。

コールセンター

なお、本件についてはコールセンターが設けられます。

【コールセンターの概要】
○連絡先 03-5638-5855
○応対時間 9:00~18:30 (土、日、祝日を除く)

※ 現在、大変多くのお問い合わせをいただいており、お電話がつながりにくい時間帯がございます。お電話がつながらない場合は、時間をおいてお掛け直しください。
※ なお、特別定額給付金(仮称)に関するお問い合わせは、上記コールセンター以外では、お受けいたしておりません。ご不便をお掛けいたしますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

参考:定額給付金の例

参考までに定額給付金の場合は以下のやり方でした。

 定額給付金の給付を受けるためには、基準日現在で住民登録・外国人登録がある市町村に対して申請を行い、当該市町村による給付の決定が行われることが必要です。申請のための用紙等は、給付の開始にあわせて、申請・受給者(世帯主又は外国人個人)に対して送付されます

出所:総務省 定額給付金よくある質問

つまり、申請のための書類が郵送されてくるのでそれを用いて市町村役場で申請を行うやり方でした。

申請書には、ご本人を確認するための書類の写しや、振込先の口座番号を確認するための通帳、キャッシュカード等の写しを添付する形でしたね。

参考:プレミアム付商品券の例

こちらは対象が限られたプレミアム付商品券の場合は以下のやり方でした。

各市区町村が独⾃に実施してきた商品券事業の実施⽅法など⾃治体が最も適切と考える 実施⽅法を認め、⾃治体における迅速・円滑かつ効果的な事業執⾏を後押し。

出所:内閣府 プレミアム付商品券

プレミアム付商品券のときは緊急性があったわけではありませんでしたからやり方は各市町村に丸投げでしたね。

市町村役場自らやるところもありましたし、商工会議所や商工会がやっているケースもありました。

多くの場合は対面式でのお渡しとなっていました。

国民一律10万円の現金給付はいつ?

それでは現金給付はいつになるのでしょう?

当初の案では4月下旬に補正予算成立。5月頭から申請開始、5月下旬から支給開始となっていました。

今回、収入が落ち込んだ世帯に30万円給付という話から大きく変わりましたのでこれから予算案の修正が入ります。

ですから1週間程度遅れてしまうという話もでています。

早くて5月下旬という感じになるのでしょう。

報道を見る限り地域ごとに(市町村単位)に多少時期がずれるようです。


国民一律10万円の現金給付は課税対象?

もう一つ気になるのが今回の現金給付は課税対象なのかどうかということです。

当初出ていた収入が落ち込んだ世帯に30万円給付という「生活支援臨時給付金」では非課税とされていました。

また、前述した2009年に行われた定額給付金も非課税でした。

 定額給付金は非課税扱いとなっていますので、課税されません。

出所:総務省 定額給付金よくある質問

ですから今回もおそらく非課税となると思われます。

菅官房長官も非課税になると記者からの質問に応えていましたね。

他の給付金を含めて税金面についてはこちらの記事でまとめました。

新型コロナウィルス特別所得税登場??

ただし、国民全員に10万円ですから単純計算で12兆円近く必要となります。

そのため、問題となるのが財源です。

考えられるのは東北大震災のときから実施されている「復興特別所得税」のような扱いです。

2013年から2037年まで復興に掛かった税金を回収するために所得税に2.1%の復興特別所得税が掛けられています。

これと同様に新型コロナウィルス特別所得税で回収するのではないでしょうか。

あくまで私の予想ですが・・・

もしコレが実施されれば高額所得者などは10万円をもらっても税金が増えて結局マイナスということもあり得るでしょうね。

まとめ

今回は「国民一人当たり一律で10万円の現金給付へ。給付の申請方法等がどうなるのかを予想してみた。」と題して現金給付の件をみてきました。

まだまだ不明点も多いですが、詳細が決まり次第、お金に生きるでも解説していきたいと思います。

なお、今回ご紹介した特別定額給付金以外にも新型コロナウィルス対策として様々な制度が始まっています。

これらをうまく使ってこの難局を乗り切りたいですね。

●国民一人当たり10万円を給付する「特別定額給付金
●売上が半減した中小企業等に最大200万、個人事業主に100万円を支給する「持続化給付金
●休業している方を失業とみなして失業保険を支払う「みなし失業
●家賃の3分の2を半年分補助「特別家賃支援給付金
●原則3ヶ月、最大9ヶ月、 家賃相当額を自治体から家主さんに支給する「住宅確保給付金
●住民税の全部または一部の納付を免除してくれる制度です。「住民税の減免制度
●国民健康保険を安くすることが出来る「国民健康保険の減免制度
●国民年金を免除することが出来る「国民年金保険料免除制度
●税金や社会保険の支払いを遅くすることが出来る「税金等の納税猶予制度
●学生に最大20万円を給付する「学生支援緊急給付金

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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10万円の現金給付。 給付の申請方法等がどうなるのかを予想してみた。
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