確定拠出年金はこのサイトでも何度もご紹介している個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の他に勤め先の企業が掛金を拠出する企業型確定拠出年金(企業型DC)があります。
そのうち企業型確定拠出年金は、掛けてくれていた会社を退職や転職すると加入資格を失います。
次の会社も企業型確定拠出年金がある場合、そのまま移行手続きをとる方が多いですが、そうでない場合放置されてしまうケースが多いのです。
退職、転職後に企業型確定拠出年金を放置しているのが73万人分2000億円
それが2018年3月末の時点で73万人2000億円あるとのこと。
かなりの方が放置して塩漬け状態にしてしまっているんですよね。
実はこんなことを書いている私も厚生年金基金っていう前の会社が払ってくれていた企業年金制度を放置していました(笑)
ちょうどその厚生年金基金が解散をすることになり、連絡が来て気づいたくらいです。
そういう人も多いのでしょうね。
企業年金を放置することは損の場合が多いです。
私の場合の厚生年金基金の場合は特に損ではありませんでしたが・・・
とくに企業型確定拠出年金はしっかり対処しないと大損となりますので該当する方はご注意ください。
今回はその場合の対処法を見ていきたいと思います。
※加筆修正を行いました。
なお、個人型確定拠出年金(iDeCO)に加入している場合はこちらの記事をご覧ください
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そのまま確定拠出年金を放置しておいた場合
資格喪失(退職、転職)した翌月から起算して6ヶ月以内に手続きを済ませない場合、資産は国民年金基金連合会へ自動移管されます。
自動移管されるとデメリットとして
- 資産の運用ができない
- 管理手数料がかかる
- 老齢給付の加入者期間に算入されない
があります。
特に手数料は大きいです。
特定運営管理機関手数料(自動移管される時)3,240円
国民年金基金連合会手数料(自動移管される時)1,029円
が初期手数料としてとられます。
また、毎月管理手数料として51円が徴収されます。
運用も行っていないのにお金だけとられるなんてあほらしすぎますよね・・・
また、他の企業型確定拠出年金や個人型確定拠出年金(iDeCo)へ移すときも1,080円の手数料が徴収されます。
脱退一時金・死亡一時金の場合でも裁定手数料4,104円がとられます。
企業型確定拠出年金の放置はやめよう
もうすでに6ヶ月すぎている方は毎月手数料取られ続けますので早めに移管しましょう。
今後の方は放置しないよう早めに手続きを取ってください。
移管方法としては大きく分けて3つあります。
脱退一時金の請求できる場合も
以下の4パターンのどれか条件を満たせば脱退一時金として資産を引き出すことができます。
なかなか条件が厳しいので該当する方はそこまで多くないかもしれませんね。
平成28年12月以前に加入者資格を喪失、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者となる資格なし
以下をすべて満たす場合
2.企業型確定拠出年金の加入者でないこと
3.障害給付金の受給者でないこと
4.通算拠出期間が1ヶ月以上3年以下、又は個人型管理資産が50万円以下であること。
5.資格喪失日から2年を経過していないこと
6.企業型確定拠出年金から脱退一時金の支給をうけていないこと
平成28年12月以前に加入者資格を喪失、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者となる資格あり
以下をすべて満たす場合
2.障害給付金の受給者でないこと
3.通算拠出期間が1ヶ月以上3年以下、又は個人型管理資産が25万円以下であること
4.資格喪失日から2年を経過していないこと
5.企業型確定拠出年金から脱退一時金の支給をうけていないこと
平成29年1月以降に加入者資格を喪失した方
以下をすべて満たす場合
2.障害給付金の受給者でないこと
3.通算拠出期間が1ヶ月以上3年以下、又は個人型管理資産が25万円以下であること
4.資格喪失日から2年を経過していないこと
5.企業型確定拠出年金から脱退一時金の支給をうけていないこと
資産が極めて少額の場合
2.個人型確定拠出年金の加入者、運用指図者でないこと
3.資産額が15,000円以下であること
4.最後に企業型確定拠出年金加入者の資格を喪失してから6ヶ月を経過していないこと
他の企業型確定拠出年金へ移管
転職先に企業型確定拠出年金があれば会社で手続きを取ってもらえば移管することができます。
たいてい転職先の会社側から確認があると思いますので放置になってしまうことはあまりないとおもいますが・・・
個人型確定拠出年金(iDeCo)へ移管
転職先に企業型確定拠出年金がない、または自営をするなどの場合は個人型確定拠出年金(iDeCo)へ移管ができます。
この場合、積立は追加せず運用だけ(運用指図者)となることも新たな積立を開始することもできます。
運用指図者となる(積立を新規でしない)
あらたな掛金を拠出はしないけど運用をするだけという方法を運用指図者といいます。
放置している場合と比べて運用が可能になりますので利益が上る可能性があります。
ただし、運用指図者となっても個人型確定拠出年金(iDeCo)に手数料が毎月発生しますので運用する金額によっては手数料負けの可能性が高いですのであまりオススメはできません。手数料は証券会社、銀行等によって異なります。
手数料の安い証券会社、銀行等を後述しますので参考にしてみてください。
新たに拠出を開始する
新たに拠出をすることもきます。
この場合、個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリットである所得税や住民税の節税効果(小規模企業共済等控除)が受けることができます。
お金にある程度余裕がある場合はこの方法がオススメでしょう。
ただし、60歳までは引き出すことができませんのでそのあたりも勘案して掛金を考える必要があります。
個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリットデメリットはこちらをご覧ください。
個人型確定拠出年金(イデコ/iDeCo)とは、毎月決まった金額を積み立てることで老後の生活に備えるための公的な制度です。この制度最大の特徴は税金面で様々な優遇措置が取られていることです。他にもメリット・デメリットがありますの[…]
オススメ移管先5社
移管をするためにはまずは移管先の金融機関を決める必要があります。
たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
実は個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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