先日、個人を格付けする信用スコア業界にLINEが参入しました。
「LINE Score(ラインスコア)」です。
先日もYahooが始めた「Yahoo!スコア」についてご紹介しましたが、今後日本でも信用スコア業界に各社が参入する気配となっていますね。
今回はLINE Score(ラインスコア)を利用するメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。
LINE Score(ラインスコア)とは
LINE Scoreとは、LINEの利用傾向を診断しあなたのライフスタイルにあった嬉しい特典を提供するサービスです。
具体的にはLINEが持っているアプリの利用状況やユーザー行動などのデータを分析することで信用スコアとして数字を出してそれを様々な場面で活用します。(LINEが・・・)
これによりLINEは信用スコアを利用してもらうことで企業から手数料をもらうことができ、信用スコアを利用する企業は信用調査の費用を押さえることができ、ユーザーは信用スコアを利用する企業からのサービスの優遇を受けることができるようになります。
成功事例はアリババの芝麻信用
この分野で先行しているのは中国のアリババの提供する「芝麻信用(ジーマしんよう)」です。
中国で最も普及しているキャッシュレス決済のアリペイに組み込まれていることから利用者がかなり多くなっています。
芝麻信用の場合はSNSの友達情報、SNSの書き込み、クレジットカードの決済状況、アリペイ(QR決済)の利用情報、学歴、職歴、資産保有状況など様々なデータが紐付いて信用スコアを付けます。
その信用スコアが高い人は銀行からお金が借りやすかったり、金利が安かったりなど様々な優遇を受けることができるそうです。
逆に信用スコアが低いと飲食店や飛行機チケットの予約ができなかったり、シェア自転車が利用できなかったりするそうです。
LINE Scoreも最終的にはこれの日本版を目指しているのでしょう。
すでにLINE Scoreと同時に「LINE Pocket Money(ラインポケットマネー)」というLINE Scoreを利用して、個人向けの融資を行うというサービスも発表されていますね。
LINE Scoreで使われるデータ
それではLINE Scoreはどのように点数をつけるのでしょうか。
LINEでは以下で点数が決まるとしています。
○LINEサービスの利用状況
AIがライフスタイル情報とLINEサービスの利用状況をもとに100~1,000点のスコアを算出するとしています。
同じ信用スコアの「Yahoo!スコア」と比較するとかなり曖昧な書き方とはなっていますね。
ちなみにYahoo!スコアの点数の付け方はこちらの記事を御覧ください。
ヤフー株式会社が2019年7月からヤフーが保有するビッグデータから開発した独自のスコア「Yahoo!スコア」を活用できる、ビジネスソリューションサービスの提供を開始すると発表しました。しかし、今回の発表でネット界隈は大荒れとなってい[…]
また、LINE上のメッセージ内容やLINEでの通話履歴などは影響しないとしています。
スコア診断(アンケート)は私もやってみましたが生年月日、性別、職業、世帯構成、年収、住まいなどの簡単なアンケートです。
ただし、このアンケートは自己申告に過ぎません。評価が高くなりそうな回答をすれば点数が高くなるような気もしました(笑)例えば持ち家で公務員で配偶者あり、子持ち、年収を高くすれば点数は高くなるでしょう・・・
LINEはヤフーと違ってそこまでの個人情報を持っているわけではなさそうですからこのようなアンケートに頼るしかないのかもしれませんね。
ただし、今後はLINE証券、LINE銀行などを展開していくようですからキャッシュレス決済のLINEPayと合わせてそれらの利用状況が大きく影響してきそうです。
LINE Score(ラインスコア)へ参加するメリット
Yahooが始めた「Yahoo!スコア」は拒否しなければ勝手に参加(集計)してしまう形でしたが、LINE Scoreは自分から参加申込みをしないと開始されません。
それでは参加するメリットはどこにあるのでしょうか?
マイカラーがランクアップ
LINE Scoreを利用する最大のメリットはLINE Payマイカラープログラムと連動することでしょう。
具体的には、「LINEスコア」でスコアを診断して一定以上の数値が算出されると、LINE Payの利用金額にかかわらず上位のバッジカラーのインセンティブを受けることができます。
LINE Scoreが基準を満たしていると以下の特典を得ることができます。
お支払いのたびに2%還元
さらにコード支払い時+3%還元
お支払いのたびに1%還元
さらにコード支払い時+3%還元
続々キャンペーンが始まる
また、定期的に各社と協力したキャンペーンが行われるようです。
2019年6月27日時点では以下のキャンペーンが行われています。
・Anyca:話題のカーシェアリング新規利用者向け5,000円分割引クーポン
・映画『二ノ国』:ジャパンプレミア試写会チケット
なお、応募にはそれぞれのキャンペーン毎にスコア診断、ライフスタイルに関する質問に回答するなどの条件を満たす必要があります。
また、他にDeNA、Airbnb、オイシックス・ラ・大地株式会社、オリエントコーポレーション、クローバーラボ株式会社、コメ兵、ストライプインターナショナル、subsclife、DMM.com、LIFULLとのサービス提携が発表されており、今後キャンペーンに追加されそうです。
LINE Pocket Moneyとの連携
また、今夏リリース予定の「LINE Pocket Money」との連携も発表されています。
LINE Pocket Moneyは急な出費時にスマホ一つで少額借入できる個人向け無担保ローンサービスです。
このサービスの借り入れ審査をLINE Scoreで行うようなんですね。
貸付利率やご利用可能額は「LINE Score」で算出されたスコアをもとにユーザー一人ひとりに適した貸付利率(年率)とご利用可能額が決定されますとされています。
LINE Score(ラインスコア)のデメリット
それではLINE Scoreのデメリットはないのでしょうか?
デメリットは大きく2つあります。
信用スコアが低いと・・・・
まずは信用スコアが低い場合に受けるデメリットです。
今の時点では具体的に表面化していませんが将来的にはこんなことがあり得るのです。
実際に中国の芝麻信用であるケースだそうです。
飲食店・ホテルの予約拒否
会社の立ち上げが拒否
SNSの登録が拒否
もちろん前述のメリットにあるような優遇も受けることができません。
LINE友達を選別しなくてはいけなくなるかも
また、LINEではLINE上のメッセージ内容やLINEでの通話履歴などは影響しないとしていますがそれ以外の話は明記してありません。
例えばLINE上の友達などです。
アリババの芝麻信用はSNSも連携していますが、SNSで友達の信用スコアが自分の信用スコアに影響する可能性があるためかなり選別するそうです。
信用スコアの低そうな人は友達としない、逆に信用スコアの高い人には友達が殺到するということも実際に起こっています。
かなり使いにくくなるのは確かでしょう・・・
LINE Score(ラインスコア)の点数を上げる方法
それではLINE Scoreで点数を上げるにはどうすればよいのでしょうか。
まずは「ライフスタイルに関する15の質問」に答えることです。
これだけで点数が大幅に上がります。
また、LINEサービスの利用状況が影響するとのことですからLINEのサービスを積極的に利用することで点数は上がるはずです。
ラインは最近様々なサービスを提供始めています。LNEショッピング、LINEスマート投資、LINEほけん、LINEミュージックなどなど・・・
またLINEカードなんかもかなり条件がよく始まります。
それらをたくさん使えばよいのです。
今の所、具体的に信用スコアへの影響を明示されているのは以下のサービスです。
LINE家計簿に週1回以上の入力で+20点
とされていますね。
LINEも楽天経済圏やソフトバンクやヤフーがやろうとしているPayPay経済圏と同様にLINE経済圏を作りたいのでしょう。
まとめ
今回は「個人を格付け【LINE Score(ラインスコア)】開始。参加するメリットとデメリットを考える」と題してLINE Scoreについて見てきました。
LINE ScoreはYahoo!スコアと違い参加は任意なのはいいですね。
ただし、今の所メリットは大きなものはLINEペイのポイント還元が高くなるくらいですから参加を迷うところではあります。
逆に低いとデメリットが多くなりそうな仕組みですね。
ただし、中国の芝麻信用なんかを見ているとこの流れは止められなそうな感じもあります。
うまく付き合っていくしかないのでしょうね。
最後まで読んでいただきありがとうございました
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