先日、日経新聞に年金だけでは2000万円足りないという報道があってから証券会社や銀行に行って投資を始める人が増えたとの記事が掲載されていました。
ある意味、投資をやる人が増えることは金融庁の思惑どうりと言えばそうなのですが、ちょっと心配になってしまいました。
それは証券会社や銀行にとってその人たちは「ネギを背負った鴨」みたいなもんだからです。
カモネギですね・・・
そこで今回は投資を始める前にぜひ知っておきたいことをご紹介していきます。
今回の話の前提となる年金だけでは2000万円足りない問題について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
先日もご紹介しましたが、金融庁が今の年金水準だと毎月5万円足りない。人生100年時代を考えると2,000万円くらい蓄えが必要だよとの調査結果「高齢化社会における資産形成・管理報告書」をまとめて大変話題となっています。これを受けて年金[…]
銀行や証券会社はどこで儲けているのか
まず、前提として押さえていただきたいのが銀行や証券会社の考えです。
銀行や証券会社はもちろんその担当者によりますが、基本的には営利目的であることを知っておきましょう。
つまり、自社(自行)が儲かることが目的なんです。
また、銀行や証券会社はノルマもすごいところが多いですよ・・・
そうなれば分かりますよね。
銀行や証券会社は金融商品を売る際の手数料で儲けています。
つまり、銀行や証券会社が儲けを得ようとすればより儲かる信託報酬が高い商品、販売手数料が高い商品が販売されることになります。
また、それぞれのノルマもやはりそう言った手数料が高い商品の比率が高いそうです。
銀行や証券会社も別に顧客に儲けさせようとか損をさせようと思っているわけではありません。
ただ単に顧客は二の次で自分たちが儲かる商品を売っているだけなのです。
それら金融商品は買付手数料が高かったり信託報酬が高かったりして顧客は儲かりにくい商品ということなのです。
つまり、知識がない初心者は格好の獲物なのです。
しかも今回のような2000万円問題で初めて投資をするなんて方は。。。。
銀行員や証券会社の社員のいうことを鵜呑みにしてしまいますからね。
損した!騙された!という前に自分が丸投げしてしまったことを反省することが大事です。
今まで見てきたように銀行や証券会社は慈善事業ではありません。営利団体なのです。
自社が儲かる商品を売るのは当然といえば当然ですからね。
そこで必要なのがマネーリテラシーです。
銀行や証券会社もこちらが知識があると分かればそれなりの対応をしてきます。
うまく銀行と付き合うためにもマネーリテラシーは必須なのです。
詳しくはこちらの記事も合わせてご覧ください。
先日、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行といった大手銀行が発表した共通KPIの記事、ファンドラップを買っては駄目という記事を書いたところ銀行員と思われる方から怒りのメッセージがありました。内容を簡単に言うと「共通K[…]
銀行や証券会社に行く前に知っておきたいこと
それではどういった投資商品を買えば良いのでしょうか?
まずは前述のように銀行や証券会社の言うなりで買うのは辞めましょう。
多くの場合は手数料が高い商品です。
自分で選べるようにしておくことが大事なのです。
初心者が投資をする際に必ず押さえておさえていただきたいことがいくつかありますのでご紹介しましょう。
リスクとリターンの関係
まず一つ目は下記の表にあるようなリスクとリターンの関係です。
簡単に言えばリターンとリスクは表裏一体の関係ということです。リターンを大きく狙えばリスクが大きくなる(ハイリスク・ハイリターン)、リスクが小さいものはリターンも小さい(ローリスク・ローリターン)となります。
出所:日本証券業協会 投資の時間「リスクとリターンの関係」より
リターンが高ければリスクが高く。逆にリターンが低ければリスクが低いと言うのが基本になります。
この点を押さえておきましょう。
よく、詐欺集団などがリスク無しで高配当であるということを売りに勧誘します。しかし、この関係を知っておけばそのような商品は存在しないはずと分かるはずなんですね。
ノーリスク・ハイリターンやローリスク・ハイリターンなんて金融商品を勧められたらまず怪しいと思うべきです。
また、絶対値上がりするとかそのような商品もインサイダー取引など犯罪に手を染めない限りは存在しないことを知っておきましょう。
投資詐欺についてはこちらの記事も合わせてどうぞ
また、最近ロボ貯なんかで話題になりましたが、毎日分配型も人気はありますが、長い目で見ると儲かる可能性はあまり高くなくおすすめできない商品ですよ。
手数料は大事
いくら高い利回りの投資商品があっても販売手数料や運用手数料、為替手数料が高いケースがあります。
特に投資信託やファンドラップ、外貨預金、外貨保険なんかがそうですね。
リターンは水物で絶対ではありません。
しかし、手数料はリターンに関係なく必ずかかってくる費用ですから極力少なくするのが鉄則です。
そのため最近ではノーロードのインデックス投資など手数料が安い投資信託が人気がありますね。
保険などは手数料をかなり分かりにくくあえてしています。
初めから手数料(保険会社の運営費用など)で1割近く引かれてたりするんですよ。
ですから保険は投資商品としては要注意なのです・・・
最近、金融庁が問題視していると言われる金融商品が2つあります。一つは法人の経営者向けの保険。もう一つが外貨建て保険です。少し前は「毎月分配型投資信託」、「ファンドラップ」などが問題視されていました。両方買っては駄目な商品とし[…]
分散投資をする
次に知っておきたいことが分散投資が重要ですよってことです。
下記は資産別の各年度のリターン表です。
出所:水戸証券「リスクとリターンとは」より
直近の2018年はほとんどの資産(アセットクラス)がマイナスでプラスは国内債券だけとなっています。
ちなみにこの表には項目がありませんがJリート(国内不動産)もプラスでした。
その前年2017年は新興国株式が33.6%と大きくプラス。最下位は国内債券です。
2016年は新興国株式がこちらも1位。2位はコモディティ、最下位は先進国債券となっています。
つまり、年によってどの資産(アセットクラス)がいいのかが大きく変わっているってことなんですね。
投資格言で有名なものに以下のようなのがあります。
卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としカゴの卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずにすむということです。
つまり、1つの資産に集中投資するのではなく、複数の資産に分散投資する方がリスクを抑えれるよってことですね。
毎年年初に専門家が今年は経済がどうなるとか株はどうなるというのを予想します。
ほとんどの場合当たらないんですよね。競馬の予想屋やプロ野球の解説者の順位予想レベルです。
それくらい専門家でも予想が難しいのが投資の予想なのです。
予想が難しいなら分散するのが正解ですね。
分散投資を考えると投資信託がおすすめですね。
特にノーロードのインデックス投資信託は手数料も安いのが多いです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
投資信託は本当にたくさんの種類があります。本当におすすめしたい優良なものから、買ったらだめ絶対!!なものまで玉石混淆です。そこで今回は投資信託のうち初心者にやさしいインデックスファンドのなかからおすすめをまとめてみます。つみ[…]
自分が理解できないものには投資をしない
また、大原則として「自分が理解できないものには投資をしない」ということを肝に命じておきましょう。
かの有名な世界でも有数の投資家である「ウォーレン・バフェット」氏がこんな風に語られています。
その答えは誰の言うことも信じてはいけない。
あなた自身がよく知っているものだけに投資をするのが成功への道である
つまり、自分が理解できないものには投資をしないってことです
バフェット氏はITバブルのときも含めて自分がわからないハイテク産業には一切投資をしなかったんですよね。
マイクロソフトのビル・ゲイツ氏とは親交が深いそうですが投資はしていません。
自分がわからないからなんですね。(後にIBMに投資をして後悔していますが・・・)
最近ではマレーシアの会員制交流サイト(SNS)事業「エムフェス」への出資をうたったマルチ商法が問題になっていますが、この事業についてどれだけの人が理解していたのかは疑問です。
自分が理解出来ないものには投資をしないという鉄則さえ守れば防げたかもしれません。
おすすめはつみたてNISAとiDeCo
それではどのように投資をすれば良いのでしょうか?
個人的なおすすめはつみたてNISAやイデコで投資信託に投資をすることです。
両方とも投資ですが、iDeCo(個人型確定拠出年金)は払ったときに所得控除の対象となります。
またiDeCo、つみたてNISAとも運用に対しての利益は非課税となります。
つまり、老後資金を作るためにかなり優遇されている制度となります。
そうはいっても投資をしたことない方にとってはハードルが高いのも事実です。
しかし、長期・積立・分散投資をすると長期であればあるほど投資先を分散すればするほど収益のばらつきは少なくなりリターンが得やすいのです。
今回の「高齢化社会における資産形成・管理報告書」でも下記の通り20年のスパンで考えれ投資収益は2%〜8%に収斂するとしていますね。
つまり、長期・積立・分散投資をするとプラスになる可能性がかなり高いってことです。
もちろんインフレ、資金目減り対策にもなります。
それではこの2つの制度について簡単に解説しておきます。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)とは
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は簡単に言えば自分の老後生活のために老後資金を自分で作るための制度です。
具体的にはこんな感じの流れになっています。
↓
その積み立てたお金で投資信託や定期預金、保険などの商品を選択して運用
↓
60歳以降にその運用した資産を受け取ることができる。
国民年金や厚生年金と合わせた年金制度の上乗せ部分を自分で運用できる制度として考えると良いでしょう。
最大のメリットは掛けた金額が全額所得控除の対象となり、掛ければ掛けるだけ所得税と住民税の節税効果があるところです。(種別により掛けられる上限があり)
運用で利益がでてもその部分について非課税となります。
つまり、税金面でかなり優遇された制度ってことですね。
ただし、イデコはどこの銀行や証券会社で初めても同じかと言うとそうではありません。
手数料が大きく違います。
また、取り扱い商品も大きく違うんですよ。
どこで始めるのかは慎重にお選びください。
個人型確定拠出年金(iDeCo)について詳しくは下記の記事を御覧ください。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)はかなりお得で良い制度です。その反面、株式投資などの資産運用などの経験がないとかなりわかりにくく難しい制度でもあります。そのため「お金に生きる」でもかなり力を入れて記事を書いてきました[…]
つみたてNISAとは
つみたてNISAは簡単に言えば少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に似た部分もありますが、大きく違うのは途中で解約が可能という点でしょう。
ただし、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にある所得控除がありません。
また、大きな特徴として投資できる対象となる商品が金融庁が選別してくれている点があります。
金融機関等は顧客の利益よりも自社の利益を優先する傾向があり、地雷と呼ばれる悪徳商品を売りつける事案が多数発生していました。それを防ぐ意味もあり、金融庁が厳しい条件の元に長期、積立、分散投資に適した商品を選んでくれているのです。かなり初心者にもやさしい投資制度なんですね。
ただし、つみたてNISAもどこの銀行や証券会社で初めても同じかと言うとそうではありません。
取り扱い商品や注文の柔軟性が大きく違うんですよ。
どこで始めるのかは慎重にお選びください。
つみたてNISAについて詳しくは下記の記事を御覧ください。
つみたてNISAは個人型確定拠出年金(iDeCo)と並んで老後資金を作るための制度として金融庁が推奨しています。話題となった老後資金が年金だけでは2000万円足りないという資料でも対策として紹介されていましたね確かにつみたて[…]
つみたてNISAとiDeCoのどちらがよいのか?
それではこのふたつの制度どちらをやるのがよいのでしょうか?
大きな支払いの予定があり→つみたてNISA
こんな感じですね。
基本的には掛けることで所得税や住民税の節税効果があるiDeCoの方がお得な制度です。
しかし、iDeCoは60歳まで引き出せません。
ですからその資金を引き出す必要がない場合はiDeCoがおすすめです。
対して、つみたてNISAは掛けることで所得税や住民税の節税効果はありませんが、いつでも引き出しが可能です。
ですから急に資金が必要になる可能性がある場合はつみたてNISAも選択に入ってきます。
出所:金融庁「高齢化社会における資産形成・管理報告書」より
上記のとおり、2つとも非課税枠に上限額がありますからその点も考えると両方やるのも選択肢としてありだと思います。
少額で投資をまず実践してみる
もう一つが少額でとりあえず投資をやってみるのもおすすめです。
マネーリテラシーを上げるのに一番よいのは身銭を切って投資を実践して見ることなのです。
しかし、いきなり実践に入るのが怖い方も多いと思います。
投資を始めるにはそれなりの元手が必要となります。
通常株は100株単位でしか購入することができません。
1000円の株価の株なら最低金額が10万円ですね。
しかし、最近は少額で投資できる制度も増えてきました。
SBIモバイル証券の1株単位購入
SBIネオモバイル証券では1株単位(S株(単元未満株))で株が購入できます。これにより大手の株なんかでも500円以下で買えたりするんですよ
とりあえず投資を初めて見るのにはおすすめしやすいですね。
Tポイントで株を買うことも可能です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
株主優待を目的とした投資法が根強い人気となっています。月曜から夜ふかしで話題となった桐谷さんの登場でさらに火がついた感じですね。株主優待とは株主に配当とは別に支給されるプレゼントです。もらえるプレゼントは各企業が思考を凝らし[…]
ポイント投資
また、楽天証券のポイント投資やインヴァスト証券のポイント自動売買積立投資あたりはポイントで投資が可能です。
ポイントを無駄使いするのではなくこういったところから投資を始めて見るのも良いでしょう。
ポイント投資について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
最近、各社が立て続けに「ポイント投資」なるサービスを展開し始めました。ポイント投資とは簡単に言えば貯まったポイントを使うのではなく運用して増やそうよってサービスです。(もちろん減る場合もあります)投資の敷居を下げることにつながる面白[…]
100円投資信託
また、投資信託も少額で買えます。
特にSBI証券、楽天証券、マネックス証券などが実施している100円から投資信託を購入するのがおすすめですね。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
100円投資信託の使い方SBI証券、楽天証券、松井証券、岡三オンライン証券、マネックス証券とネット証券会社がこぞってはじめている100円から1円単位で投資信託が買える制度。少額から始められますのでなんかよさそうではあ[…]
お釣り投資
また、お釣りを投資に回すというのもおすすめです。
投資がかなり気軽にできるようになります。
どうしても投資をしようとすると敷居が高いのですがお釣り投資はその敷居が低くとっつきやすいという意味では投資への足がかりとしては良いでしょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【おつりで投資トラノコ】というおつり投資アプリの評判がとてもよいです。株式市場でも話題となるフィンテック関連のサービスの1つですね。今回はこのトラノコについて始め方や使い方、メリット、デメリットについてみていきたいとおもいま[…]
まとめ
今回は「年金だけでは2000万円足りない問題で証券会社・銀行にいきなり行くな!!カモネギだぞ」と題して年金問題で焦って証券会社・銀行に行くと騙されてしまうかもしれないよって話でした。
まずは基本的な知識を持って出かけましょうね。
また、社会保険についての知識を得ておくことも重要ですよ。
年金だけでは老後資金2000万円足りない問題があったこともあり、株式投資など資産運用に興味を持つ方が少しずつ増えてきているようです。実際に証券会社や銀行に行って株式投資を始める人や保険会社に言って保険に入る人が増えたとの話もあります[…]
私のおすすめはイデコかつみたてNISAで手数料の安いインデックス型の投資信託を分散して買うことですね。
また、株式投資がやりたい方はまず少額から実践してみるのもおすすめです。
なお、商品の選び方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)はこのサイトでも何度も紹介している始めないのはもったいないかなりお得な制度です。しかし、自分たちで商品を選択してく運用しなければならないため投資初心者には少しハードルが高いのも事実です。[…]
読んでいただきありがとうございました。
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