韓国の国民年金は2057年に破綻との試算されている件【各国の年金事情】

金融庁が出した年金だけでは2000万円足りない問題を発端とした年金不安が広がっています。

それもあってか証券会社や銀行に行って投資を始める人が増えています。また、ネット証券会社のつみたてNISAイデコを始める人も急増しているそうです。

それでは日本以外の国の年金事情はどうなっているのでしょうか?

今回はその第一弾として韓国の年金について見ていきます。

ちなみに投資信託(インデックスファンド)の投資対象から韓国を外す方法はこちらの記事をご覧ください。

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韓国の年金事情

日本より出生率が低く2018年のデータで0.98と1を割り込んでしまっている韓国。

出生率とは一人の女性が生涯に産む子どもの数のことで、それが1を割っているといことは平均しても一人生んでいないというかなり厳しい状況です。

ちなみに日本の2017年の出生率は1.43と少ないですが韓国と比べるとまだましと感じてしまいますね。

そのため、韓国では日本以上に急激に少子高齢化が進むと予想されています。

そうなれば支える人が増えず、支えなければならない人が増えてしまうことから日本よりもさらに年金が厳しくなってしまうのは当然と言えます。

すでにこのまま改革などをしなければ2057年に破綻するとの衝撃的な試算まで発表されているのです・・・

詳しく見ていきましょう


2057年に破綻との試算

2057年に破綻と試算しているのは下記の記事の通り、国民年金財政推計委員会、制度発展委員会、基金運用発展委員会です。

民間の委員で構成される国民年金財政推計委員会、制度発展委員会、基金運用発展委員会は17日に年金制度に関する公聴会を開き、現行制度が維持された場合、積立金が2057年にゼロとなる試算を明らかにした。委員会によると、今年5月現在の積立金額は634兆ウォン(約62兆2,800億円)。2041年の1,778兆ウォンをピークに減少に転じると推算される。
出典:アジア経済ニュース:国民年金基金「2057年に破綻」と発表 2018/08/20(月)より

日本でも同様に年金に関して色々な委員会がありますが、それと同じような役割なものだと思われます。

つまり、今回なかったことにされてしまった金融庁が作成した資料「高齢化社会における資産形成・管理報告書」と同じ類の公的な資料ですからかなり信憑性が高いものなのでしょう。

日本の年金は破綻しない仕組み

ちなみに日本の年金は今、現役世代の年金保険料として払った金額がそのまま年金として現在、高齢者の方に支給される仕組みである「賦課方式」であること、そのときの社会情勢(現役人口の減少や平均余命の伸び)に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みである「マクロ経済スライド」が導入されていますから、仕組み的には破綻しないようにはなっています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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国民年金は破綻する?

韓国で国民皆保険が実現したの1999年

実はそもそも韓国で年金制度が導入されたのはかなり最近です。

まず一般国民を対象にした国民年金制度が導入されたのは1988年です。

しかし、当初は日本のように国民全員が加入する国民皆保険ではなく「従業員10名以上の事業所で働く労働者」が対象でした。

韓国で国民皆年金が実現したのは1999年なのです。

以外に最近なんですよ。

ちなみに日本は1960年からとなっています。

もらえる年金額

それではもらえる金額はどうでしょう?

上限の40年加入した場合の所得代替率は2018年時点で45%となっています。所得代替率とは現役時代の収入に対する年金の割合のことで半分を少し下回る感じですね。

これはあくまで満額で実質の平均加入期間は約17年となっていますので、これに基づいて計算した実質の所得代替率は約24%とかなり厳しい数字も公表されています。

なお、所得代替率は今後も毎年0.5%ずつ引き下げて2028年には40%にすることが決まっています。

ちなみに日本の年金の所得代替率は50%です。

今の時点でも日本よりかなり厳しい条件と言っても良いでしょうね。。。

日本の国民年金、厚生年金の実質的な給付は下記の通りです。

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現役世代の負担

それでは現役世代の負担はどうでしょうか?

保険料率は本人負担分が9%となっています。(韓国も日本と同様に会社員は会社が半分、自営業者は全額負担だそうです)

ちなみに日本の厚生年金保険料率は18.3%です。半分が事業主、半分が本人負担ですからちょうど韓国と同等ですね


国民年金公団(NPS)の運用状況

年金の運用状況はどうでしょう?

実は日本のGPIFよりもうまく運用しています。

見つけられた最新データー2015年時点ですが5年の年平均収益率が6.90%、10年でも6.10%で運用できています。

その頃まではウォン安もあり韓国経済が好調でしたから、その後の数字が気になるところです。

ちなみに韓国の国民年金を運用する国民年金公団(NPS)の規模は世界4位となっています。

なお、1位は日本のGPIF、2位はノルウェーの連邦退職貯蓄、3位はアメリカの連邦退職貯蓄です。

各国との比較は下記の記事をご覧ください。

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韓国の国民年金のアセットアロケーション

韓国の国民年金を運用する国民年金公団(NPS)のアセットアロケーションは以下の通りとなっています。(2015年時点)

日本と比較すると株の比率が少なくて国内債券の割合が多くなっています。

ちなみに日本の企業の株への投資も多いようで韓国国内では非難も出ているようですね。

韓国年金アセットアロケーション
2015年時点の韓国年金アセットアロケーション

日本の年金を運用するGPIFのアセットアロケーションは以下の記事をご覧ください。

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まとめ

今回は「韓国の国民年金は2057年に破綻との試算されている件【各国の年金事情】」と題して韓国の年金事情を見てきました。

すでに2057年にこのままいくと破綻するとの試算が出ているのは驚きですね。

韓国では出生率が1を切っており少子高齢化が一気に進むことはほぼ確実でかなり厳しい年金事情となっています。

ただし、それを明確化してくれるのはある意味良心的ですし、今後改善に取り組みやすいと言えるでしょう。

日本も年金だけでは2000万円足りない問題が大きくなったことで、金融庁が作成した資料高齢化社会における資産形成・管理報告書はなかったことにされてしまいましたが、韓国のように現状を見つめて改善に取り組んで欲しいものなのですが・・・

年金だけでは2000万円足りない問題や日本の年金の財政状態について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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