国民生活センターが2019年の消費者問題10大項目を発表しました。
その最も上に位置していたのが【若者を中心に広がる「もうけ話」のトラブル】です。
特に2019年に多かったのがバイナリーオプションとのこと。
年○○○%利益が出るという触れ込みのバイナリーオプション攻略用のプログラムが入ったUSBを高額購入してしまった大学生なんかがたくさんいるようです。
今回はバイナリーオプション詐欺について見ていきます。
バイナリーオプションとは
実はバイナリーオプション自体は詐欺商品でもなんでもありません。
ちゃんとしたオプション取引を元にした金融商品です。
ただし、かなりリスキーなギャンブル的な仕組みとなっています。
簡単に言えば丁半博打のようなものです。
日経平均やFX(外国為替証拠金取引)などの価格が「上がるか」「下がるか」を予想してその後の値動きによって利益がでるか、損失がでるか確定する仕組みとなっています。
例えば上がると予想していて上がれば決まった利益がもらえます。逆に下がると購入した金額はすべて没収となります。
2者択一方式なので投資を経験したことがない、知識がない方にも分かりやすい仕組みとなっているのです。
バイナリーオプション詐欺とは
バイナリーオプション自体は楽天証券が始めるなど大手証券会社でも採用される通り、別に悪い仕組みではありません。
しかし、詐欺に多く利用されてしまっているのです。
バイナリーオプションの仕組みはかなり単純ですし、リスクは購入した金額だけ。
さらに1000円程度から取引が可能です。
そのため、投資初心者でも説明が簡単であることから詐欺商法に利用されているのでしょう。
簡単に今回の詐欺のパターンをご紹介しましょう。
高額なツールを購入
最近、大きな話題になっているのが年○○○%利益が出るという触れ込みのバイナリーオプション攻略用のプログラムが入ったUSBです。
このツールを使えば絶対儲かるという謳い文句で高額なツールを販売しているのです。
確かに年○○○%利益がでるのならばすぐ元が取れそうな気がすると思います。
しかし、絶対儲かるなんてことはありえません。
また、絶対儲かる仕組みがあるなら人に教えるわけがありません。対策されてしまう可能性がありますからね。
そもそも日経平均やFX(外国為替証拠金取引)なんかの予想はプロでもAIでもいつも外しているんですよ・・・
そのため、多くの方はこの高額ツール代とバイナリーオプションに突っ込んだお金両方を損しています。
高額なツールを販売すると手数料
この詐欺のポイントは被害者がさらに加害者になるところにもあります。
高額ツールを購入した人は同じツールを販売すると手数料(紹介料)がもらえるアフィリエイトみたいな仕組みを勧められます。
そして友人などにUSBを販売して損を取り返そうとします。
その際、多くの場合は儲かったフリをしています。
お金周りがよいふりをしたり、儲かった際の画像やツールをみせたりとかしたりですね。
マルチ商法と同様な流れですね。
少し前は舞台は仮想通貨でしたが、仮想通貨が下火になると新しい方法を見つけてきているですね・・・
マルチ商法の流れなどは下記の記事を参考にしてください。ほぼ同じ流れです。
勝っても取引無効、出金拒否なんてケースも
また、この詐欺はさらに悪質なケースが多いです。
海外の怪しいバイナリーオプション業者を利用しているケースが多いのです。
そもそもバイナリーオプションの勝負に勝っても無効化されたり、出金ができないようなケースもあります。
つまり、はじめから絶対勝てない勝負なんですよ・・・
オプザイルに気をつけよう
このバイナリーオプション詐欺は多くの場合SNSを利用しています。
ツイッターやフェイスブックできれいなお姉さんやイケメンの若者にフォローされると大抵はその系列だったりするんですよね・・・
バイナリーオプションのUSBを販売するイケイケ男女のことを指す「オプザイル」なんて言葉があったりします。
そのお姉さんやイケメンは普段からお金周りの良い話や意識高い発言を繰り返します。
そしてそこに引っかかった人にて色恋沙汰を意識させDMなどで誘い出してツールを販売するのです。
試しにツイッターなどでバイナリーオプションと検索してみてください。
きれいなお姉さんやイケメンの若者のアカウントがでてくるでしょう。
ほとんどがそれ用のアカウントで実在する人はごく僅かだと思います。(写真も他人)
バイナリーオプションに限りませんが、詐欺にあわないために気をつけたいポイントをご紹介しましょう。
元SKE48メンバーも逮捕
元SKE48メンバーもバイナリーオプションの詐欺で逮捕されましたね。
為替相場の変動を予想して投資する金融商品「バイナリーオプション」の助言名目で金をだまし取ったとして、愛知県警は16日、詐欺や特定商取引法違反(不実告知)などの疑いで、アイドルグループ「SKE48」元メンバーら男女4人を逮捕した。
出典:東京新聞 2021年3月16日
出会い系サイトで勧誘して高額な利益を得る方法があるように装い、愛知県内の男性会社員から現金50万円をだましとったようです。
具体的には以下のような名目で勧誘していたようですね。
高額な利益を得る方法があるように装い、「ロジックもあるんで50万円いただければぼくたちは稼げる」と「投資指導料」の名目で愛知県田原市の男性会社員から現金50万円をだまし取り、契約書を交付しなかった疑いがもたれている。
出典:日刊ゲンダイ 2021年3月17日
絶対儲かると言われたら怪しい
まずは絶対儲かるという発言に注意しましょう。
これらの表現があれば怪しいと思ったほうがよいでしょう。
絶対上がる
誰でも儲かる
元本保証
断定的な表現になっているのがわかると思います。
これが怪しい最大の理由は消費者契約法4条1項2号にこういうルールがあるためです。
消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認(消費者契約法4条1項2号)
つまり、不確実な投資に対して断定的な表現をして勧誘すると取り消される可能性があるのです。
この規定があるため、まともな会社は勧誘する場合に絶対断定はしないように指導しています。
とくに相場のように上下があるものは特にです。
このような絶対儲かるとか表現があった時点でその会社やその人が怪しいかもしれないと疑ってかかりましょう。
自分がよく理解できないものには投資をしない
世界一の投資家であるウォーレン・バフェットが常々言っているのは「自分がよく理解できないものには投資をしない」ってことです。
バフェット氏自身、ハイテクは苦手なのにIBMに投資をしてかなり後悔をしたそうですね。
バイナリーオプションは本当に日経平均や為替の動きが読めるなら良いのでしょうが、そうでないなら単なる勘で取引しているだけになります。
そのような自分が予想できないものに投資をするのは基本的にオススメしません。
さらに本当に効果が謎な投資ツールなんかは・・・
業者や担当者を調べよう
基本的に金融商品を売るためには許認可が必要なケースがほとんどです
その認可がおりているのかを確認するのが必要です。
公的な機関の許可があるかどうかは下記をみれば一発でわかります。
また、過去に問題を起こしたトラブルを起こした業者は下記でわかります。
怪しいと思ったらまずはググる(グーグル検索)
怪しいと思ったらまずはいろいろな角度からググり(グーグル検索)ましょう。
商品名
住所
電話番号
FAX番号
メールアドレス
社長の名前
社員の名前
などなど。
すでに悪い評判が出回っているケースはこの段階で回避できるはずです。
電話番号が携帯電話のみだったり、メールアドレスがフリーメールの場合、怪しいポイントの一つです。
最近は0800や050の局番の電話も怪しいケースが多いですね。
フリーメールのヤフーだったらIDとメールアドレスの文頭が同じですからそれでヤフー検索掛けるとヤフオクの履歴なんかがわかるケースもあります。
またグーグル・アースやグーグル・ストリートビューなんかで住所を見てみるのも効果的です。
ググってもでてこないケース
中にはググっても出てこないケースがあります。
これは会社名等定期的に変更していたり、悪い噂が広まったら会社を潰して新しい会社を立ち上げたりするケースもあるからです。
それを外から判別するのは難しいですが、このような方法もあります。
1つ目は下記で会社WEBページのアドレスを検索(ドメイン検索)してみることです。
するといつ作られたドメインなのか、どこの国、おおよその地域、どこの会社、責任者などがわかります。
特にあまり直近に作られたドメインだとちょっと怪しいですよね。
また、下記サイトでWEBサイトのホスティング会社がどこにあるのか、過去にブラックリストに載せられたことはないのか、同じIPアドレスのサイトはどんなのがあるのかも調べられます。
また、法務局に行って会社名と住所がわかれば登記簿謄本(登記事項全部証明書)をとることできます。
登記簿謄本を見れれば会社名、会社設立年月日、資本金、役員の名前、会社名の変更履歴なんかを知ることができます。
あまり設立が近かったりしたら怪しいでしょうし、役員の名前や旧社名でググるといろいろわかるケースが多いです。
消費者庁や国民生活センターで確認
また、消費者庁のWEBページや国民生活センターのWEBページ行って同様の例はないのかを確認するのもよいでしょう。
相談窓口や事例もありますので事前確認をおすすめします。
詐欺的な投資勧誘トラブル事例などは国民生活センターにまとめられていますので合わせてご確認ください。
すでにバイナリーオプション詐欺にひっかかってしまったら・・・
もし、すでにバイナリーオプション詐欺にひっかかってしまった可能性がある場合は、まず、前述の消費者庁や国民生活センターに相談してみましょう。
同様の事例があれば解決方法をご紹介してくれると思います。
また、法テラスのように法律相談ができる機関もありますので利用するといいでしょう。
警察も内容によっては受けてもらえますが、基本的に民事不介入ですので明確な証拠や犯罪がないとなかなか動いてはくれにくいです。
まとめ
今回は「2019年最大の消費者問題??バイナリーオプション詐欺が多発中。きれいなお姉さん(オプザイル)に注意しよう」と題してバイナリーオプション詐欺についてみてきました。
多くの若者がバイナリーオプション詐欺にひっかってしまっています。
基本的は上記の対策を意識してもらえば詐欺にひっかかることはまずないでしょう。
しかし、本質的には自身の金融リテラシーを高める事が大事です。
金融リテラシーを高めることが大事
そのためにはまず自分の金融リテラシーがどれくらいあるのかを確認してみてください。
その上で自分の弱点となっている部分の知識をつけるのが良いでしょうね。
金融リテラシーを高めるには勉強するか実践するしかありません。
勉強するならファイナンシャルプランナーなどの資格の勉強なんかもその一つですね。
実践ならおすすめは株式や投資信託への投資です。無くなっても良い範囲の自分のお小遣いまずはやってみることです。
株式投資をするには様々な経済環境などの影響もありますから、ニュースなど様々な情報に触れる必要があります。また、それらニュースに興味をもつこともできます。それに触れることで自然と金融リテラシーが身につくでしょう。
特につみたてNISAやIDeCoは税制面の優遇もありますのでオススメですよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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