「親世代から言われる「老後のために貯金しろ」を真に受けてはいけない」という記事を書いたところ、ご質問をいただきましたので補足したいと思います。
要約すると以下の内容でした。
前述の記事に私が子供のころに「利子がこれだけ付くから何年で倍になるよ。ドヤってしてた」という書いていましたのでそこからの話ですね。
実はこれ、やり方を知っておけばお子さんでも暗算レベルで簡単に計算できる方法があるのです。
子供の頃の私もそのことを知ってただけなんですよ。
今回は運用やお金を借りるときに「何年で倍になるのかを簡単計算する方法」をご紹介します。
あくまで取らぬ狸の皮算用に過ぎませんが複利で資産運用するときや、お金を借りる際には知っておきたい知識なんです。
なお、ちゃんと複利の計算したい場合はエクセルを使うのがおすすめです。
何年で倍になるのかを簡単に計算できる「72の法則」
先に結論から言いましょう。「72の法則」を使えば簡単に計算が可能です。
72の法則とは
72の法則とはルカ・パチョーリという、イタリアの数学者が自身の数学書で述べた計算式のこと。
72の法則を利用することで「何年で倍になるのか」を簡単にできるのです。(だいたいですが)
具体的には以下の計算をするだけ。
例えば年12%の金利でお金を借りたとします。
悪名高いクレジットカードのリボ払いなんかはそれくらいのケースが多いです。
上記の式に当てはめれば72÷12で6となります。
12%の利率でお金を複利で借りて返さないと6年で倍になるということです。
72の法則を検証
それではこの72の法則が本当に合っているのかを検証してみましょう。
1,000,000円を前述の12%で借りたとしましょう。
- 1年目:利息は1,000,000円×12%で120,000円。残金は1,120,000円
- 2年目:利息は1,12,000円×12%で134,400円。残金は1,254,400円
- 3年目:利息は1,254,400円×12%で150,528円。残金は1,404,928円
- 4年目:利息は1,404,928円×12%で168,591円。残金は1,573,519円
- 5年目:利息は1,573,519円×12%で188,823円。残金は1,762,342円
- 6年目:利息は1,762,342円×12%で211,481円。残金は1,973,823円
6年目に1,973,823円ともともとの1,000,000円からほぼ倍となりました。
ぴったりではありませんが、だいたい合っているのがわかりますね。
利息が12%と聞いてもピンとこなくて借りてしまう人が多いですが、返さないと6年で倍になると言われると12%の利率でお金を借りようという人はあまりいないでしょう。
そのため、一瞬でどれくらいの期間に倍になるのかがわかる「72の法則」を知っておけば悪徳な話に乗っかってしまうリスクがかなり減らせるのです。
参考:日本人は複利の知識が薄い
また、利息の伸びがすごいこともわかるでしょう。これが複利の力です。
複利を分かりやすく言えば利息にも利息が付くってことです。これがびっくりするくらい大きいんですよ
日本人は複利に対する知識がかなり薄いと言われています。
上記は知るスポットが行った「金融リテラシー調査」の結果です。
複利の項目は日本が43%なのに対して、アメリカは75%と大きな差があります。
消費者金融問題があれだけ大きくなったのもこの複利に対する金融知識が不足している人が多かった事が大きかったのでしょう。
72の法則を知っておくだけでも全然違った結果となるはずです。
72の法則の応用、関係する法則
72の法則は応用することもできます。
お金を○年で倍にする利率も計算できる
まずは○年でお金を倍にしたい場合どれくらいの利率が必要なのかという計算です。(だいたいですが)
簡単なんですよ。
例えば10年で倍にしたいと考えたとします。
この場合、72÷10で年7.2%程度の金利があれば達成できるってことがわかりますね。
少し前までのNYダウの過去のデータがそれくらいの利率でしたからNYダウを持ち続けている場合は10年で倍程度増えていたということになりますね(単純計算ですが)
5年で倍、2年で倍
投資初心者の中には5年で倍とか2年で倍にしたいと考える方もみえます。
この場合はどれくらいの利率が必要なのでしょう?
5年で倍は上記の計算式で14.4%の利率が必要となります。
絶対無理とはいいませんが、かなり頑張る必要があるのがわかりますね。
2年で倍にしようとすれば36%の利率が必要となります。
かなり大変な数字ですね。年単位だけなら普通にありえますが、継続して達成するのはなかなか難しいレベルの利率といえます。
100の法則
72の法則の関係する法則として「100の法則」も知っておきましょう。
72の法則は複利の場合に「何年で倍になるのか」を計算するものですが、「100の法則」は単利の場合に「何年で倍になるのか」を計算することができます。
単利とは利息に利息はつかない(元本にのみ利息がつく)という考え方です。
やり方は同じです。以下の計算式に当てはめるだけ。
例えば72の法則の計算につかった年12%の金利でお金を借りたケースでみてみましょう。
100÷12で約8.3となります。
つまり、単利の場合には8.3年で倍になるということです。複利では6年でしたからかなりの差があるのがわかりますね。
これが複利の力なのです。
また、応用も100の法則が使えます。
例えば10年で倍にしようとすれば100÷10ですから10%必要となります。
複利の場合には年7.2%でしたから大きな差ですね。
ちなみに配当がでる銘柄とでない銘柄の差はこの部分が大きいんですよ。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
115の法則
次は115の法則です。
これは「何年で3倍になるのか」を計算式です。
やり方は同じですね。
まとめ
今回は「複利で資産運用する時やお金を借りるときに「何年で倍になるのか」を簡単に計算できる方法」と題して72の法則をご紹介しました。
まとめると以下のとおりです。
72の法則を使うと複利で何年で倍になるのかがわかる
72の法則を応用すると○年で倍にするために必要な利率がわかる
100の法則を使うと単利で何年で倍になるのかがわかる
115の法則を使うと複利で何年で3倍になるのかがわかる
72の法則は計算自体はかなり簡単ですが知ってるだけで様々な場面で役にたちます。
特に資産運用やお金を借りるときに利率の重要性もよく理解できるようになるでしょう。
ぜひ頭の片隅においておきましょうね、
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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