最近、新型コロナウィルスやインフレでの業績悪化もあり、スモールM&Aが急増しているそう。
スモールM&Aとは小さい規模のM&Aのことで、一般的には小さい企業を買収することを指します。
業績不振から自分の会社を売りに出す人が多くなっているのですよ。
最近、私の知り合いも業績が悪化していたネイルサロンを買収しています。
具体的な買収金額は伏せますが、想像したよりかなり安く普通のサラリーマンの方でも購入可能なレベルでした。
高額な株を一単元買うより安かったとだけ言っておきましょう。
そんな話が身近でありましたので私も興味を持ったわけです。
世界的な金バラまき状態で株など多くの投資先は高値圏で推移していることもあり、このような小さな買収は新たな投資先としても魅力があると思われます。
今回はそんなスモールM&Aの魅力とリスクを解説していきます。
スモールM&Aとは
スモールM&Aとは名前のとおり、小さなM&Aです。
M&AとはMergers(合併)and Acquisitions(買収)の略で、企業同士が合併させたり、企業を買ったりすることを指します。
スモールM&Aの場合は多くは買収ですね。
小さい企業を買収する場合がほとんどです。
スモールM&Aの定義
スモールM&Aは明確な定義はなく、一般的には買収額1億円くらいまでのM&Aを指すケースが多いです。
対象となるのは業績が悪化しているそれなりの規模の中小企業。
業績は良いけど方針転換で売り出される企業の一部署。
事業主が高齢のため売りに出される個人事業まで幅広いです。
最近は新型コロナウィルスの影響で業績が急激に悪化した飲食店、サービス業などが多いようですね。
少し前はタピオカ屋がかなり売りに出されていました。
買収金額はほんと様々で万年赤字企業なんかだと0円で売りにだされるケースもありますし、1億円くらいのケースもあります。
スモールM&Aのやり方
スモールM&A挑戦したいと思う方がまずはじめに躓くのが買収先を見つけることです。
スモールM&Aが急増しているといっても、メルカリで商品を買うように簡単に話は回ってこないからです。
一般的には以下の方法が多く取られます。
- スモールM&Aのマッチングサイト
- M&Aの仲介業者
- 金融機関からの紹介
- 公的機関からの紹介
- 知人からの紹介
公的機関や金融機関なんかだと事業主が高齢で後継者を探している事業継承案件が多く、マッチングサイトや仲介業者は業績不振や事業転換のところが多い感じですね。
サラリーマンの方などは公的機関や金融機関から話がくることはまずありませんから、マッチングサイトや仲介業者を利用するケースが多いいでしょう。
スモールM&Aの魅力
それではスモールM&Aの魅力はどういうところにあるのでしょう?
簡単に言えば時間やノウハウを買えるってことです。
スモールM&Aなら時間やノウハウを買える
一から同業種で起業をするとまず信用や知名度がありませんのでそこからとなります。
まったく、異業種での参入となればノウハウを身につけるところからはじめなくてはなりません。
人が必要な業種なら人を集める必要もあります。
フランチャイズで参入する方法もありますが、制約もありますし、契約によってはフランチャイジーに多くの利益を上納しなければならなくなり条件は良いとは言えないケースもあります。
一方、スモールM&Aならすでにある程度実績を積んでいるでしょうから、
- 信用、知名度がある状態からスタート(マイナススタートのケースもあるが・・)
- ノウハウはすでにある
- 従業員はすでにいる
- 過去の業績がわかる(今後が見通しやすい)
という状況からスタートできますので一からスタートする場合と比較してかなり有利なのです。
さらに業務をお任せできる従業員が揃っている会社を買収できればオーナーとして配当や役員報酬をもらうだけなんてことも可能かもしれません。
スモールM&Aなら投資額も少ないかも
また、スモールM&Aなら一から起業する場合と比較して投資額も低く抑えられるケースが多いです。
ただし、投資額が低いということはなにかしら理由があるはずですから注意は必要なのですが・・・(詳しくは後述)
軌道に乗れば大きな利益も
スモールM&A後は役員として役員報酬を貰ったり、会社の利益が出れば配当を貰ったりしていきます。
さらに上場まで持っていければかなり大きな利益を得ることができる夢もありますね。
代表取締役社長の肩書も
また、サラリーマンの方なんかは特に魅力を感じる点が肩書が手に入ることです。
企業のオーナーになるわけですから代表取締役社長なんて肩書を手に入れることが可能なんですよ。
まあ、、実際は株式会社を立ち上げるハードルがかなり低くなっていますので実際はそれほどでもないので、逆に株主に徹して代表取締役社長は別の方に任せてしまうってのも手ですけどね。(こっちのほうがおすすめです)
スモールM&Aのリスク
スモールM&Aはここ最近はブームと言ってよい人気になっていますし、サラリーマンの方も挑戦するケースが増えています。
しかし、今後失敗する例がどんどん出てくるのを危惧しています。
スモールM&Aはリスクもかなり高いからです。
企業の問題点を把握できるか?
まず最もトラブルになりやすい点が買収先企業の問題点を買収前に見つけられないことでしょう。
ある程度の専門的な知識がないと厳しいのです。
一般的なM&Aでは公認会計士や弁護士、税理士、弁理士、中小企業診断士なんかをいれてデューデリジェンス(投資先の価値やリスクなどを調査すること)を行います。
しかし、買収金額が低いスモールM&Aでは費用面でもなかなかそこまでできませんからね。
当然、買収前に決算書はみると思いますが、上場していない企業の場合は粉飾決算やいい加減な決算を組んでいるケースもありますから実態を把握するのが大変なんですよ。
株を49%しか取得できていない
レモンの原理が起こるかも
経済学の用語「レモンの原理」をご存知でしょうか?
これと同じことがスモールM&Aでも起こる可能性があります。
前述の企業の問題点を把握できるか?ってところも関係してくる話です。
レモンの原理とは中古車市場で外見からはわからない欠陥があるクルマ(レモン)と優良なクルマ(ピーチ)があることで、買い手が高い金額のレモンを買うことを恐れ、レモン相当の金額しか払わなくなり、ピーチは安い金額でしか売れなくなるので出回らなくなる市場原理のことです。
スモールM&Aでも外からその企業が優良なのか欠陥なのかわからない部分が大きいですから買い手側は欠陥前提の価格でしか買わなくなる可能性があります。
そうなれば優良な企業は売りに出されないなんてことも起こってくることもありえるのです。
すでにそのような傾向がちょっと見えていますね。
そのため今のスモールM&A市場でピーチを探すのはかなり大変なんですよ。
レモンを買って自分でピーチに仕立てるという手もあるでしょうが。
私も興味を持ち出してからいろいろな案件をチェックしていますが、ほしいと思えるところがありません。
スモールM&Aはまだこれからの分野ですから仕方ない部分もあるでしょうけどね。
たとえばスモールM&Aの一種のWEBサイトの売買なんかでも見る人が見たら「レモン」としか思えないサイトが高額で売っていたりします。
悪質だな・・・って思うことも。。。
買収後も今までどうりに業務が回るか
もう一つありがちなリスクが買収後に今までどうり業務が回らなくなるパターンです。
例えば買収に反発した有力な従業員が退社してしまうなんてこともありえるのです。
そうなれば前提となっていた業績も変わってきてしまいますからね。
会社に大きな変化が生じればモラール(士気)やモチベーション(やる気)なども変わってしまいます。
人の心の部分はなかなか難しいんですよ。
実は私も会社員時代勤めていた会社が買収されることを経験していますが、その際には退職を決意しましたね。
そのことを伝えたところ給料2割アップの条件を提示されたので残りましたが(笑)
状況によってはそういう交渉も必要になるかもしれません。
また、取引先によってはオーナーが変わったことで今までどうりの取引をしてくれなくなるケースもあります。
このあたりも買収前にしっかり確認しておく必要があるでしょうね。
持ち出しも・・・
スモールM&Aした会社が利益がでていれば役員報酬や配当を得ることは当然可能です。
しかし、赤字に転落したりすれば配当は出せませんし、役員報酬を削らないといけないかもしれません。
従業員の雇用を守るために自分の財産から持ち出しをして会社を支えるなんてケースも。
つまり、会社のオーナーになるってことはそれだけ大きな責任があるってことも知っておくべきでしょう。
まとめ
今回は「会社員でも企業オーナーになれるスモールM&Aが増加中。スモールM&Aの魅力とリスクを解説」と題してスモールM&Aについてみてきました。
上手く使えばかなり魅力的なスモールM&Aですが、かなりリスクも高いことを知っておきましょう。
最近ではWEBサイトを購入するようなスモールM&Aも登場してますね。
なお、スモールM&Aに興味を持った方はこのあたりの本を読むことをおすすめします。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。