株式投資をする人のバイブルと言われる本があります。
東洋経済新報社発行の「会社四季報」です。
国内に上場している企業の基本情報はもちろん過去の業績、独自の業績予想、さらには株式指標などをコンパクトに纏めてくれています。
四半期(3ヶ月毎)に販売され最新情報に更新されますので読み込んでお宝銘柄を探す投資家も多いことでしょう。
私も過去にテンバーガーなどを見つけたのはほとんど四季報を読んでいるときに見つけたんですよね。
また、会社四季報はSBI証券や楽天証券などネット証券会社なら大抵は口座を開設していれば無料で読むことも可能となっています。(一部抜粋の証券会社もケースもあり)
ただし、会社四季報はたくさんの企業が載っていますし、細かい字や数字でなかなか読みきれない、どこ見てよいのかわからないって話もよく聞きます。
そこで今回はそんな会社四季報の読み方で私が意識しているポイントをご紹介しましょう。特に今回はテンバーガーなどお宝銘柄になりえる会社を探すポイントです。
1社1分もかからずにある程度の判別が可能です。
業績を見る
私の場合には財務状況の「業績」欄から見ます。
企業概要などを読んでしまうと先入観が入ってしまいますので後からしか読みません。
まずは業績欄からめぼしい企業をピックアップします。
それぞれの数字の意味や読み方はこちらの記事も合わせて御覧ください。

売上高
まず業績でみたいのは売上高の伸びです。
お宝銘柄になりえるのはやはり売上が伸びている必要があります。
売上高が最低10%伸びていない企業はそこで見るのを辞めてしまいます。
ただし、売上は急激に伸びていればよいわけでもありません。
営業利益
次は営業利益。
営業利益とは本業の儲けを指す項目です。
いくら売上が上がっていても利益を稼げなければ意味はありませんからね。
ただし、新興IT企業やバイオベンチャーのように試験研究などで先行投資が嵩んで営業利益がマイナスの企業もあります。
それら企業が先行投資が落ち着き、回収フェイズに入れば一気に利益を稼いで化けることもあるのです。
ですから売上高と比較するとそれほど優先度は高くしていません。
経常利益、税引前利益、純利益
経常利益や税引前利益、純利益は為替の影響や特別損失など本業以外の要素が絡んできてしまいますので始めの段階では意識しません。
つまり、それら例外的なものは無視しておいて本業でめぼしい銘柄をピックアップするのです。
その後、ピックアップした企業の中まで残ればそこで検討するって感じですね。(こちらは四季報だけではわかりませんので企業が発表している決算発表で確認します)
一株益
一株益とは一株あたりの利益のことで株の割安、割高を見るのに適しています。
ちなみに株価を一株益で割るとPER(株価収益率)です。
また、この項目が順調に成長していると今後も株価も期待しやすいですね。
お宝銘柄になりやすいのは当然、ある程度割安に放置された銘柄です。同業種と比較するのが良いでしょう。
会社予想と四季報予想
業績でもう一つみたいのが業績予想です。
会社の出している業績予想と四季報が出している予想を比較してみます。
会社予想よりも四季報予想が高いのが株価的にはプラスですね。
会社が保守的に予想していることが考えられるため上方修正を期待できます。
過去に上方修正をその企業がどのくらい出しているのかもチェックしておくと良いでしょう。
キャッシュフローを見る
次に見ているのはキャッシュフロー欄です。
これの見方は簡単です。
それぞれの数字の意味や読み方はこちらの記事も合わせて御覧ください。

営業CF
営業CF(キャッシュフロー)はプラスであることが絶対条件です。
営業CFとは本業でどれだけお金が増えたか減ったのかがわかる項目です。
プラスならば本業がある程度うまくいっておりお金が残る状態。
マイナスならば本業でお金が回っていない状況とも言えます。
かなり面白い業務をやっている企業以外ここがマイナスの企業への投資は個人的にしませんね。
投資CF
次に投資CF(キャッシュフロー)です。
投資キャッシュフローは、固定資産や株、債券などの取得や売却をした時の現金の流れを表します。
ここは将来へ企業がどのくらい投資をしているかがある程度わかりますので将来性のある企業ほどマイナスとなります。
将来への投資ができているということですね。
逆にここがプラスになっているのは過去の投資をお金に変えていることが推測できます。
ですから投資CFはマイナスの会社の優先度が高くなります。
財務CF
財務CF(キャッシュフロー)は借入金や株の発行、配当などの財務面でのお金の動きを示します。
ここは個人的には始めの段階ではそれほど重要視しません。
基本的にここがマイナスの企業ほど優良企業が多いです。
しかし、ベンチャーなどこれから伸びていこうとしている企業はプラスも成長するために必要ですしね。
営業CF+投資CF
次に見たいのが営業CFと投資CFを足してみるのです。
これを「フリーキャッシュフロー」と言います。
つまり、本業で儲けたお金で投資に回しどれだけお金が残っているのかを示しています。
基本的にフリーキャッシュフローがプラスの会社がピックアップ対象となります。
マイナスならばその時点で身の丈にあまりあっていない投資をしているということですから個人的には外しますね。
指標等を見る
次に指標を見ていきましょう。
ROE
指標等でまず着目したいのがROEです。
ROEとは自己資本利益率のことで、自己資本でどれだけ利益を生み出したのか?ということを表した指標となります。
つまり、効率よく利益を上げているかどうかがわかるのです。
私の基準だとこれが最低10%ないと投資対象から外します。
お宝銘柄の多くはこの指標が高いですね。
ただし、ROEには大きな弱点があります。その点は知っておく必要があるでしょう。

ROA
次はROAです。
ROAは総資産利益率のことで、他人から借りた部分も含めてどれだけ利益を生み出したのか?ということを表した指標となります。
これが高い企業は低利率で借り入れをして業務を拡大すると利益が上がるということになります。
個人的にはあまり借り入れが多い企業は好きでありませんので、この指標はそこまで重要視していません。
財務を見る
財務状況の最後に見るのが「財務」です。
会社四季報の財務で私が見ているのは1箇所だけです。
数字の意味や読み方はこちらの記事も合わせて御覧ください。

自己資本比率
見ているのは自己資本比率です。
自己資本比率とは総資本のうち自己資本がどれだけあるのかを示した指標です。
これが高ければ高いほど借り入れ等に頼らず商売をしていることになります。
これも好みでしょうが、私はあまり借り入れが多い企業が好きでありませんので最低25%を目安としています。
会社四季報の財務状況からピックアップする企業
今まで見てきたのは財務状況から以下の条件を満たした企業をピックアップするためです。
1社1分も掛からないでしょう。
お金が回っている
身の丈にあった投資をしている
自己資本比率が高くてROEが高い企業
この条件を満たした企業はそれほど多くありませんが、かなり有望な企業なんですよ。
そこから更に実際に投資をしたいお宝銘柄候補を絞り込んでいきます。
企業概要を見る
特色、連結事業、業種
まずはその企業がどのような業務をしているのかを知るために特色と連結事業、業種を読みます。
例えばAI関連など時流にあった事業をやっている会社の株などは上がりやすいですが、実はAIもやっているけど事業としての比率がかなり低いなんてことはよくあります。
本当の本業はなんなのか?を確認するのです。
また、特色を読めば業界でどのような位置なのか等もある程度把握が可能となります。
ここを読んで「その企業に興味を持てるのか」、また、「仕事の内容を理解できるのか」を考えます。
興味は持てるけどその時点で仕事の内容が理解できないならばその企業のWEBページを熟読します
ウォーレン・バフェットさんも言ってましたが自分が理解できない業界には投資するべきではないと考えているためです。
この2つの条件が満たせない場合には投資対象からは外します。
株主、役員
次に株主と役員をチェックします。
これはヤバそうな会社や人が関わっていないのか?ということですね。
目新しい株主や取締役の名前は悪い噂ががないのかをとりあえずググっていますね。
この会社やこの人が関わっている会社の株は絶対買わないほうが良いってのがあるんですよ。
具体的には言えませんが・・・・
私は元々ボロ株の関係者だったのでいろいろあったのですよ。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。


決算書を見る
財務状況と企業概要をみてまだ残っている投資候補についてはより深い分析をします。
会社四季報にある決算データは概要だけですから実際の決算書を見てみることも必要です。
新規上場企業などでは目論見書も熟読するとよいでしょう。
決算書の詳しい見方はこちらの記事を御覧ください。

チャートを見る
決算書も見てそれでも投資対象となる銘柄については投資するタイミングを考えます。
それにはチャートが最も適しています。
チャートの見方もいろいろありますが、私が好んでいるのは週足をつかった以下の方法です。
特に中・長期の投資を考えているなら最適でしょう。

まとめ
今回は「お宝銘柄を探すなら会社四季報のここを見ろ!。1社1分でOK、読み方のポイント」と題して会社四季報の読み方のポイントをご紹介しました。
たくさんの銘柄がありますので一から全部読んでいくのは大変ですが、こうやって効率よく確認するのも有効ですよ。
この選別すると投資したい企業がでてこない時もありますが、そういうときは休むも相場ですよ
会社四季報が読める証券会社
いろいろな証券会社で会社四季報を読むことはできます。
とくにオススメなのが下記2社です
楽天証券
まずは楽天証券です。
楽天証券は通常の会社四季報に加えて、「四季報速報」が読めます。
また、日経新聞が無料で読める「日経テレコン」も利用が可能です。
かなりありがたい証券会社ですね。
SBI証券
最後はSBI証券です。
SBI証券は株アプリでの閲覧がかなり秀逸です。
企業概要、財務状況、資本移動など分けて全情報を見やすくまとめてくれています。
私はSBI証券メインで確認していますね。
口座開設はこちらからどうぞ
紙で読みたい
会社四季報もいくつか種類があります。
通常版、ワイド版、CD-ROM版、WEB版、iPhone、Ipad版、会社四季報プロ500・・・
どれが良いのかは好みでしょうが、個人的にはワイド版が好きですね。
通常の四季報よりも大きくなっているため持ち運びはできませんがかなり読みやすくなっています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。