かなりユニークなコンセプトの投資信託で2020年日経優秀製品・サービス賞 日経ヴェリタス賞を受賞した「マネックス・アクティビスト・ファンド」(愛称:未来の日本)が話題となっています。
今回はマネックス・アクティビスト・ファンドについてレビューしていきます。
マネックス・アクティビスト・ファンド概要
それではマネックス・アクティビスト・ファンドについて詳しく見ていきましょう。
主な概要は以下の通り。
ファンド名 | マネックス・アクティビスト・ファンド(愛称:未来の日本) |
運用会社 | マネックス・アセットマネジメント株式会社 |
運用方針 | 主として日本の株式に投資しますが、個別企業の分析を重視したボトム・アップ手法による銘柄選択により比較的少数の銘柄へ投資します。対象企業に対しては、目的を持ったエンゲージメント(対話)や提案を行い、企業価値と株主価値の中長期的な向上を目指します。その結果、企業の株価が想定する適正株価に達した場合には、投資回収を行います。 |
設定日 | 2020年6月25日 |
償還日 | 無期限 |
マネックス・アクティビスト・ファンドの特徴
マネックス・アクティビスト・ファンドの最大の特徴は「物言う株主」(アクティビスト)になるということです。
物言う株主といえば古くは村上ファンドなんかが話題になりましたね。
それを一般販売の投資信託で実現しようとしているのです。
通常、投資信託を購入しても投資先等に意見をするのは難しいです。
たとえ株を買ってもかなりの規模でないと意見を反映させるのは難しいでしょう。
しかし、マネックス・アクティビスト・ファンドは個人投資家の声を吸い上げ、企業と個人の架け橋となり、双方の利益となる新しいアクティビスト活動を推進するとのこと。
従来のアクティビストファンドは基本的に機関投資家向けでした。
しかし、本ファンドは個人投資家向けであり、少額から参加可能、また個人投資家との対話を通じて日本企業を後押ししていくといっ
具体的な方法は不明ですが、投資信託購入者側の声も投資先に伝えることができるよう。
なお、すでにマネックスグループの松本大氏がアクティビストとして直接動いているとのことでした。
マネックス・アクティビスト・ファンドの投資先
投資先は日本企業です。
個別企業の分析を重視したボトム・アップ手法による銘柄選択を行い、エンゲージメントを目的として、比較的少数の銘柄に投資します。
企業分析では、経営戦略、事業モデル、経営陣の質、財務状況など、財務面と非財務面(ESGを含む)からの視点を統合的に取り入れるとしています。
銘柄を選別して投資をするアクティブ型の投資信託となりますね。
マネックス・アクティビスト・ファンドの手数料
次に手数料を見ていきましょう
信託報酬率
マネックス・アクティビスト・ファンドの信託報酬率は
購入時手数料
信託財産留保額
マネックス・アクティビスト・ファンドの取扱い金融機関
マネックス・アクティビスト・ファンドの2021年1月6日時点での取り扱い予定金融機関は以下です
マネックス証券はもちろん、それ以外のネット証券大手で取り扱いがある感じですね。
マネックス・アクティビスト・ファンドの成績
次にマネックス・アクティビスト・ファンドの過去実績をみておきましょう。
「マネックス・アクティビスト・ファンド」が新規設定された2020年6月25日と約半年前ですから、1月5日現在の半年間で日経平均、TOPIXと比較してみましょう。
なお、青色がマネックス・アクティビスト・ファンド、ピンクが日経平均、緑色がTOPIXとなっています。
出典:ヤフーファイナンス
マネックス・アクティビスト・ファンドはプラスとなっているものの、日経平均、TOPIXと比較して負けていますね。
特に11月以降は大きな差となっています。
信託報酬の高さも響いてそうです。
ちなみに11月30日時点のレポートによると純資産4,128百万円、設定来の騰落率は4.5%となっています。
マネックス・アクティビスト・ファンドの投資先
11月30日時点の月次レポートでは具体的な投資先は明記されていません。
投資先の業種や時価総額の公表のみです。
投資先の業種は
- 金融25%
- 情報通信・サービスその他16.6%
- 食品9.9%
- 電機・精密8.9%
- 建設・資材6.4%
が投資先上位5業種となっています。
結構偏っていますね。
具体的な銘柄も公開してほしいところですが、物言う株主というのもあり公開してないのでしょうか?
物を言うためにある程度の株を買うことになるでしょうから四季報とかではわかるかもしれません。
投資している方には開示しているのでしょうかね?
なお、投資先の時価総額は
- 5千億円以下が62.8%
- 5千億円〜1兆円が13.7%
- 1兆円以上17.9%
となっています。
また、物言うためにはある程度の割合の株を取得する必要があるでしょうから小型株が中心となりそうです。
(物をいうターゲット以外にもトレンドを取り入れたり、調整のために購入している銘柄もあるとのこと)
まとめ
今回は「日経ヴェリタス賞受賞。物言う株主の投資信託【マネックス・アクティビスト・ファンド】レビュー」と題してマネックス・アクティビスト・ファンドのレビューを見てきました。
結論としては以下のとおりです。
評価:3今回のマネックス・アクティビスト・ファンドはかなり賛否が分かれそうな投資信託です。アクティビスト(物言う株主)の部分をどのように捉えるかで変わってくるためです。まだ6月に新規設定されたばかりでアクティビストの効果がでないでしょうから仕方ない部分もあるでしょうが、日経平均、TOPIXに成績で負けてしまっています。高い信託報酬ですから、日経平均やTOPIXの成績を大幅に上回ってようやく検討候補にいれるという感じで良いと思います。
個人的には今の時点ではパスです。
なお、マネックス・アクティビスト・ファンドの取り扱いは下記の大手ネット証券のみとなります。
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