自動で資産運用を行うロボアド業界は各社が参入するなど競争が激しくなってきました。
ウェルスナビは上場したり、春からはNISA対応になる予定など好調をキープ。
ライバルのTHEOは会社分割(吸収分割)にてSMBC日興証券に金融商品取引業にかかる事業を継承させるなど再編の動きもでていますね。
そんな中、ネット証券大手のauカブコム証券(元カブドットコム証券)が新たなロボアドを投入。
しかも、他のロボアドと違い下落時も利益が出せるという信用取引を投資助言するロボットアドバイザーサービスとなっています。
今回はauカブコム証券の新サービス「信用ロボアド」について見ていきましょう。
信用ロボアドとは
出所:auカブコム証券 主要ネット証券 信用取引のロボアドを提供開始。より
「信用ロボアド」は、信用取引を投資助言するロボットアドバイザーサービスです。
信用取引で運用することで、ヘッジファンドのように相場に左右されにくい運用と、ロボットアドバイザーによる厳格なリスク管理で高い運用パフォーマンスを提供。
一般的なロボアドは信用取引を利用しませんので、買いか保有している商品を売ることしかできません。
ですから相場が調子が良いときは良いパフォーマンスとなりますが、下落相場になると成績が悪くなる可能性が大です。
しかし、「信用ロボアド」は信用取引を利用して空売りができることから下落相場でも利益を稼ぐことが期待できるのです。
信用取引、空売りとは
信用取引とは証券会社からお金、または株券を借りて株式を売買する取引のことを言います。
通常の売買と違って空売りができるのが最大の特徴です。
「空売り」とは言葉の通り「空」つまり、株を持っていない状況で株を売ることを指します。
簡単に言えば証券会社から株を借りて、その株を売るんです。
そして決済期日までに買い戻して株を証券会社に返す。
その差額で儲けを得る取引となります。
つまり、株価が下がったら儲かるのです。
下落相場など株価が下がる場合などに有効な取引手法ということになります。
下落相場での売買やつなぎ売りなど空売りはうまく使うととても良い制度なのですが、「買いは家まで、売りは命まで」という投資格言があるように失敗するととんでもない事にもなりかねませんので初心者にはオススメ出来かねます。
しかし、ロボアドならそのあたりのデメリットも回避することができるかもしれませんね。(運用は2021年2月中からとのことでまだ始まってませんのでなんとも言えませんが)
信用ロボアドのプラン
信用ロボアドは運用開始前に5つの質問の回答によって10種類の助言プランが提示されます。
- タイプ(積極型/安定型)
- 金額(100万円、200万円、300万円、500万円、1000万円)
の組み合わせとのこと。
最低金額は100万円からと少し高めに設定されていますね。
信用ロボアドの投資対象は国内株式
信用ロボアドの投資対象は国内の個別株式となります。
一般的なロボアドは投資信託やETFが多いのでそのあたりも相違がありますね。
信用取引も利用することから短期売買思考となりそう。
信用ロボアドの運用パフォーマンス
信用ロボアドの運用パフォーマンスは一般的なロボットアドバイザーを上回る年利回りを目標としています。
まだ運用が始まっていませんのでなんとも言えませんが、信用取引が使える分だけ他のロボアドよりは有利なのは間違いないでしょう。
ただし、短期売買、国内株が対象と一般的なロボアドと投資対象が全然違うことがどう影響するか・・・
信用ロボアドは投資助言型である
ウェルスナビやTEHOなど一般的なロボアドは投資一任型となっており、自動売買が基本です。
しかし、信用ロボアドは投資助言型となっており、投資助言(銘柄/売買タイミング等)をauカブコム証券が提供するPC、スマートフォン向けページを介し行うとのこと。
つまり、自動では売買が行われず売買の助言が来るだけとなります。
自動発注も選択できる
ただし、投資助言受領後の発注作業を任意で省力化させる「発注アシスト機能」も合わせて提供されます。
この機能を有効にすれば日々の注文をシステムが自動で行うとのこと。
個人的な意見としてはロボアドの良さは自動売買で人の心理が入らないことがあると考えています。
助言だけだとそのとおり心理が邪魔して売買出来ない可能性があり、あまり良くないのかな・・・
株でなかなか勝てない人が多いのは心理面が大きいという話もありますしね。
ですから信用ロボアドを利用するなら「発注アシスト機能」を活用したほうが良いかもしれません。
信用ロボアドの手数料は月額顧問料+成功報酬
信用ロボアドは手数料が他のロボアドと比較してもかなり高い点がネックとなりそうです。
具体的には以下の通り。
月額顧問料 | 1,000円(税別、月額) |
成功報酬(ハイウォーターマーク方式) | 利益から10%(税別) |
その他手数料 | 金利、貸株料、逆日歩(通常の信用取引と同じ) |
手数料は月額顧問料1,000円(税別)と成功報酬利益から10%(税別)となっています。
上限の10,000,000円運用すれば年間の顧問料は0.132%(税込)ですから許容範囲でしょうが、1,000,000円しか運用しなければ1.32%(税込)と高いですね。
さらに11%(税込)の成功報酬・・・
成績がかなりよくないと許容できないレベルかも知れません。
参考:他のロボアドバイザーの手数料
ちなみに代表的なロボアドバイザーのTEHOやウェルスナビなどの手数料は以下の通り。
Wealth Navi | 預かり資産の年率1%(現金部分を除く、税別、年率)+信託報酬 |
THEO+docomo | 預かり資産額の0.65%〜1.00%(税別・年率)+信託報酬 |
松井のロボアドバイザー | ロボアド利用料0円+信託報酬最大0.34%(税別・年率) |
SBI証券(SBI-ファンドロボ) | ロボアド利用料0円+信託報酬 |
楽天証券(楽ラップ) | 固定報酬0.65%(税別・年率)or成功報酬併用0.55%(税別・年率)+運用益の5%(税別・年率)の選択制+信託報酬 |
かなり各社手数料体系や仕組みが違いますので一概には比較できませんが・・・基本的には上記5社の方が信用取引がない分だけ安くなりそうです。
まとめ
今回は「下落時も利益?auカブコム証券が信用取引のロボアド「信用ロボアド」を提供へ」と題してauカブコム証券が新たに始める信用ロボアドについて見てきました。
まとめると以下の通り。
- 下落時でも利益が稼げる可能性がある信用取引を活用
- 投資金額は100万円〜1,000万円
- 投資対象は国内株式
- 自動売買ではなく助言(自動発注も選択可能)
- 10種類のプランを選択
- 手数料が高いのが玉に瑕
とても興味深いサービスですが、まだ運用を開始していないため、どの程度利益がでるのか、どのような相場に強いのか、弱いのか等全くわかりません。
手数料の高さを考えると様子見が正解かなと個人的には思いますね。
興味がある方はauカブコム証券の口座開設をして2021年2月中(予定)の運用開始(募集開始)を待ちましょう。
お申込み開始と同時期にキャンペーンを予定しているとのことですよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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