楽天がかなり起死回生の一手を打ってきました。
日本郵政、日本郵便と資本・業務提携を行うことを発表したのです。
これで楽天モバイルの弱点が補われ魅力が数段に増しそうです。
すでに楽天モバイルの契約者は3月8日の時点で1年無料の300万人を突破したそうですが、4月7日(水)23:59までに契約した方は1年無料で利用できます。
※本キャンペーンは終了しましたが新たに3ヶ月無料のキャンペーンが始まっています。
楽天が得る第三者割当増資概要
まずは今回の第三者割当増資の概要から見ておきましょう。
全部で2,400億円の調達となります。
ニュースでは日本郵政株式会社、日本郵便株式会社からの出資の話一色ですが、実は他にも出資先がいます。
合わせてご紹介しましょう。
なお、出資は第三者割当増資になります。
第三者割当増資とは特定の第三者に新株を発行して引き受けてもらう形の増資方法です。
日本郵政株式会社、日本郵便株式会社からの出資
まずは日本郵政株式会社、日本郵便株式会社が楽天に出資は以下の条件となります。
149,999 百万円とかなりの規模の出資となりますね。
- 出資方法 第三者割当増資による募集株式の引受け
- 引受株式数 131,004 千株(1株1,145円)
- 出資金の額 149,999 百万円
- 出資比率 8.32%
- 出資金の払込期日 2021 年 3 月 29 日(月)(予定)
テンセントグループからの出資
もう一つがテンセントの子会社である「Image Frame Investment (HK) Limited」。
なんとテンセントグループから出資を受けるのです。
第三者割当増資は57,382,900株(1株1,145円)となります。
下記を読んでも具体的にどのような展開を見せるのかはわかりませんが、興味深い組み合わせです。
「楽天は、これまでメンバーシップとロイヤリティプログラムを通じて活気に満ちたエコシステムを構築し、Eコマース、FinTech及びデジタルコンテンツと比類のない強みを発揮しています。我々は楽天のユーザーに向けたイノベーションとエンパワーメントを通じた価値創造への想いを共有しています。そして、グローバルイノベーションリーダーへの進化に向けて投資を通じてサポートできることを嬉しく思います。我々は、デジタルエンターテインメント、Eコマースなどの事業を通じて戦略的提携を追求し、ユーザーへの価値創造とインターネットのエコシステムを共に創るためのパートナーシップを築くことを楽しみにしています。」
出典:楽天 プレスリリース 第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分に関するお知らせ Tencent Holdings Limited Executive Director and President, Martin Lau氏からのコメントより
Walmartからの出資
「Walmart」も第三者割当増資に参加します。
すでに「Walmart」とは「楽天西友ネットスーパー」や「楽天Kobo」で協業しているのですが、さらにそれを進めていくのでしょう。
Walmartの第三者割当増資は14,536,000株(1株1,145円)となります。
「急速に変化するグローバルリテール業界の中で、ウォルマートは将来の成長から利益を得ることができるように、世界中で戦略的な株式投資を行っています。 私たちは長い間楽天と共に歩んできました。グローバル規模でのEコマースエコシステムを展開していくという楽天の挑戦は、多くの点で私たち自身の挑戦と重なるものだと考えます。」
出典:楽天 プレスリリース 第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分に関するお知らせ President and CEO of Walmart International, Judith McKenna氏からのコメント
三木谷氏の資産管理会社からの出資
また、三木谷浩史氏の資産管理会社も第三者割当増資に参加します。
有限会社三木谷興産に4,366,800株(1株1,145円)
有限会社スピリットに4,366,800株(1株1,145円)
こちらもかなりの金額ですね。
身銭を切って楽天モバイルに投資をするということですからかなり本気モードなのが見えてきます。
資金の使いみちは楽天モバイル
今回得た資金は以下の使いみちとなります。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
会社名 | 所在地 | セグメントの名称 | 手取金の使途 | 投資予定額(億円) | 設備投資の 実施予定時期 |
楽天モバイル株式会社 | 東京都世田谷区 | モバイル | 第4世代移動通信システム(4G)に係る基地局設備 | 1,840 | 2021年4月~2021年12月 |
第5世代移動通信システム(5G)に係る基地局設備 | 310 | 2021年4月~2021年12月 | |||
4G及び5Gに共通の設備 | 250 | 2021年4月~2021年12月 |
出典:楽天 プレスリリース 第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分に関するお知らせより
なんと2,400億円の調達した資金はすべて楽天モバイルに使うのです。
先日、発表した楽天モバイルの料金プランはドコモのahamo、auのpobo、SoftbankのLINEMOと比較してもかなり魅力的です。
使わなければ0円ですし、たくさん使っても無制限で2,980円(税込3,278円)ですからね、
しかし、電波の弱さという致命的な弱点があるためメインで使うのにはちょっと怖いかな・・・ってのがありました。
私も下記の方法で楽天モバイルは副回線として使っています。
それが今回の投資で一気に改善しようということなのでしょう。
電波の弱ささえ改善してしまえばメインで使いたい料金プランですから期待したいところ。
また、最近は下記記事にあるように楽天界隈は改悪が相次いでいます。
それは楽天モバイルの苦戦が原因ではないか?とも言われていましたので今回の出資で改悪が止まると良いですね・・・
日本郵政株式会社、日本郵便株式会社との業務提携
資本提携の話と合わせて業務提携の話が出ています。
こちらもかなり注目です。
業務提携内容
物流
■ 共同の物流拠点の構築
■ 共同の配送システム及び受取サービスの構築
■ 日本郵便及び楽天の両社が保有するデータの共有化
■ 新会社設立を含む物流DXプラットフォームの共同事業化
■ RFC(楽天フルフィルメントセンター)の利用拡大及び日本郵便のゆうパック等の利用拡大に向けた、日本郵便・楽天両社の協力・取り組み
モバイル
■ 郵便局内のイベントスペースを活用した楽天モバイルの申込み等カウンターの設置
■ 日本郵便の配達網を活用したマーケティング施策の実施
DX
■ 楽天グループから日本郵政グループに対するDXに精通する人材の派遣
■ 楽天グループによる日本郵政グループのDX推進への協力
また、両社グループは、業務提携を目指して以下の事項について検討します。
金融
■ キャッシュレスペイメント分野等での協業
■ 保険分野での協業
EC
■ 物販分野での協業
出典:日本郵政、日本郵便 プレスリリース 日本郵政グループと楽天グループ、資本・業務提携に合意より
かなり広い分野での業務提携となります。
とくに注目なのは楽天モバイルでしょう。
楽天モバイルの提携内容
郵便局内に楽天モバイルの申込みカウンターを設けたり、郵便局の配達網でマーケティングしたりするのです。
これはかなり衝撃です。
郵便局は全国に2万4000局あります。
全国に楽天モバイルのショップは200しかないそうですが、それが一気に広がるということになります。
ちなみに携帯電話大手3社は全国に2000店舗程度だそうですからその10倍の販売拠点を持つことになるんですよ。
さらに携帯電話大手3社が出す新料金プランはオンライン専用プランで街のショップでは受付もサポートもしないとのこと。
楽天モバイルは新料金プランも店舗でサポートをしていますから、高齢者などにも優しい形になり大手3社とサービス面でも差別化できることになります。
郵便局の屋上に基地局も
さらにすでに一部実施しているようですが、郵便局の屋上に基地局を設置するようです。
とくに5Gは1つのアンテナでカバーできる範囲が狭いとのことで基地局を確保するのに苦労しているという話があります。それを全国に2万4000局もある郵便局の屋上が使えるならかなり大きなメリットとなるでしょう。
まとめ
今回は「楽天モバイルが起死回生の一手。郵便局に基地局、カウンター設置。1年無料期間のうちに申し込め!!」と題して楽天の第三者割当増資について見てきました。
携帯電話大手3社の新料金プランの登場で苦戦が予想されていた楽天モバイルですが、これでかなり改善されそうです。
料金プラン自体はすでに大手3社のそれよりも魅力的ですから、電波の問題さえ解消すれば最強ですしね。
なお、楽天モバイルは先着300万人まで1年無料のキャンペーンを実施中ですが、先日300万人を突破しました。
ただし、4月7日(水)23:59までの契約ならこのキャンペーンを利用できます。また、最大25,000ポイント還元キャンペーンを実施しています。1年無料で使いたい方は早めに申し込んでおくのが正解でしょうね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
「シェア」、「いいね」、「フォロー」してくれるとうれしいです