Netflixでかなり面白い番組が配信されています。
「お金をダイジェスト」です。
お金に生きるの読者様なら興味を持つ方が多いかもしれません。
この番組は名前の通り、お金にまつわるカラクリや仕組みを解説してくれるアメリカの番組です。
お金をダイジェストの内容の中で個人的にかなり興味深かったのがエピソード1の「楽して稼ぐ方法」。
なぜ人は金融詐欺に引っかかってしまうのかを過去の金融詐欺の歴史などを紐ときながらみていく回となっています。
今回は「お金をダイジェスト」で紹介された詐欺の手口を考えてみましょう。
金融詐欺の歴史は繰り返されている
まずはお金をダイジェストで紹介された過去の金融詐欺をご紹介しましょう。
大変興味深いのが、かなり昔に起きた多くの詐欺は今でも同じようなことが繰り返されていることなんですよ。
ポヤイス国詐欺
まずは1821年〜に起こったポヤイス国の詐欺です。
ちょうど今から200年前ですね。
これは史上最悪の詐欺師と言われるグレガー・マクレガーによる嘘の国を舞台にした詐欺となります。
ある時、グレガー・マクレガーが大量のメダルと勲章を下げて「ポヤイス国の領主」としてロンドンに帰ってきました。
ポヤイス国は天然資源が豊富で革には純金の粒でいっぱいの楽園だというのです。
そしてポヤイス国に移住すれば名誉ある役職が用意され、お金を払えばそんな楽園の土地をマクレガーが用意してくれるというのです。
銀行家、靴屋、海軍将校など70人がその話に飛びつきました。
そしてその70人はポヤイス国旅立ちます。
その後、マクレガーは同じ話をスコットランドでもします。
スコットランドでも200人があつまり、ポヤイス国へ旅立ちます。
しかし、ポヤイス国なんてものははじめから存在してなかったんですね。
270人のうち、母国に戻ってこれたのは50人だけでした・・・
現在も前払い詐欺として横行
ポヤイス国の詐欺は現在にも同じような手法の詐欺が横行しています。
例えば宝くじがあたったとか還付金がもらえるというメールや郵送物、電話が来て受け取りのためには会費や手数料を支払わせるという詐欺があります。
これも架空の宝くじや還付金というものをでっち上げてそれをもとにお金を集めるという手法です。
詐欺の対象物は異なっていますが、手法そのものはほとんど同じなんですよね・・・
ポンジ・スキーム
次はポンジ・スキームです。
これは1920年代にチャールズ・ポンジが行った詐欺です。
チャールズ・ポンジは「90日で投資額を2倍にする」という約束。
しかし、実際は運用をしているわけではなく、出資者から集めたお金を配当としても出資者に分配するというだけの仕組み。
いつか回らなくなり破綻するんですね。
これは現在でも同じような詐欺が続いていますね。
ジャパンライフのレンタルオーナー商法や安愚楽牧場、円天なんかも基本は同じ仕組みでしたね。
ジャパンライフの概要
ジャパンライフのレンタルオーナー制度は高額な磁気ネックレスや磁気ベルト(数百万円)を購入してジャパンライフに預けるとそれをレンタルに出すことで毎月レンタル料収入が得られると謳っていました。
購入金額の年6%程度のレンタル収入がでるという名目でしたが、実際は出資者から入ってきたお金を配当に回すという自転車操業状態でジャパンライフは破綻しています。
はじめからポンジ・スキームのつもりだったのかはわかりませんが・・・
安愚楽牧場の概要
安愚楽牧場は子牛が成長して肉牛として売れた時点で売却益を会員に還元するというもので、4~7%の利回りを約束していました。
しかし、実際は契約金の9割が配当に回るポンジ・スキーム状態で破綻していまいます。
はじめからポンジ・スキームのつもりだったのかはわかりませんが・・・
円天の概要
円天はちょっとややこしいです。
会員になると1年ごとに預けた金額と同額の円天(疑似通貨)を受け取ることができるとされ、さらに円天は年利100%の金利が払われるとして会員を集めていましたね。
しかし、円天の使いみちがほとんどなく、テレビで問題になると会員が増えなくなり資金繰りが頓挫してしまいます。
こちらもはじめからポンジ・スキームのつもりだったのかはわかりませんが・・・
最近はFXや暗号資産
最近もFXや暗号資産などの同様の詐欺をよく見かけますね。
イギリスで大きな被害が発生したワンコイン詐欺や日本でも某有名タレントや議員の夫が絡んだ暗号資産の詐欺などいろいろありましたね。
月◯%の配当を約束するとか怪しいやつです。
手を変え品を変えていますが、手口はほとんど同じなんですよ。
情報商材
次は情報商材です。
こちらは1950年くらいからある手法となります。
ほとんどポヤイス国の詐欺と同じですが、情報を売ることで架空ではないため犯罪になりにくくしているのが特徴です。
情報商材は最近の話のようですが、昔から存在しているんですよ。
昔は不動産で稼げる方法だったようですね。
こちらも手を変え品を変え情報の内容が変わってきてはいますが、手法そのものは同じです。
サロン、note
最近はサロンやnoteなど舞台は変わってきています。
サロンやnoteという仕組みが悪いわけではないため、もちろん中には優良なものもあるのでしょうが、悪どいものも多数あるようです。
バイナリーオプション攻略
また、国民生活センターが2019年の消費者問題一位に挙げた「バイナリーオプション」をめぐる詐欺もこちらに近いでしょう。
年○○○%利益が出るという触れ込みのバイナリーオプション攻略用のプログラムが入ったUSBを高額購入してしまった若者が大量発生したんですよ。
これは今でも引っかかっている人が多いようですからお気をつけくださいね。
金融詐欺の特徴
今まで紹介した過去の投資詐欺には共通点があります。
勧誘の際に以下が含まれているケースが多いことです。
- 魅力的な約束
- 簡単に稼げる
- 心ひかれる成功体験
- 体験談
- 切迫感
以前、マルチ商法の見分け方の記事を書いたことがありましたが、その内容ともかなり合致していますね。
昔からこの共通点は変わっていないようです。
金融詐欺に引っかかりやすい人はどんな人?
それでは金融詐欺に引っかかりやすい人はどんな人なのでしょう?
ちゃんと勉強していない?
知能が劣る?
お人好しの性格?
高齢者?
これ全部違います。
実は被害者には特定の特性はないのです。(お金にダイジェストによると)
グリーンスパン氏の事例
面白い事例をご紹介されていました。
詐欺の防止を啓蒙するグリーンスパン氏が詐欺に引っかってしまったという話です。
グリーンスパン氏は「カモになる者の歴史〜だまされない方法」という本を出しているのですが、自分が投資詐欺に引っかかってしまっていたんですよ。
投資詐欺の手法を熟知した人でも引っかかってしまうということです。
つまり、投資詐欺には誰でも引っかかる可能性があるってことですね。
自分が理解できないものに投資しない
金融詐欺に合わないためにぜひ肝に命じておいてほしいのが
つまり、自分が理解できないのに人を信用して買っているというに過ぎないのです。
ポヤイス国の詐欺もそうですよね。
ポヤイス国を自分は知らない(そもそも存在しない)のに信用してしまったのです。
まとめ
今回は「詐欺の手口は200年近く前から変わっていない。ポヤイス国、ポンジ・スキームなど詐欺の手口を考える」と題して「お金をダイジェスト」の話をベースに投資詐欺について見てきました。
びっくりするのが100年、200年前からほとんど変わっていないということです。
扱う商品こそ違えどやり方や手法はほぼ同じなんですよ。
いくら手法を知っていてもグリーンスパン氏のように引っかかってしまう可能性はあります。
金融詐欺に引っかからないためには「自分が理解できないものに投資をしない」ということを肝に命じておきましょう。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。