波平さん理論ってご存知ですか?
国民的長寿アニメである「サザエさん」の主人公サザエさんの父親である「磯野波平」さんから取られた話で、一時期話題となりました。
今回は波平さん理論について考えて見ましょう。
波平さん理論とは
波平さん理論とは簡単に言えば社会保障制度の前提が「サザエさん」ころに考えられたものだから時代に合ってないぞ。時代に合わせる必要があるってことが言いたいと思われる理論です。
波平さんの年齢と風貌を考えるだけでそのあたりがよくわかるんですよ。
波平さんは54歳。東山紀之さんと同級生
磯野波平さんの年齢は54歳です。
2021年の時点で同級生が誰がいるかな?と調べると少年隊の「東山紀之」さん、俳優の「沢村一樹」さん、タレントの「坂上忍」さん、お笑い芸人の「三村マサカズ」さんなどがいます。
舟さんは52歳で森高千里さんと同級生
ちなみに波平さんの奥さんである舟さんは52歳です。
2021年の時点で52歳の女性は歌手の「森高千里」さん、「荻野目陽子」さん、タレントの「井森美幸」さんなどです。
芸能人だから・・・ってのもあるでしょうが、磯野波平さんや舟のイメージと比較するとかなりみなさんお若いですよね。
これが波平さん理論の味噌です。
波平さんを現在にあてはめると74歳相当
「波平理論」を提唱する日銀金融研究所長の関根敏隆さんによるとサザエさんの連載開始時期の54歳は現在に当てはめると生物学的には74歳に相当するとのこと。
たしかに波平さんが54歳と言われる見た目と年齢のギャップにびっくりしますが、74歳と言われればそんな感じだよね。。って気がしますよね。
それだけ医療の進歩や食事、健康増進の効果でみんな老化が遅れているのでしょう。
これだけギャップがあるのに多くの社会の仕組みが当時に設計されたままなんですよ。
サザエさんの時代に設計された社会保険
サザエさんが朝日新聞で連載スタートしたのは1951年。
当時の男性の平均寿命は65歳前後だったそうです。
現在の男性の平均寿命は81歳ですから16年伸びている計算ですね。
※ただし、現在も独身男性の寿命の中央値は66歳です。
当時の会社勤めの方の定年年齢は55歳。
波平さんは定年間近の方だったんですよ。
現在の定年年齢は会社によりますが、65歳が基本ですからこちらも10年伸びています。
当然、サザエさん一家は奥さんは専業主婦ですし、孫とも同居ですね。
そんな時代に設計されたのが社会保険制度なんですよ。
具体的には1959年に国の財源の年金制度ができました。
そして1961年からは保険料を徴収する形で今の年金制度のベースとなる国民皆年金制度ができたのです。
その後、何度か制度変更が行われ現在に至っています。
なお、制度変更は行われてはいるものの大前提となる仕組みや考え方は当時とあまり変わっていません。
波平理論でいいたいこと
つまり、波平理論でいいたいことの本質は「社会保険制度は時代にそぐわなくなっているから見直しが必要」であるということだと思われます。
すでに徐々に国も70歳定年まで伸ばそうと制度をやりくりしていますが、平均寿命上昇に応じて働く期間を増やすということが根本的に必要でしょう。
あとはサザエさんの時代は当たり前だった専業主婦はかなり減ってきていますし、第3号被保険者の廃止なんかも検討が必要でしょうね。
また、社会保険だけに限らず様々な仕組みがその当時に設計された基本ベースのままだったりします。
ですからいろいろなところで制度設計の変更が必要になっているのです。
ただし、高齢者には既得権益もありますし、選挙を考える年金制度などに大きくメスをいれることは難しいでしょうね・・・
ほとんどの病気が治り、60歳の健康を維持できる時代?
さらに今後寿命はさらに大きく伸びるという話もあります。
少し前に未来予想的な本を乱読したのですが、その中でいくつかの本で同じような記述がありました。
その中でも特に衝撃的だったのが以下の本。
イーロン・マスクの盟友であるピーター・ディアマンディス氏、スティーブン・コトラー氏が2030年を予想した本です。
この中には結構衝撃的な内容が含まれていました。
1万6000の病気がまもなく一掃されることになる
100歳の人を再び60歳に戻すこと、すなわち人間の生存期間を大幅に延ばすことは、すでに「できるかどうか」から「いつできるか」の問題に移った
もし、この予想があたっているならその頃には今の54歳はかなり老けて見えるということになっているのかもしれません。
あくまで予想ではありますが、、、
自分で老後資産を守る必要がある
今まで見てきたようにそもそもの前提が大きく変わってしまいっているのに、社会保険などの制度は大本の前提は変わらずとなっています。
そのため、世代間ギャップなどが生まれてしまっています。
しかし、前述したように制度の改革はなかなか期待しにくい状況。
制度が追いつけないなら自分で自分を守るしかありません。
特に老後資金は急に用意しろと言われても難しいです。
できるだけ若いうちから考えて置く必要があります。
老後資金2000万円足りない問題
少し前に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ(第23回)で発表された「高齢化社会における資産形成・管理報告書(案)」俗に言う老後生活2000万円足りない問題は大きな話題となりました。
この文章は簡単に言えば人生100年時代で資産寿命をどう伸ばすのか?をテーマにまとめられた資料です。
結局、批判?が大きかったこともあり、その文章自体が撤回されましたが単に事実から目を背けてしまったに過ぎません。
ぜひ今のうちから自分の老後資金を守るためになにができるのかを考えておきましょう。
前述のようにさらに寿命が伸びるという話もありますからね。
FIREの考え方が参考になるかも
まず資産形成及び老後資金ついてはFIRE(ファイア)「Financial Independence, Retire Early」の考え方が参考になるかもしれません。
FIREとは経済的に独立した早期リタイアのことで投資などでお金や労働に縛られず自分のやりたいことを生きていくというライフスタイルを指します。
この目安無理ないレベルでの対策となりそうです。
まず、FIREを始めるときの資産の目安が「年間支出の25倍」というものです。
例えば年間200万円で生活できる人だとすると25倍ですから5,000万円の資産を用意しておきたいよってことですね。
また、「4%ルール」というものもあります。
生活費が投資元本の4%以内なら資産を減らさず生活できるという考え方です。
例えば5,000万円が元本なら4%で200万円です。
年間200万円以内で生活すれば元本を減らしませんから生活が可能ということです。
極端なことを言えば投資のリターン(配当を含む)だけで生活するようにして元本を減らさなければ何年寿命が増えても生活は可能です。
ですからFIREの考え方を意識すれば寿命が伸びても十分対応可能となります。
ただし、インフレもあるでしょうし、株などの暴落もあるでしょうからそのあたりも加味して行く必要はあると思いますが・・・
iDeCoとつみたてNISAは最低限やっておきたい
そうはいってもいきなりFIRE的な生活ができる資産まで増やすことは難しいです。
まずはiDeCo(個人型確定拠出年金)とつみたてNISAは最低限やっておきたいところ。
前述した金融庁の金融審議会の出した老後生活2000万円足りない問題の資料でもこの2つを推奨していましたね。
税制優遇もありますから普通に投資をするのと比べてとても有利になっています。
ちなみにわたしもこの2つが老後資金の形成には非常に有効だと考えて両方とも満額拠出していますね。
イデコとつみたてNISAについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回は【波平さん理論】磯野波平さんは54歳で東山紀之さんと同級生。前提がズレてしまっている社会の制度と題して波平さん理論についてみてきました。
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