米国株ブームで人気となっている「ETF」。投資信託と何が違って何が良いの?

ここ数年米国株が日本でも大きなブームとなっています。

それに伴い、日本でもアメリカ市場に上場しているETFを買う人がかなり増えているそうです。

証券会社同士の手数料戦争が起こったこともあり、米国上場のETFや株が投資しやすくなったのも大きいでしょう。

今回は読者様からご質問を頂きましたのでちょっとわかりにくい「ETF」と「投資信託」の違いやメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。

ETFと投資信託の違い

まずはETFと投資信託の違いについて見ていきましょう。

実はETFも投資信託の一種なんですよ笑。

そのため、ちょっとわかりにくいですよね。。。

順番に見ていきましょう。

投資信託とは

まず投資信託から詳しく見ていきましょう。

投資信託は名前の通りですが、「投資を信じて託す」ことです。

投資家から集めたお金を投資のプロ(ファンドマネージャー)が運用してくれる金融商品のことをいいます。

その運用先や運用方法、運用してくれる人(運用会社やファンドマネージャー)によりたくさんの商品があります。

運用で利益が出れば還元されることもありますし、株などと同じく値上がりしたり、値下がりしたりもします。

投資信託のメリット

投資信託の主なメリットは

  • 少額から投資が可能
  • 分散投資が容易
  • プロが運用してくれる
  • 投資しにくい地域にも投資が可能

という部分ですね。

特に分散投資が可能という部分が大きいでしょう。

例えば米国株に投資をする投資をする「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」という投資信託なら米国株式市場に上場する大型株、中型株、小型株約4000銘柄に分散投資をしているとほぼ同じとなります。

これだけの銘柄に分散を簡単にできるのは投資信託の大きなメリットですね。

さらにSBI証券なら100円から1円単位で投資が可能となっています。

お小遣いレベルから簡単に投資ができるのもメリットとなるでしょう。

投資信託のデメリット

逆に投資信託のデメリットはどのような点があるのでしょう。

最大のデメリットは手数料が掛かることです。

手数料は投資信託によって異なりますが、

  • 運用をお任せする費用の信託報酬
  • 投資信託を買うための買付手数料
  • 投資信託を換金する際に掛かる信託財産留保額

などが発生します。

最近ではインデックス型といって指数に連動する投資信託が人気となっていますが、これらは投資のプロ(ファンドマネージャー)が運用するアクティブ型と呼ばれる投資信託と比較して手数料が安くなっていますね。

投資信託について詳しくはこちらの記事を御覧ください。

ETFとは上場している投資信託

ETFとは「Exchange Traded Funds」の略で上場している投資信託のことです。

ETFも投資信託は投資信託ですから前述した投資信託のメリット・デメリットは基本的に同じです。(手数料体系や価格が多少違う)

大きな違いは上場しているため、株のようにリアルタイムで価格も動きますし、証券会社を通じて証券取引所で売買注文をするという点です。

上場していない通常の投資信託を購入する場合にはあらかじめ注文を出しておく必要があります。

実際の価格は当日購入締切後の15:00以降にわかります。

つまり、価格がわからない状況で注文しなければならないのです。

しかも価格が高かったからといってキャンセル等はできません。

ETFは株式投資と同じように売買できますから、自分の買いたい価格になったら注文(指値)するとかといったことも可能ですのでその点に魅力を感じている人も多いと思われます。

手数料はETFの方が安い傾向にあったが・・・

ETFは一般的に投資信託より手数料等が安い傾向にあります。

それはスケールメリットの部分が大きいです。

特にアメリカ上場のETFは人気が高く日本とは比較にならない規模で動かしていますので、規模の経済が働いて購入者側が払うコストが非常に低く抑えられています。

また、売れていますので当然種類も豊富なんですよ。

ただし、別途証券会社を通じて証券取引所で売買注文を行いますので株式投資と同様に売買手数料が必要。

日本人の方が米国上場のETFを買う場合にはドルにする必要がありますので、為替手数料も必要。

それを勘案してもアメリカ上場のETFは手数料面で魅力が高かったのです。

しかし、昨今は多くの投資信託がノーロード(買付手数料無料)になったり、インデックス型の投資信託を中心に信託報酬もかなり引き下げられてきました。

そのため、ETFの手数料面でのメリットはかなり薄らいできているのは事実です。

特にeMAXIS Slim シリーズを中心とした信託報酬値下げ戦争が大きかったですね。

eMAXIS Slim米国株式とVOOの比較

例えばS&P500に投資をする代表的な投資信託とETFで比較してみましょう。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)VOO(ETF)
信託報酬/経費率0.0968%0.03%

どちらもS&P500をベンチマークとした投資信託、ETFなので値動きはほとんど同じです。

手数料部分はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の信託報酬率0.0968%、VOOの経費率が0.03%と大きな差があります。

しかし、VOOの場合には為替手数料、売買手数料等が別途掛かりますので、購入する金額によっては短期的にはeMAXIS Slim米国株式(S&P500)のほうが手数料が安くなるケースが多いでしょう。

ただし、長期で見ると0.0968%と0.03%ですからVOOのほうがトータルのコストは安くなる可能性があります。

ですから投資金額とどのくらいのスパンの投資になるのかという部分でどちらが得なのかは変わってきますね。

どちらにしても元の率がかなり低くなっていますので、投資金額とがよほど大きく無い限りそこまで大きな差はつかないというのが現状です。

取り回しは通常の投資信託の方が優れている

ETFと比べて通常の投資信託の方が優れているのは取り回しにあります。

証券会社によりますが、例えばSBI証券なら投資信託は100円から購入が可能です。

ETFはそのETFによって異なりますが、安くても数ドルくらいから・・となります。

また、投資信託は100円を超えれば1円単位で好きな金額で購入が可能となっていますが、ETFは1単元ごとの購入です、

米国株の投資信託でも日本円で購入が可能な点も含めて購入時の取り回しの部分は圧倒的に通常の投資信託の方にメリットがあるのです。

分配金や分配金再投資に差あり

もう一つ差があるのが配当金(分配金)の話です。

米国上場のETFは多くが分配金を出します。

日本の方が受け取るとアメリカと日本で二重課税となります。

確定申告で外国税額控除を申請すれば、二重課税はある程度軽減可能ですが手間なんですよ。

また、分配金で再投資をしようとするとマネックス証券以外は基本的に手動での手続きが必要です。

一方、日本の投資信託のインデックス型はほとんどが分配金等はありません。
そのため、投資先からの配当等は自動的に再投資されますので楽です。
さらに日本で課税される前に投資されますので複利効果が期待できます。
このあたりはかなり細かい話ですが、金額が大きい方は気になるかもしれませんね。

私は投資信託でいいや。という結論

私の場合は元々アメリカ上場のETFを定期的に購入していました。

しかし、昨今の投資信託の信託報酬の引き下げによりあまりコスト面で差がなくなってきたこともあり、最近の新規の積立は投資信託ばかりですね。

為替や配当再投資のことを考えなくて良かったり、取り回しが良いのがなによりのメリットですね。

金額がかなり大きく、長期で投資をするならまだアメリカ上場のETFにコスト面でメリットはあるのですが・・・

コスト面の差よりも手間暇の部分で投資信託のほうが個人的には好きですね。



まとめ

今回は「米国株ブームで人気となっている「ETF」。投資信託と何が違って何が良いの?」と題してETFと投資信託についてみてきました。

個人的には米国株に投資をする上でETFでも投資信託でもそれほど大きな差がつかなくなっていると感じています。

ですから、リアルタイムでの売買の有無や取り回しの話、コストの話などを加味して選択をするのが良いでしょう。

個人的には前述のように取り回しの方が重要ですから投資信託でよいかな・・ってのが結論ですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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