先日、セゾン投信会長「積立王子」の意見として日本株はインデックス型がよりもアクティブ型が良いというのをご紹介しました。
そこで今回は日本株を対象とした投資信託のインデックス型とアクティブ型どちらが成績が良いのかを確認してみたいと思います。
全体平均を見るとアクティブ型が悪い
アクティブ型といってもかなりたくさんの種類があります。
アクティブ型はその投資方針等により成績も信託報酬率も全然違うんですよ。
そのため、単純な比較はできません。
まず、全体の平均だったらどうなのかを見ていきましょう。
シャープレシオはアクティブ型よりバッシブ型
下記は金融庁の資産運用業高度化プログレスレポート2020というレポートの中で示されたデータとなります。
信託報酬控除後のシャープレシオの比較です。
ちなみにバッシブとインデックス型は多少違いますが、そこまで気にしなくてよい話なので今回は同じものとしてみていきます。
ちょっとわかりにくいですが違いは以下の点です。
- バッシブはベンチマークそのもののリターンの実現を目指す運用方法。
- インデックスは指数(インデックス)のリターンの実現を目指す運用方法。
つまり、インデックスはバッシ部の中に含まれているって感じですね。
出典:金融庁「資産運用業高度化プログレスレポート2020」より
シャープレシオとはリスクに対しての超過リターンを測るもので、この数値が高いほどリスクを取ったときに得られるリターンが高いということがわかる指標です。
つまり、シャープレシオが高いほうが効率よく収益が得やすいということになります。
アクティブ型のシャープレシオ平均は0.2、バッシブ型のシャープレシオ平均は0.4となっています。
つまり、バッシブ型のほうが効率よく収益を上げられていたってことです。
個別でみるとアクティブ型の方が優秀なものも
上記の図でもよく見るとわかりますが、アクティブ型のシャープレシオはかなりバラけています。
つまり、よい投資信託と悪い投資信託が分かれているということなのです。
SBI証券の取り扱い国内株式の投資信託シャープレシオランキング
今回は参考としてSBI証券の取り扱いの国内株式が対象の投資信託のシャープレシオでその辺りを確認してみましょう。
シャープレシオ上位5本は以下です。すべて2021年9月22日現在のデータ(シャープレシオは1年)
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投資信託名 | シャープレシオ | 信託報酬率 |
IPOリサーチ・オープン (愛称:リターン・エース) | 3.25 | 1.804% |
三菱UFJ 日本株オープン「35」 | 3.11 | 1.65% |
よくわかる投資入門ファンド(日本) (愛称:初くん) | 3.03 | 1.98% |
フィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンド (愛称:Jテック+) | 2.99 | 1.65% |
情報エレクトロニクスファンド | 2.93 | 1.65% |
すべて信託報酬が高めの投資信託が並んでいますね。
IPOリサーチ・オープン (愛称:リターン・エース)は直近半年のリターンが20.73%とかなり好成績となっていますね。
それでは逆にシャープレシオが低い投資信託を見てみましょう。
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投資信託名 | シャープレシオ | 信託報酬率 |
日興グローイング・ベンチャーファンド | 0.37 | 2.09% |
SBI小型成長株ファンド ジェイクール (愛称:jcool) | 0.38 | 1.87% |
SBI日本小型成長株選抜ファンド (愛称:センバツ) | 0.40 | 1.485%+実績報酬 |
日本連続増配成長株オープン | 0.49 | 1.584% |
小型株ファンド (愛称:グローイング・アップ) | 0.53 | 1.87% |
こちらも信託報酬が高めの投資信託が並んでいますね。
下位の3つはここ半年のトータルリターンがマイナスとなっているかなり厳しい状況となっています。
SBI小型成長株ファンド ジェイクール (愛称:jcool)なんて一時期人気で発売を止めたこともある投資信託だったんですけどね・・・
インデックス型の投資信託シャープレシオ
インデックス型の投資信託のシャープレシオと比較してみましょう。
インデックス型といってもたくさんありますので人気位の高いeMAXIS Slim シリーズの日本を代表する2つの指標のタイプで確認してみます。(同じ指標のインデックス型ならほぼシャープレシオも同じです)
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投資信託名 | シャープレシオ | 信託報酬率 |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 1.74 | 0.154%以内 |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 1.35 | 0.154%以内 |
2本ともシャープレシオ上位のものと比較すると少し落ちますが、ワーストのものよりはかなり高いです。
ちょうど金融庁の結果のとおりと行った感じですね。
ちなみにリターンはTOPIXが6ヶ月で+6.25%、日経平均は-2.41%でした。
まとめ
今回は「日本株の投資信託はインデックスよりアクティブ型がよいのは本当か?」と題してインデックス型とアクティブ型のどちらの成績が高いのかを見てきました。
まとめると以下の通り。
- 全部の平均で見るとインデックス型(バッシブ)の方が成績が良い
- 個別でみるとアクティブ型のほうが成績が良いものも
つまり、
ってことですね。
セゾン投信やひふみ投信は優秀だった
ちなみに今回の話の発端となったセゾン投信やひふみ投信はやっぱり成績は良かったりします。
これらは純粋な日本株のみへ投資するアクティブファンドではありませんので今まで見てきた話とは比較できませんので参考程度ですけどね。
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投資信託名 | シャープレシオ | 信託報酬率 |
セゾン資産形成の達人 | 2.71 | 1.35%±0.2%程度 |
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 2.46 | 0.57%±0.02%程度 |
ひふみプラス | 1.66 | 1.078%以内 |
ひふみワールド+ | 2.97 | 1.628%以内 |
その自信があるから前述のような発言になっているんでしょうね。
アクテイブ型を選ぶならこの2つの運営会社の商品は候補になるでしょうからチェックしておいてもよいかもしれませんね。
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