億り人続出?NFTで得た税金はどうなるのか?

最近、フェイスブック投稿を見ているとNFTについて語る人が急に増えてきました。

私のフェイスブック友達になっているのが経営コンサルタント、WEB系、マーケッターなど職業柄情報感度が高い人が多いというのもあるのでしょう。

数年前の仮想通貨(暗号資産)ブームを思わせる状況となっています。

ご存知の通り、数年前の暗号資産ブームでは億り人をたくさん産んでいますがNFTもその予感があります。

しかし、暗号資産はその後の大暴落したことによって税金を払えなかった方も多く発生。。。

今回はそんなNFTの税金について考えてみたいと思います。

NFTとは

NFTとはNon-Fungible Tokenの略で日本語に訳すと非代替トークンです。

ちょっとわかりにくいですね笑

簡単に言えば暗号資産に使われているブロックチェーン技術を使って偽造が不可能で鑑定書や証明書がついているデジタルデータです。

デジタルなのにそれが唯一のものとなりますので通常の物と同じく売り買いされているんですよ。

様々なNFTが登場

NFTで大きな話題となったのが、2021年3月に実施されたツイッターの共同創業者でCEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏の最初のツイートをNFT販売です。

オークション形式で販売されたのですが、なんと50.8751669BTCの値が付いたんですよ。

当時のレートに換算すれば291万ドル(日本円で3億1,500万円)・・・

ツイートが販売できるわけですから様々なデジタル作品がNFTで今後販売されていくことになるでしょう。

今NFT化されているのが以下のようなものがありますが、他にもいろいろでてきそうです。

  • アート作品
  • 音楽
  • ゲームアイテム
  • デジタル上の土地
  • ライブチケット

メタバースでも

フェイスブックが会社名を「Meta」と名前を買えてメタバースというデジタルで構築された仮想空間事業に力を入れるとの発表しました。

おそらくメタバース内でも土地やいろいろなものがNFTとして売買されることになるのでしょう。

過去に大きな話題となった「セカンドライフ」というメタバースと似た仮想世界の仕組みが大コケしていますので個人的にはメタバースにはそれほど期待が持てませんが・・・

セカンドライフの土地買った人はどうなったんでしょうかね笑

投資対象として絵画のようになる?

デジタルコンテンツ自体はコピーも簡単ですからあまり価値が付きません。

しかし、NFTになれば偽造もできませんし、複製もできません。

そのため、デジタルコンテンツなのにそれが唯一無二のものとなるのです。

ですから絵画やトレーディングカード、有名人のサインのように物によっては価値が上がる可能性もあるのです。

絵画やトレーディングカード、有名人のサインはファンの方が趣味で収集するケースと投資対象(投機)として購入するケースがあります。

NFTもそうなりそうですね。

しかし、これは簡単ではありません。

目利きが超重要になりそうな予感。

絵画やトレーディングカード、有名人のサインは素人がみてもいくらが付くなんてわかりませんからね・・・

NFTも同様で無価値なものに大金を使うなんてことも多くありそう。

ブームに乗っかって詐欺やマルチ商法も多発しそうな予感があります。

私が口を酸っぱくしていつも書いている

ということに気をつけましょう。

NFTは法律が未整備

今までの話を読むと面白そうと思えるNFT。

しかし、大きなデメリットもあります。

一番大きいのはNFTはまだ法律が未整備であるという点です。

NFT事業者自体が金融庁の規制監査外とされているのです。

そのため、初期の仮想通貨でよくあったような事件や不正が起こりかねない怖さがあります。

仮想通貨では下記のように多くの問題が起こっています。

  • 2014年:「マウントゴックス」ビットコイン盗難事件:被害390億円相当
  • 2016年:「Bitfinex」ビットコイン流出事件:被害73億円相当
  • 2017年:「Nicehash」ビットコイン流出事件:被害76億円相当
  • 2018年:「Coincheck」NEM流出事件:被害589億円相当
  • 2018年:「BitGrai」Nano流出事件:被害204億円相当
  • 2018年:「Zaif」ビットコイン流出事件:被害70億円相当

このような問題が多発したこともあり現在は仮想通貨交換業は登録制となり金融庁が監査しています。

このあたりは怖さがありますね。
NFTを扱う業者は日本にも続々登場していますが、ある程度大手が運営していたり、バックにちゃんとした企業をいる業者をおすすめします。
NFTについて詳しくはこちらの記事でも解説しております。




NFTの税金の取り扱いは未発表

ここ1年くらいで急激に盛り上がってきたNFT。

当然、NFTの売買で利益がでれば所得税等の対象となります。

しかし、まだ税務上の扱いは国税庁が発表したものがありません

ですから実際の税金計算方法などの扱いは判断ができません。

可能性として考えられるのは暗号資産と同じ扱いもしくは絵画などと同じ扱いでしょう。

暗号資産と同じ扱い(雑所得)

まずいちばん有力なのは暗号資産と同じ扱いとなることです。

暗号資産で得た所得は「雑所得」として扱われます。

ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。
出典:国税庁 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係

この雑所得というのはかなり厄介なんですよ。

雑所得が厄介な理由は総合課税となるということです。

つまり、給与所得などの他の所得の金額と合算して総所得金額を求めた後で納める税額を計算することになります。

所得税は、累進課税で、所得が高いほど税率が高く設定されています。

所得金額に応じて、税率が5%から45%まで7段階あります。

以下が所得金額による、税額表です。

所得金額に対して税率をかけ、控除額を差し引いて税額を算出します。

①195万円以下:所得金額x5%
②195万円超330万円以下:所得金額x10% – 97,500円
③330万円超695万円以下:所得金額x20%- 427,500円
④695万円超900万円以下:所得金額x23% – 636,000円
⑤900万円を超1,800万円以下:所得金額x33% – 1,536,000円
⑥1,800万円超4,000万円以下:所得金額x40% – 2,796,000円
⑦4,000万円超:所得金額x45% – 4,796,000円

損益通算できない

また、雑所得は損益通算ができません。

損益通算とは他の所得との相殺のことです。

例えば暗号資産で大きな利益がでて、事業で大きな損失がでたとしましょう。

しかし、損益通算できませんので暗号資産の利益分の税金そのまま支払う必要があるのです。

ちなみに雑所得どうしの損益通算はできます。

いくつかの暗号資産取引所でそれぞれ利益と損失が出ていた場合などは合算して考えることができます。

損失の繰越もできない

また、雑所得は損失の繰越控除もできません。

繰越控除とは今年損失がでたので来年の利益以降の利益と相殺しようという考え方です。

今年の損失はそこで終わり。来年利益がでたらその分の税金を払ってくださいとなります。

株などは繰越控除が可能となっていますが、雑所得はそれができないんですよ。

2017年ころには仮想通貨で億り人が大量に発生しましたが、翌年に大暴落したなんてこともありました。

年度毎の波は大きいですから繰越控除ができないのは大きいですね。

絵画などと同じ扱い(譲渡所得)

もう一つ考えられるのが絵画などの物と同じ扱いとなることです。

絵画は「譲渡所得」という扱いで税金が計算されます

譲渡所得の金額 = 譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)-50万円

50万円を引かれているのは特別控除額です。

また、こちらも総合課税となりますので他の所得と合算して税金を計算します。

なお、5年以上の長期保有の場合は他の所得と合算するときに1/2が課税対象と軽減されます。

計算方法や条件などは雑所得とそれほど変わりませんが、特別控除額と長期保有の軽減がある分だけ譲渡所得になったほうが有利ですね。

ちなみに絵画の場合は価額30万円までは課税されません。

事業として売買した場合(事業所得)

もし、事業としてNFTの売買をしていれば事業所得として扱われる可能性も。

ただし、NFTの売買を事業として認められるハードルは結構高そうではあります。

これは暗号資産でも同じですね。



まとめ

今回は「億り人続出?NFTで得た税金はどうなるのか?」と題してNFTの税金について考えてみました。

まだ国税庁として発表したものがありませんので推測でしかありませんがこの辺りも配慮して売買したいものです。

2017年ころの仮想通貨も同様な状況で億り人が多発しましたが、その後の暴落で納税資金がなく困った方も多かったようですしね。

また、もしNFTを始めるなら慎重に検討してください。

前述したようにNFTはまだ黎明期で法律もまともに定まっていません。

ですからNFTを買うときはある程度大手が運営していたり、バックにちゃんとした企業をいる業者をおすすめします。

コインチェックなどは流出が起きた時も全額補償してましたし、マネックス証券のマネックスグループがバックについていますので安心かもしれません。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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