令和4年分(令和5年申告)の確定申告をe-Taxで完了。変更内容等を解説

自宅で確定申告ができるe-Tax(電子申告)が年々便利になっています。

私もe-Taxを10年近くやってきて実感していますが、少しずつ進歩してますね。

昔はいろいろとトラブル(とくにMacとの相性問題など)があり大変だったんですよ。

それが令和3年分(令和4年申告)くらいからマイナンバーカードをスマホで読み取りできるようになりかなり簡単となっています。
今回は実際に令和4年分(令和5年申告)の確定申告をe-Taxで終えた私が、実際に触って分かった変更内容等を解説していきます。

確定申告書の変更

まずいちばんわかりやすい変更点が確定申告書が一部変更されたことでしょう。

確定申告書の種類が一本化

今までは、所得の種類が「給与所得」「雑所得」「配当所得」「一時所得」の人が使用する確定申告書Aとそれ以外の人が利用する確定申告書Bがありましたが、確定申告書Bの形式に一本化されました。

確定申告書Aとは簡易的な申告書であったため、かける内容に制限がありました。

それが全部書く欄がある確定申告書Bに統一したってことですね。

ですから今まで確定申告書Aで確定申告をしていた方には違和感はあるでしょう。

とはいえ書くべき内容はおなじですから難易度があがるというわけではありません。

書ける欄が触れただけで関係ない項目は書かなくても良いわけですからね。

ぱっと見大きな変更なので戸惑う方も見えると思いますが。。。

それに伴いe-Taxをやる際に使用する方が多い国税庁の「確定申告書作成コーナー」での選択項目も変わっていますのでお気をつけください。(「給与所得」「雑所得」「配当所得」「一時所得」の方・・・という選択がなくなった)

修正申告欄が追加

今回の統一に絡んでだと思いますが、確定申告後に修正が必要になったときに行う修正申告もこちらのフォーマットでできるようになりました。

それにより修正申告欄が追加されています。

修正申告欄が追加

出典:国税庁 申告書第一表・第二表【令和4年分以降用】より

通常の確定申告の場合は使わない欄ですので無視して大丈夫です。

公金受取口座欄が追加

さらに還付の際などの受け取り口座の選択に公金受取口座の利用ができるようになりました。

公金受取口座の同意欄

出典:国税庁 申告書第一表・第二表【令和4年分以降用】より

すでに公金受取口座に登録してある方は「公金受取口座の利用」を選択。

していない方は口座情報とともに「公金受取口座登録の同意」を選択すれば登録されます。

公金受取口座のについて詳しくはこちらの記事で解説しております。

収支内訳書が雑所得の方でも必要に

白色申告書の方で事業所得や不動産所得の方は確定申告と一緒に収支内訳書の添付が必要でした。

それがその年の前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円を超える雑所得の方も必要になったのです。

つまり、2年前の売上が1,000万円を超えてたら必要ってことですね。

収支内訳書のフォーマットは変わっていませんが、下記のように選択する項目が追加されました。

雑所得の方は雑(業)に丸をつけます。

収支内訳書雑所得

出典:国税庁 収支内訳書(一般用)【令和4年分以降用】より

これは雑所得を使って税制優遇や節税策を利用するために副業で赤字を出して・・・って方が結構いたり、持続化給付金の詐欺が多発したことが大きそうです。

こんな本まで出ていたりします。

副業も簡単にできるようになっていますしね。

そのため雑所得の扱いも厳しくなったのです。

さらに雑所得は今まで公的年金とそれ以外という括りしかありませんでしたが、確定申告書でも業務という項目が増え三項目からの選択となりました。

雑所得区分

出典:国税庁 申告書第一表・第二表【令和4年分以降用】より

国税庁が考える雑所得の線引

ちなみに国税庁では事業所得と雑所得の線引はこんなイメージで考えているようです。

会社員の副業の事業所得の判断

出典:国税庁 法第 35 条((雑所得))関係

事業所得と雑所得の違いなど詳しくはこちらの記事を御覧ください




社会保険料控除等の添付書類の電子送信が可能に

次は添付書類の話です。

e-Taxでは省略可能な添付書類が多いですが、紙で印刷して提出する場合は添付が必要な書類がそれなりにあります。

それらを紙ではなく「電子データ」で提供できるようになっています。

それが令和4年分(令和5年申告)の確定申告から適用範囲が広がったのです。

電子データで送信が可能となった書類

一方、紙で提出する場合は上記書類も提出が必要なんですよ。

それが紙ではなく、電子データでも送信がすでに生命保険料やふるさと納税など一部が可能となっていたのですが、その範囲が下記にも広がりました。

  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除

ただし、当然電子データを控除証明書の発行者から電子データで受け取る(マイナポータルの連携など)必要がありますのでご注意ください。

例えば日本年金機構はすでに対応しておりますが、下記の手続きが必要です。

・マイナポータルから「ねんきんネット」の利用登録

・「ねんきんネット」での電子送付希望の登録

・マイナポータルで通知書の受け取り

なお、ルール上は小規模企業共済等掛金控除(イデコや小規模企業共済)も対象となっているようですが、その案内が各社見当たらないのでまだシステム面で対応していないのかもしれません。

e-Taxの場合、提出を省略できる書類

ちなみにe-Tax(電子申告)の場合は下記の書類は添付が不要です。

このあたりからしてもe-Taxを使ったほうが楽なんですよね。

  •  給与所得者の特定支出の控除の特例に係る支出の証明書
  •  個人の外国税額控除に係る証明書
  •  雑損控除の証明書
  •  医療費通知(医療費のお知らせ)(注1)
  •  医療費に係る使用証明書等(おむつ証明書など)
  •  セルフメディケーション税制に係る一定の取組を行ったことを明らかにする書類(注2)
  •  社会保険料控除の証明書
  •  小規模企業共済等掛金控除の証明書
  •  生命保険料控除の証明書
  •  地震保険料控除の証明書
  •  寄附金控除の証明書
  •  勤労学生控除の証明書
  •  住宅借入金等特別控除に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
  •  特定増改築等住宅借入金等特別控除(バリアフリー改修工事)に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
  •  特定増改築等住宅借入金等特別控除(省エネ改修工事等)に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
  •  特定増改築等住宅借入金等特別控除(多世帯同居改修工事)に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
  •  政党等寄附金特別控除の証明書
  •  認定NPO法人寄附金特別控除の証明書
  •  公益社団法人等寄附金特別控除の証明書
  •  特定震災指定寄附金特別控除の証明書

出典:e-Tax 所得税及び復興特別所得税についてよくある質問 より




まとめ

今回は「令和4年分(令和5年申告)の確定申告をe-Taxで完了。変更内容等を解説」と題して確定申告の変更内容を見てきました。

年々使いやすく進化していますし、利便性は高いですからまだe-Taxを利用したこと無い方はそろそろ重い腰をあげてみてはいかがでしょうか?

また、確定申告って難しそうですが、普段からちゃんと処理してればすぐに終わるレベルのものなんですよ。

私はマネーフォワードで日々ちゃんと処理しているのもあり、今年は受付スタート日に終える事ができましたね。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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