10年目のe-TAX(電子申告)完了。10年e-TAXを利用して感じたメリット・デメリット

2020年(令和2年)確定申告の提出を完了させました。

確定申告は10年目となりますが、後述する罠に引っかかってしまった年以外は電子申告(e-TAX)で行っています。

MACを使っていることもあり、不具合やトラブルも多くなかなか面倒なんですが、意地で電子申告(e-TAX)を利用してきた感じですね。

ここ数年はMAC関連のトラブルも減ってきており、だいぶ楽にはなっていますね。

それでもまだまだデメリットもあります。

今回は10年間e-TAXを利用してきた私がメリット・デメリットを語ります。

これからe-TAX(電子申告)を始めようか?って方の参考になれば幸いです。

e-TAX(電子申告)のメリット

まずはe-TAX(電子申告)のメリットから見ていきましょう。

控除が増える(税金が減る)

まずは青色申告特別控除を受けている方限定ですが、控除が増える(現状維持できる)というメリットがあります。

2020年(令和2年)の確定申告が青色申告特別控除のルールが少々変わったのです。

65万円→55万円

10万円青色申告特別控除が減ってしまうんですね。

しかし、青色申告特別控除55万円を受ける方が、e-Taxによる申告(電子申告)もしくは電子帳簿保存をすると今までどうり65万円控除とされます。

つまり、e-TAXをすることで10万円分控除が増えるってことですね。

このルール改正と直接は関係ないと思いますが、同じタイミングから基礎控除額が変わります。

基礎控除額とは全員一律に受けられる控除のことで以下のように引き上げられたのです。

38万円→48万円
そのため、実質的に青色申告特別控除対象者でe-TAX(電子申告)している人は10万円控除が増えたってことです。
控除が増えれば当然に税金が減りますので大きなメリットと言えるでしょう。
なお、減る税金はその人の所得により異なります。
税金が減るのは直接のわかりやすいメリットですね。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。

過去には税額控除があった年も

e-TAX(電子申告)の普及が進んでいない時期もe-TAXで申告するとICカードリーダーが買いやすいように5,000円の税額控除してくれた時期もありましたね。
カードリーダーは数千円ですからお釣りが来るんですよ。
平成19年分又は平成20年分のいずれか1回でしたね。
それによりe-TAXの普及が一気に進んだという話もあります。
今回の10万円控除が違うという話でもe-TAXの普及が進みそうな予感。
ちなみに私も税額控除につられてe-TAX(電子申告)をはじめた口です。
そのころは会社員でしたが副業収入や株の関係なんかもあり、申告が必要だったんですよ。

税務署に行かなくてもよい

もう一つのメリットが税務署に出向かなくて良いということでしょう。
2021年は新型コロナウィルスの蔓延していることもあり、気軽に税務署に行ける状況でもありません。
その点、e-TAX(電子申告)を使えばいかなくても良いですから、移動時間が少なくなりますし、感染リスクも減りますからメリットといえるでしょう。
ちなみに2021年の確定申告時の税務署は下記記事のように予め入場整理券が必要となっています。

添付書類を省略できる

また、添付書類を省略できるのもメリットです。

以下の第三者が作成した書類は記載内容を入力するだけで原本の提出は省略可能なのです。(保存しておく必要はあり)

  •  給与所得者の特定支出の控除の特例に係る支出の証明書
  •  個人の外国税額控除に係る証明書
  •  雑損控除の証明書
  •  医療費の領収書、セルフメディケーション税制の医薬品購入の領収書、一定の取組を明らかにする書類
  •  医療費に係る使用証明書等(おむつ証明書など)
  •  社会保険料控除の証明書
  •  小規模企業共済等掛金控除の証明書
  •  生命保険料控除の証明書
  •  地震保険料控除の証明書
  •  寄附金控除の証明書
  •  勤労学生控除の証明書
  •  住宅借入金等特別控除に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
  •  特定増改築等住宅借入金等特別控除(バリアフリー改修工事)に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
  •  特定増改築等住宅借入金等特別控除(省エネ改修工事等)に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
  •  特定増改築等住宅借入金等特別控除(多世帯同居改修工事)に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
  •  政党等寄附金特別控除の証明書
  •  認定NPO法人寄附金特別控除の証明書
  •  公益社団法人等寄附金特別控除の証明書
  •  特定震災指定寄附金特別控除の証明書
  •  給与所得、退職所得及び公的年金等の源泉徴収票
  •  オープン型の証券投資信託の収益の分配の支払通知書、配当等とみなされる金額の支払通知書、上場株式配当等の支払通知書
  •  特定口座年間取引報告書

出典:国税電子申告・納税システム Q&Aより

ちなみに上記に記載のない源泉徴収票は2019年4月以降、紙での提出の方も添付は不要です。

ただし、私が2020年にハマったように罠があるケースもありますのでよく確認しておきましょうね。

手間暇が少ない場合も・・・

もう一つが手間暇が少なくなる場合もあるってことです。

ちょっと微妙な書き方をしているのは、私がe-TAX(電子申告)をした10回くらいのうち、半分以上は紙で印刷して郵送した方が手間が少なかっただろうな・・・て思うからです。

提出段階でいろいろなトラブルがあり、その都度かなり時間を掛けて対応してたんですよ。

MACでの提出がどうしても駄目で結局MACで仮想Windows立ち上げてそちら経由で提出したことも何回もありますし、パスワードリセットのために市役所に出向いたことも2回あります。

ちなみにMACで仮想Windows立ち上げて確定申告する方法はこちらの記事を御覧ください。

直近では2018年分の申告をした際に使いましたね。

Windowsだとトラブルがなく、すんなり送れるのでびっくりします。

最近はMAC関連の相性も少しましとなってきましたので、おそらく紙で提出するよりは手間暇が少なくなっていると思いますが・・・

還付が早い

納めすぎた所得税が戻ってくる予定のある方にはもう一つメリットがあります。

それはe-TAXを利用した方が還付が早く行われるってことです。

あくまで目安ですが、還付は申告してからだいたい下記の日程が掛かるとのこと。(確定申告時期)

書面による申告:1ヶ月〜1ヶ月半程度
e-Tax(電子申告):3週間程度

少し、e-Tax(電子申告)でやったほうが早いんですね。

税務署側でも処理が楽なのでしょう。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

e-TAX(電子申告)のデメリット

次にデメリットです。

だいぶ減ってきましたがまだまだデメリットがあります。

パスワード、暗証番号の扱い

まず、個人的に2回ハマった罠がパスワード、暗証番号の扱いです。

何種類もパスワードや暗証番号があり、どれを使うかしっかり理解していないと市役所に出向いてリセットをする必要がでてくるのです。

暗証番号は3回間違えるとロックされて使えなくなってしまうのです。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

私が実際にパスワードの入力を間違えたときの反省点から書いた記事となります。

この記事を書いて以降は間違えていませんね笑

電子証明書の扱い

もう一つが電子証明書の扱いです。

まず、電子証明書は5年更新なんですよ。

マイナンバーカードは10年更新ですから途中で1度更新が必要となります。

更新は市役所に行く必要がありますので手間が生じます。

また、意外な盲点として住所や氏名(結婚などで)が変わると電子証明書は無効とされますので再度の更新が必要となる点もあります。

私はそれで失敗してe-TAXの送信は成功したものの、税務署から電話かかってきて再度紙で郵送する羽目になったんですよ。

無効となった電子証明書でも普通に送信は出来て完了したのですが、税務署側でエラーが出てしまうという。

ちょうど住基カードからマイナンバーカードに切り替わるタイミングの時期で、マイナンバーカードの作成が間に合わないので仕方無しにその年だけ紙で提出しました・・・

ちなみに住所変更するときに電子申告の電子署名は大丈夫なのか?ちゃんと市役所の職員に確認してたんですけど騙されましたね笑

マイナンバーカードなど事前準備が必要

次はそこまでのデメリットではありませんが、マイナンバーカード及びそれを読み取るためのICカードリーダーもしくはマイナンバーカード読取対応のスマートフォンが必要となる点です。※令和3年分(令和4年申告)からICカードリーダーがなくても送信できるようになっています。

マイナンバーカードは作成まで少し時間が掛かりますのであらかじめ用意しておく必要がありますね。

マイナンバーカード読取に関して詳しくはこちらの記事を御覧ください。

ID・パスワード方式なら不要

なお、マイナンバーカードをもっていない方向けの「ID・パスワード方式」なら双方ともなくてもOKです。

e-Tax方法

出典:国税庁 「令和2年分確定申告における感染症対策について」より

ただし、税務署に申請してID・パスワードを予めもらっておく必要があります。

トラブルが多い

最後は最大のデメリット。

トラブルが本当に多いことです。

そのため、ある程度PCに詳しい人じゃないと挫折してしまうかもしれません。

また、e-TAX(電子申告)は推奨環境がかなり微妙でそれ以外だとなかなか動かないんですよ。

Windowsでも今回から「Google Chrome」「Microsoft Edge」で動くようになりましたが、それまでは「Internet Explorer」というかなり古いブラウザしか駄目でした。

MACだと最新OSや最新バージョンのブラウザも対象外だったりして実際に動かないケースも多かったですね。

ただし、ここ2年ほどはMACでもすんなりe-TAX(電子申告)できていますので今後はこのようなトラブルは大丈夫と思いたいところですが・・・

まとめ

今回は「10年目のe-TAX完了。10年e-TAXを利用して感じたメリット・デメリット」と題してe-TAXについて見てきました。

いろいろ書きましたが、以前と比べてe-TAXは格段に使い勝手が良くなっています。

今年の申告分から税金額へも影響がありますので、ぜひこれを機会にe-TAXを利用してみてくださいね。

なお、e-TAX以前の話で確定申告は事前準備をどれだけしているかで難易度がかなり変わります。

確定申告は事前準備しておくと驚くほど簡単

確定申告は事前準備をどれくらいしているかで難易度が異なります。

ちゃんと事前準備さえしておけば驚くほど簡単なんですよ。

ちなみに私の場合は確定申告までの流れはこんな感じでしています。

○日々の会計処理をマネーフォワードクラウドで行う。
○マネーフォワードクラウドで決算書まで作る。(青色申告なので貸借対照表と損益計算書など)
○国税庁の確定申告書作成コーナーで決算書データ、控除などなどを入力
○マイナンバーカード+ICカードリーダーで電子申告(e-TAX)

この流れで事前準備しておけば郵送されてくる書類が揃う1月末ころには準備が完了しているはずです。

なお、クラウド会計(私はマネーフォワードを使っています)を使うと銀行口座を通しての取引やクレジットカードを使った取引などは基本的に自動で仕訳処理を行ってくれるのでかなり簡単ですからおすすめです。

ただし、マネーフォワードクラウドの場合、MACからの直接の電子申告(e-Tax)や消費税の申告書の作成が今の所できません。

そのためマネーフォワード側で確定申告書を作成するのではなく、決算書まで作ったらそれを見ながら国税庁の確定申告書作成コーナーで入力するようにしています。

国税庁の確定申告書作成コーナーは意外と使いやすいんですよ。

詳しくはこちらを御覧ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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