以前お伝えした「こどもみらい住宅支援事業」の予算が想定よりかなり早く終了したことに伴う「こどもみらい難民」問題。
国土交通省が後継補助金の「こどもエコすまい支援事業」の要件の見直しを発表したことで大半の方は救済されました。
私もその対象となっていたのですが、先日なぜかハウスメーカーから3月末までに100万円追加で払えとの連絡が・・・
同じことになって悩んでいる方もみえるでしょうから、今回はこどもみらい難民からこどもエコすまいで救済されたのに100万円請求された件について解説しておきましょう。
こどもみらい難民からこどもエコすまいで救済まで流れを解説
まず、今回の話は前提がわからないと少々ややこしいので、まずはこどもみらい難民からこどもエコすまいで救済された話を簡単に解説しておきましょう。
こどもみらい住宅支援の予算が早期終了
まず、条件を満たした住宅を購入した方に最大100万円を補助する「こどもみらい支援事業」という補助金がありました。
しかし、利用者が想定よりも多く2022年11月28日に提出された申請を最後に予算上限額に到達してしまったんですよ。
本来の締切は2023年3月31日でしたから、かなり早くに終了してしまったのがわかりますね。
うちも11月20日ころに営業と話したときには大丈夫でしょう。
間に合いますよってって感じだったのですが急激な予算消化で・・・。
ここまではよくある予算が間に合わなかったというだけの話です。
後継のこどもエコすまい支援事業で狭間が発生
問題はここからです。
「こどもみらい支援事業」とかなり似た後継の「こどもエコすまい支援事業」で制限があったため、「こどもみらい支援事業」で難民となった方は「こどもエコすまい支援事業」が受けられない事態となってしまったんです。
「こどもみらい支援事業」の早期終了を考えず制度設計してしまったのでしょう。
しかし、隣に新たな列ができてほぼ同じ商品を売り出し。
元の行列に並んでいた人は対象外
こどもエコすまい支援事業の条件緩和
多くの方がこどもみらい難民となってしまったこともあり、一部新聞が取り上げたり、ツイッターでデモをしたり、国会議員に陳情する人がいたりしてこの件が大きく動きました。
それにより国土交通省が後継補助金の「こどもエコすまい支援事業」の要件の見直しを発表したのです。
多くのこどもみらい難民がこれで救済されて「こどもエコすまい支援事業」を受けられることになりました。(建売の方などは難民のままとなっていますが・・・)
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
ハウスメーカーから100万円払えとの連絡
私もこどもみらい難民から救済されて「こどもエコすまい支援事業」の対象となるはずです。
しかし、先日契約しているハウスメーカーから3月末までに100万円追加で払えとの連絡が入ったのです。
これは何故なのでしょう。
この話もちょっとややこしいので順番に解説をしていきましょう。
こどもみらいやこどもエコすまいはハウスメーカーに入金される補助金
まず「こどもみらい」や「こどもエコすまい」は手続きはもちろん、入金もハウスメーカーにされる仕組みの補助金となっています。
基本的にはハウスメーカーが手続きを行い、補助金を受け取り、工事請負金額からその補助金分を値引きをする形で施主側に還元します。
または工事請負金額はそのままで、入金された金額をハウスメーカーから振り込む形で施主に還元をするという形となります。
前者が原則なので多くのハウスメーカーはそうしていると思います。
うちもそうでした。
こどもみらいが終了してややこしく
「こどもみらい」の予算が終了して少々ややこしくなってしまいました。
うちの場合は工事請負金額からすでに支払い済みの金額、こどもみらい充当分100万円を引いたものが引き渡し時の最終支払金額となっていました。
しかし、「こどもみらい」の予算が終了したので、こどもみらい充当分100万円が宙に浮いた感じとなってしまったのです。
つまり、ハウスメーカーからすれば100万円分最終支払金額に増やしてもらうか、その前に100万円払って貰う必要が出てきたのです。
ハウスメーカーによってはその100万円分を払えと施主に要求して精算まで済ましたところもあると聞いていますし、値引きで対応した工務店や大手ハウスメーカーでも住友林業などのように当初からこどもみらいの予算終了に間に合わなかったらうちで持ちますというキャンペーンを打っていたところもあります。
ちなみに私が利用しているハウスメーカーは様子見をしていたのか、この件については一切連絡なく・・・・宙ぶらりんのままでした。
さらにこどもエコすまいで救済で混乱
その後、こどもエコすまいで救済されることになりさらにややこしくなります。
すでに精算したところ、値引きで処理をしたところはこどもエコすまいが救済されたことでダブってしまうことになります。(その後の対応は不明)
うちの場合は宙ぶらりんのままでしたので
- お支払い条件変更覚書を交わす
- こどもみらい充当分100万円を3月末までに振り込み(追加請求)
- こどもエコすまいの入金後に100万円を振り込みで返金予定
お支払い条件変更覚書では支払い条件を変更して、こどもみらい充当分100万円は現金で支払う形に変更となったものとなっています。
つまり、一旦こちらが100万円をハウスメーカーに支払い。
ハウスメーカーはこどもエコすまいの入金を確認次第、100万円を後日返してくれるというのです。
こちらとしてはこどもエコすまいがちゃんと入金いただけるなら、少し手間が増えるのと先にお金がでていくくらいではありますが・・・
なぜこんなややこしいことをしているのか
普通に考えれば、こどもみらい充当分100万円をこどもエコすまい充当分100万円にすれば済む話だと思うでしょう。
しかし、お支払い条件変更覚書の作成で印紙代をはらったり、振込手数料を掛けてでもこのようなややこしいやり方をしているのです。
なお、営業にはかなり突っ込んで聞いたんですが、営業レベルでは理由まではぜんぜん理解していませんでした。
これは2つの要素があると予想します。(あくまで私の予想)
リスクを取りたくない
私が利用しているハウスメーカーはかなり大手なので社内のルールやリスク管理がしっかりしています。(良くも悪くも)
そのため、会社としてのリスク回避という要素がまず考えられます。
ハウスメーカーから見た場合に一番避けなければならないのが、100万円をとりそこねるってところです。
例えばこどもみらい充当分100万円をこどもエコすまい充当分100万円にしたのに、こどもエコすまいが予算終了やなにらかの事情でもらえないということもありえます。
その時点で物件を引き渡し済みだったりすれば、施主側と揉めて100万円取れない可能性が高いでしょう。
そうなることを避けるというのがまず予想される理由です。
会計上の理由
もう一つが会計上の理由です。
「こどもエコみらい」は3月末受付開始なんですよ。
そのため、補助金が下りることが確定するのは5月〜6月くらいになりそうとのこと。
補助金は支給決定通知書等の書類が来て支給が確定しないと会計処理が基本的にできません。
例えばすでに引き渡しが終わっていてエコすまい充当分100万円という処理をしていたとすると、その支給決定が下りるまでは引き渡しが済んだのに売掛金(完成工事未収入金 )として残ってしまう形となります。
そういった状況になるのを避けたかったというのも予想できます。
売掛金(完成工事未収入金 )として期末に残っていれば、理由はどうあれ貸倒引当金を積めと監査法人から指摘されるでしょうしね。
こどもエコの条件のZEH対応がほとんどできている大手では、年間戸建て件数の2割近い方がこどもみらい難民になっているという情報もありました。
1件100万円の補助金ですから会計上のインパクトも大きいですからね・・・
会計の数字が悪化を避けたかったということです。
3月末までに払えっていうあたりも信憑性あります。
これも会計処理が厳しい上場企業ならでは。。。って部分でしょう。
9月時点でまだ未入金
ちなみに9月10日時点ではまたハウスメーカーからの入金はありません。
ただし、すでに6月にこどもエコすまい支援事業事務局より交付決定の連絡がありました。
また、9月28日付でハウスメーカーに補助金を振込する予定である「こどもエコすまい支援事業振込確定のおしらせ」は届いています。
ハウスメーカー側からはなにも連絡がありませんが・・・
まとめ
今回は「ハウスメーカーから100万円払えとの連絡。こどもみらい難民からこどもエコすまいで救済されたのになぜ?」と題してこどもみらい難民からこどもエコすまいで救済されたのに100万円を請求された話を見てきました。
こどもみらい難民の件でハウスメーカーごとの対応がかなり分かれました。
ハウスメーカーを選ぶ際の参考になりますので、対応を調べてみてもよいかもしれませんね。
私が利用している大手ハウスメーカーは良くも悪くも自社を完全に優先。
リスクは一切うちでは取りませんってスタイルです。
金額が入ってない白紙の契約書に実印を押させようとしたくらいです。
一番長生きしそうな会社方針ではありますが、施主側としてどうなんだろうって思うところもありますね。
元経理としては大手ハウスメーカーの経理なのか法務なのかの気持ちもわかるんですけどね・・・。
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