楽天銀行が4月13日IPO(新規株式上場)へ。ブックビルディングに参加すべき?

IPO業界で大きな話題となりそうなニュースが入ってきました。

「楽天銀行」のIPO(新規株式上場)です。

ネット銀行ではライバルの「住信SBIネット銀行」が2023年3月29日に上場しますが、それに次いでとなります。

今回は楽天銀行のIPOについて考えてみます。

大型の新規上場株(IPO)は美味しい?

本サイト「お金に生きる」でもIPO(新規上場株式)は美味しいよってお話をさせていただいております。

しかし、IPOには大きな弱点というか全員が儲かるわけでもない理由があります。

それは応募が殺到してなかなか当たらないことです。

実際、2022年に私がかなり多くの証券会社から大半の銘柄に応募して当選したのはこれだけです。

そんなIPOですが定期的に大きなボーナスステージがあります。

それは大型上場です。

大型の場合には当選確率がかなり高くなるのです。

楽天銀行はそんな美味しいIPOになる確率がありそうなんですよ。

ここ数年だと日本郵政、JR九州(九州旅客鉄道)、LINE、佐川急便(SGホールディングス)、メルカリ、ソフトバンク(携帯電話)などが大型で注目されましたね。

これら大型のIPOの場合には応募した方のうちかなりの割合の方が1枚もしくは複数枚当選したと思います。

具体的に過去の大きな新規上場の成績も見ておきましょう。

過去の大きな規模の新規公開株式公開(IPO)はどうだったのか

直近の時価総額が大きく注目度が高かったIPO銘柄の公募価格と初値を見てみましょう。

住信SBIネット銀行(7163)

ネット銀行初の上場となった住信SBIネット銀行。

楽天銀行とタイミングも似ていますから参考になりそうです。

想定価格(1,260円)時の吸収価格600億円でしたが、BBの結果下限の1,200円での上場となりました。

それにより吸収価格は582億円。

海外での金融不安が露呈していた最悪のタイミングでしたが、公開価格は1,200円に対して初値は1,222円と1.8%のプラスでした。

楽天銀行にとっては良い材料となっていますね。

ソフトバンク(9434)

ソフトバンクグループの携帯電話部門ソフトバンクです。

吸収価格71,807億円、時価総額は71,807億円と過去最大規模の上場となっています。

公開価格は1,500円に対して初値は1,463円と2.5%のマイナスでした。

ただし、上場後に1,500円は超えていましたのでそれほど損をした方は多くないと思われます。

メルカリ(4385)

フリマアプリのメルカリです。

公開価格は3,000円に対して初値は5,000円で66.7%のプラスでした。

吸収金額3,315億円、時価総額4,059億円でした。

公募価格が3,000円(1単位30万円)でした。

それが上場で始めてついた株価(初値)は5000円(1単位50万円)。

抽選に当選していれば公募価格の30万円で買え、すぐに売っていれば50万円になったということになります

つまり、これだけで20万円の利益がでたことになります。

かなり高い当選確率で20万円の利益は美味しいですよね。

SGホールディングス(9143)

佐川急便を運営する会社です。2017年最大の新規公開株式公開(IPO)でした

吸収金額1,276億円、時価総額5,187億円でした。

公開価格は1,620円に対して初値は1,900円で17.3%のプラスでした。

九州旅客鉄道(9142)

JR九州です。

吸収金額4,160億円、時価総額4,160億円でした。

公開価格は2,600円に対して初値は3,100円で19.2%のプラスでした。

LINE(3938)

みなさんご存知LINEです。

吸収金額1,328億円、時価総額6,920億円でした。

公開価格は3,300円に対して初値は4,900円で48.5%のプラスでした。

こちらも初値はかなり高く付きましたね。

日本郵政(6178)

吸収金額6,930億円、時価総額63,000億円でした。

公開価格は1,400円に対して初値は1,631円で16.5%のプラスでした。

かんぽ生命保険(7181)

吸収金額1,452億円、時価総額13,200億円でした。

公開価格は2,200円に対して初値は2,929円で33.1%のプラスでした。

ゆうちょ銀行(7182)

吸収金額5,980億円、時価総額65,250億円でした。

公開価格は1,450円に対して初値は1,680円で15.9%のプラスでした



楽天銀行のIPOは買い?

大型銘柄はチャンスであることは確かなのですが、楽天銀行単独として考えた場合は買いなのでしょうか?

楽天銀行の概要

楽天行とは楽天グループが運営するネットバンクです。

2023年2月末時点で口座数13,623千口座、預金残高88,823億円とかなりの規模を誇ります。

店舗やATMはありませんが、近くのコンビニATMで24時間365日利用できたり、ハッピープログラムに登録すれば最大で月7回までATM手数料無料。

さらには他行振込手数料が最大月3回まで無料など利便性が高いことでも有名です。

さらに楽天証券など楽天グループとの親和性が高いことでポイントが貯まったり、普通預金の金利の一般の銀行と比較してかなり高くなっています。

つまり、会社として魅力が高いんですよ。

業績も直近(2022年3月決算)で売上106,026百万円、経常利益27,909百万円、当期利益20,039百万円と悪くはありません。

ただし、微妙な点が2つあります。

銀行セクターが不安定

まず、一つは外部環境です。

シリコンバレー銀行やクレディスイスの問題があり銀行セクターがかなり弱いんですよ。

楽天銀行の直接のライバルであろう「住信SBIネット銀行」が2023年3月29日に上場しますが、仮条件1,200円〜1,260円で下限の1,200円で公開価格が決定しています。

それだけブックビルディングの需要がなかったってことなんですよ。

住信SBIネット銀行も業績は悪くありません。

実際、上場日にいくらが付くのかはわかりませんが、かなりの逆風逆風吹いている中での上場となっています。

楽天銀行も同じでしょうから上場するタイミングがかなり悪いとも言えなくもないのです。

楽天グループへの不安

もう一つは楽天グループへの不安感です。

楽天銀行や楽天証券の業績は悪くありませんが、楽天モバイルが足を引っ張っており、楽天グループ全体としてはかなり厳しい状況となっています。

そのため、楽天経済圏では改悪続きなんですよ。

そこは楽天銀行のIPOでも懸念されそうですね。

住信SBIネット銀行の状況を観察しよう

また、同じネット銀行である住信SBIネット銀行の初値がどうなるかが注目ですね。
それにより楽天銀行がどうなるかはある程度見てきそう。
楽天銀行のブックビルディング期間は2023/04/05 (水) ~と住信SBIネット銀行の上場日(2023/3/29)以後ですしね。
住信SBIネット銀行が公募割れするようだと楽天銀行もかなり厳しそうです。
逆に住信SBIネット銀行が強ければ楽天銀行にも追い風となりそう。



楽天銀行株をゲットするための対策は?

懸念材料もありますが、楽天銀行をゲットしたい方向けに対策をご紹介しましょう

主幹事を狙おう

楽天銀行のIPOの主幹事は以下の通り。

主幹事:大和証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
幹事:松井証券、楽天証券、マネックス証券、野村證券、SMBC日興証券、みずほ証券、ゴールドマン・サックス証券
基本的には配分の多い主幹事の野村証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が最も狙い目でしょう。
グループ企業の楽天証券も扱いが多くなるかもしれませんね。
楽天銀行のIPOは規模もそれなりに大きいですから、幹事でもそれなりの当選確率がありそうです。
ちなみに多くのIPOの幹事をやっているライバルのSBI証券は幹事にも入ってないんですね。
それぞれ証券会社の特徴はこちらの記事を御覧ください。




まとめ

今回は「楽天銀行が4月13日IPO(新規株式上場)へ。ブックビルディングに参加すべき?」と題して楽天銀行のIPOについてみてきました。

まとめると以下のとおりです。

・過去の大型IPOは当選確率も高く多くはプラスとなっている
・楽天銀行を取り巻く環境的には逆風が強い
・大和証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券が狙い目
・住信SBIネット銀行がどうなるか注目
また、今回の楽天銀行が上場するとなると親子上場となる点はおさえておく必要があるでしょうね。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
コシダカホールディングスのカーブスはこれを回避するために「スピンオフIPO」としましたね。

お知らせ:You Tubeはじめました。

You Tube「お金に生きるチャンネル」をはじめました。

You Tubeでも少しでも皆様のお役に立てる動画を定期的に発信していきますのでチャンネル登録をぜひよろしくお願いいたします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
ひふみ復活なるか?原点回帰の「ひふみマイクロスコープpro」新規設定
最新情報をチェックしよう!