X(ツイッター)で大きな話題になっているレポートがあります。
みずほリポート「金利のある世界」への日本経済の適応力」というものです。
話題になったポイントは住宅ローンの金利が2026年には変動金利4%、固定金利4.8%になるとしていることなんですよ。
今回はこのレポートの内容をもとに住宅ローンの考え方について解説してみましょう。
みずほリポートの解説(住宅ローン部分)
今回のみずほリポートの内容についてX(ツイッター)ではちょっと極端に捉えられていますのでポイントをご紹介しましょう。
予想ではなく、前提を元にしたシュミレーション
まず、今回のみずほリポートでとても重要なのが前提条件があることです。
以下の前提条件があります。
・持続的・安定的な2%物価が実現。
・省力化投資・人的資本投資の活発化で実質成長率(潜在成長率)は0.3%pt上昇(0.8%)。
・インフレ率を上回る賃上げ率が定着し、安定成長へ
金融正常化後の金利想定
その前提のもと以下のような想定となっています。
出典:みずほリサーチ&テクノロジーズ みずほリポート「金利のある世界」への日本経済の適応力」
まず、現在マイナス金利ですが、2024年から2026年にかけて、年4回0.25%Ptずつの段階的な利上げ。
2026年10~12月期に政策金利は2.75%に到達
そこが利上げの打ち止めと想定。
利上げ打ち止めとなる2026年に、長期金利は3.5%に到達すると想定しています。
住宅ローンの変動金利は20倍に
その場合の各種金利指標は以下となります。
出典:みずほリサーチ&テクノロジーズ みずほリポート「金利のある世界」への日本経済の適応力」
変動金利と固定金利の考え方
こういうデータがでると固定金利の方がよいと考える方が多いでしょう。
しかし、どちらがいいのかは正直誰にもわかりません。
変動金利と固定金利については金利予想でどちらが有利と考えるのは難しいのです。
ですから考え方や資産状況で決めると良いと個人的には思います。
金利が急激に上がっても返せるなら変動金利
まず、変動金利のが方が今の基準で言えば圧倒的に有利です。
固定金利の代表的な商品であるフラット35の金利は2024年1月の時点で35年は1.9%が最頻値です。※フラット35には条件によって割引制度もあります
しかし、変動金利は0.2%や0.3%のネット銀行がいくつかあります。
つまり、今の時点で1.7%近くの差があるんですよ。
ですから今の金利水準が続くなら圧倒的に変動金利が得なのです。
しかし、固定金利は借りたときの金利がずっと続くのに対して、変動金利は名前のとおり、金利が確定していませんので固定の金利より高くなってしまう可能性もあります。
つまり、金利は低いけどリスクがある方を取るか、金利は高いけどすでに最後まできまって安定しているのを取るかみたいな違いなんですよ。
前述のように金利動向なんて予想するのは困難です。
専門家の中には変動金利を上げるわけがないとずっと言ってる人もいますが、それをどこまで信じられるか・・・
個人的な考えとしてはもし金利が急激に上昇しても、手持ち資金で繰り上げ返済とかできてしまうとか、悠々返済できるなら変動金利を選ぶほうが得だと考えます。
逆にそれができないなら危険なのが変動金利ですね。
もし急激に金利が上がってローンが返せなくなれば、家を手放さなければいけなくなるいうかなりリスキーな取引となります。
ですからそういう方は固定金利を選ぶ方が無難です。
住宅ローンで博打をするのはかなりリスキーですからね。
すぐに住宅ローン返済が増えるわけではないが
なお、変動金利には5年ルール、125%ルールというものがあります。
ですから金利が変わったからといって急激に住宅ローン返済が増えるわけではありません。
しかし、これって怖い仕組みなんですよね・・・
実はローン期間が終わっても借り入れが残ってしまう可能性があるんですよ。
変動金利で借りているなら知っておく必要がある制度ですね。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
金融機関により金利の決め方は異なる
安定を取るなら固定金利
固定金利は借りたときの金利が基本的に続きます。
ですから返さないといけない金額があらかじめ予想できるんですよ。
でるから金利が急激に上がったとしても影響を受けることはありません。
資金計画も立てやすくなります。
変動金利がこの水準で続くなら多少高くお金を払うことになりますが、それを保険と考えられる方なら固定金利がおすすめですね。
また、今回のみずほのシュミレーションのようになるならば今のうちに固定金利を組んでしまったほうがお得となります。
まとめ
今回は「2026年に住宅ローンは変動金利4%、固定金利4.8%?みずほのレポートが波紋」と題して住宅ローンについてみてみました。
今回のみずほのレポートはあくまで金融正常化された場合のシュミレーションです。
つまり、そうなる可能性もあるというレベルで予想ではありません。
また、専門家が全知全能のように思っている方もたまに見えますが、かなり間違えている予想も多いんですよ。
ですから全てを鵜呑みにするのではなく自分で考えるようにしましょう。
金利の動向なんて予想しても競馬の予想レベルだと考えるとよいかもしれません。
当たるも八卦当たらぬも八卦です。
住宅ローンについては予想が外れても問題ないような資金計画とすべきでしょうね。
なお、今回の話の前提となるみずほレポートはこちらからご覧いただけます。(PDFです)
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