2025年11月7日にスマートプログラム改定が発表。ランク判定・特典の設計が見直され、2026年5月適用予定。
一部では「ATM・振込の無料回数が絞られる」と受け止められており、利用者の不満が広がっています。
一方、住信SBIネット銀行はSBIグループを外れ、ドコモ傘下となっており、今後はdカード・dポイント連携の深まりが予告されています。
そこで今回の改定の内容を整理し、SBI新生銀行との比較をしてみたいと思います。
NTTドコモに買収されるという話が出たときに書いた記事の内容が現実化してきた感じですね。

スマートプログラム改定、何が変わるのか
住信SBIネット銀行は2026年5月から、スマートプログラムのランク判定条件と特典内容を全面改定する予定です。
これまでのシステムから何が具体的に変わるのかを確認してみます。
かなり大きく変わるんですよ。
ランク体系・判定のしかた
| 項目 | 現行(〜2026年4月) | 改定後(2026年5月〜) |
|---|---|---|
| ランク段階 | 4段階(ランク1〜4) | 5段階(シルバー/ゴールド/VIP/プラチナVIP+下位ランクの計5段階) |
| 判定ロジック | 前々月のら利用状況で当月ランクを判定(恒常運用) | 仕組みは同じ(前々月→当月適用)。2026年3月の取引が5月ランクに反映。 |
| 判定に使う主な要素 | 口座残高や各種取引(現行基準) | (A) 円普通+SBIハイブリッド預金残高の合計 または (B) 給与・賞与・年金受取/口座振替の利用状況で判定。 |
| 例外付与(自動で特定ランク) | ― | 口座開設3ヵ月以内→シルバー、ミライノ Travelers Gold→ゴールド、ミライノ PLATINUM/GOLD(JCB)+引落口座指定→VIP。 |
| 対象支店 | フルーツ名支店ほか(現行の対象支店) | 同じ(フルーツ名支店+イルカ・クジラなど個人向け対象支店) |
現行のランク獲得条件は複数の取引条件(外貨預金、仕組預金、カードローン、SBIハイブリットの有無等)の組み合わせでランクが決まっていました。
改定後は、以下のように月末時点の預金残高、または給与・賞与・年金受取と口座振替の利用状況に限定されます。
・プラチナVIP:円普通預金残高+SBIハイブリット預金残高1,000万円以上
・VIP::円普通預金残高+SBIハイブリット預金残高500万円以上
・ゴールド:円普通預金残高+SBIハイブリット預金残高100万円以上
または以下の両方を利用
・給与・賞与・年金受取:月内入金あり
・口座振替(預金引落):1件以上引落としあり
・シルバー:円普通預金残高+SBIハイブリット預金残高50万円以上
または以下の両方を利用
・給与・賞与・年金受取:月内入金あり
・口座振替(預金引落):1件以上引落としあり
・ベーシック:条件なし
つまり、SBIハイブリットの有無や外貨預金や特定のカードサービスの利用がランク判定に含まれなくなるということです。
これまで複雑な組み合わせでランクを維持していた方にとっては、実質的な改悪となる可能性が高いでしょう。
なお、口座振替が条件に入っていますが、SBIハイブリット預金は口座振替に使えないのは知っておきたいところ・・・

ATM・振込の無料回数
| 項目 | 現行(〜2026年4月) | 改定後(2026年5月〜) |
|---|---|---|
| ATM無料回数(キャッシュカード利用) | ランク4:20回/月、ランク3:10回/月、ランク2:5回/月、ランク1:2回/月。 | プラチナVIP:20回/月、VIP:15/月、ゴールド:10回/月、シルバー:5回/月、ベーシック:2回/月。 |
| 他行あて振込無料回数 | ランク4:20回/月、ランク3:10回/月、ランク2:5回/月、ランク1:1回/月。 | プラチナVIP:20回/月、VIP:15/月、ゴールド:10回/月、シルバー:5回/月、ベーシック:1回/月。 |
| アプリ経由の無料手段 | アプリでATM/ことら送金は回数無制限で無料(現行からの位置づけ)。 | 同様に「アプリでATM」「ことら送金」は何度でも無料と明示。 |
ランクは4段階から5段階と拡張していますが、各ランクで得られるATM/振込の無料回数は“引き締め”方向。
ただしアプリでATM/ことら送金は無制限無料なので、現金引き出し・個人間送金はアプリ導線へ寄せると実質負担は抑えられます。
まずは、自分の現在のランク及び特典と、改定後の予定されるランクの特典を確認してみましょう
ポイント・デビット還元
| 項目 | 現行(〜2026年4月) | 改定後(2026年5月〜) |
|---|---|---|
| スマプロポイントの付与対象 | 対象商品の利用等で通常ポイント中心。現金やJALマイル交換は通常ポイントのみ可。 | 給与/賞与/年金受取・口座振替に応じたポイント付与に再編 限定ポイント(有効期限3ヵ月)の扱いが明示。 |
| デビット還元の扱い | 現行の「デビットカードポイント還元率アッププログラム」あり | 終了。代わりにランクに応じてデビット還元率を上乗せ(上乗せ分は限定ポイント、月上限1万ポイント)。基本還元率はプラチナ/Point+とも1.25%に据置。 |
| d関連の優待 | ― | VIP・プラチナVIP等の高ランクにドコモ関連優待を予定(詳細は後日)。 |
ポイントは限定ポイント比重が上がるため使い勝手が悪くなります(有効期限3ヵ月)
また、改定後のスマートプログラムでは、ポイント特典が給与・賞与・年金受取および口座振替の利用状況のみに限定されます。
これまで提供されていた各種ボーナスポイントがごっそり廃止されます。
一方、デビットカード利用時の基本ポイント還元率は1.25%を維持し、ランクに応じた上乗せが加わる新体制となります。
適用時期・移行
| 項目 | 現行 | 改定後 |
|---|---|---|
| 運用開始 | 〜2026年4月 | 2026年5月1日開始(2026年3月の取引が判定対象) |
| ランク適用の時間差 | 前々月→当月 | 同じ(前々月→当月) |
SBI新生銀行の「SBIハイパー預金」へのシフトが現実的?
SBI証券との相性がよく、利用者が多かった住信SBIネット銀行。
住信SBIネット銀行はSBIグループを外れ、ドコモの傘下に入り、新生銀行がSBI新生銀行となり、SBIグループ入りをしたことでちょっと様相が変わってきました。
SBI証券利用者は住信SBIネット銀行 とSBI新生銀行のどっちが良いのかを考えてみましょう。
結論から言えばSBIハイブリッド預金を使っていた方は、今後SBI新生銀行への移行を余儀なくされる可能性が高いですね。
SBI新生銀行の強み シンプルな優遇体系
SBI新生銀行のステップアッププログラムは5段階で、最上位のダイヤモンドステージに達するのが相対的に簡単です。
SBIハイパー預金を利用しているだけで達成できるんですよ。
また、28歳以下の若年層や60歳以上のシニア層には無条件でダイヤモンドステージが適用される制度があり、ATM手数料無料、振込手数料月10回無料という充実した特典が受けられます。
また、SBI証券との連携によるSBIハイパー預金を使えば、普通預金金利が0.42%に上がるなど、資産運用層にとって魅力的です。
住信SBIネット銀行の残存メリット アプリでATMの完全無料化
改定内容を見ると、住信SBIネット銀行は「アプリでATM」という独自機能にシフトしていく戦略が見えます。
スマートフォンアプリを使ってセブン銀行やローソン銀行のATMで出金する場合、ランクに関わらずいつでも何度でも手数料が無料です。
スマートフォンベースの金融利用が当たり前の時代、この利便性は軽視できません。
どっちを選ぶ 判断材料の整理
給与受け取りや定期的な口座振替をメイン銀行で行わない方、または複数の金融商品を組み合わせて運用している方にとっては、住信SBIネット銀行の改定は実質的な改悪です。
そのため、SBI証券と連携して利用するならそれだけでランクが最上位になるSBI新生銀行の方が有利になる可能性が高いです。
SBI新生銀行はなによりも金利が0.42%と高いのが大きいですね。※住信SBIネット銀行のハイブリット預金は0.21%
キャンペーンも実施していますしね。

ただし、現時点では住信SBIネット銀行の方がアプリやWEBの使い勝手は良いです(個人的な感想ですが)
アプリでATMしか使わないなら、そのまま住信SBIネット銀行のハイブリット預金を使うという選択肢もありですね。
さらに改定発表の際、高ランク層向けに「NTTドコモが提供するサービスをはじめ、その他サービスにおいて特別な優待をご提供予定」と記載されています。
詳細はまだ未定ですが、NTTドコモ利用者はそれを期待して待ってみてもよいかもしれません。
まとめ
今回は「住信SBIネット銀行スマートプログラム改悪。住信SBIネット銀行とSBI新生の最適解」と題してスマートプログラムの改悪の話をみてきました。
スマートプログラム改定の是非は、住信SBI銀行の利用パターンによって大きく異なります。
複数の金融商品を活用した資産運用を行っている層であれば、手数料や利息面でのメリットが減少する可能性があります。
一方、給与受け取りと定期的な支払いをシンプルに行っている層であれば、利便性はそこまで低下しないでしょう。
最も重要なのは、改定前に現在のポイント獲得方法や手数料無料回数を整理し、2026年5月以降に何が失われるのかを明確にすることです。
その上で、SBI新生銀行への乗り換えや複数銀行の並行利用を検討すべきか判断することをお勧めします。
私は先日、ようやくSBI新生銀行が使えるようになりましたが、当面二刀流かな・・・

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