住信SBIネット銀行がSBIグループからドコモグループに移ったことで大きな動きがありました。
SBI新生銀行が住信SBIネット銀行の「ハイブリッド預金」と同等のスィープ機能がついたサービス「SBIハイパー預金」を始めるのです。
これでSBI証券のために住信SBIネット銀行を利用していた方が移動しやすくなりましたね。
今回はSBI新生銀行のSBIハイパー預金について解説していきます。
SBIハイパー預金とは
まずはSBIハイパー預金とはどのようなものかをみていきましょう。
SBIハイパー預金は、SBI新生銀行とSBI証券の間で資金移動を自動化できる円預金です。
残高がSBI証券の買付余力に自動反映され、これまで必要だった入金手続きが省略されます。
まずはSBI新生銀行の普通預金からハイパー預金へ振替えるだけで、証券側への入金は不要になります。
あわせて「定額自動振替サービス」も提供され、普通預金→ハイパー預金への定期自動移動で積立運用を自動化できます。
開始時期
申込は2025年9月23日(火)開始
サービス提供は2025年9月24日(水)から。
となっております。
“いつでも買える”を担保する構造
ハイパー預金の残高は、SBI証券の買付余力に自動反映。
相場のチャンスに合わせて即座に買付でき、入金遅れによる機会損失を抑えられます。
これは今までのSBI新生銀行の「SBI新生コネクト」単体では実現できなかったポイントで、投信積立の自動入出金中心だった従来機能を一歩進めた格好です。
グループから外れた住信SBIネット銀行の「ハイブリッド預金」と同等以上の機能となります。
金利水準――年0.42%(税引前)の好金利
住信SBIネット銀行の「ハイブリッド預金」と大きな差別化要因は金利です。
ハイパー預金は年0.42%(税引前、税引後0.3346%)の金利水準を公表。
通常の普通預金よりも高めに設計され、待機資金の“居場所としての魅力が打ち出されています。
SBIハイブリッド預金(住信SBIネット銀行)との“併用不可”
なお、重要な注意点として、住信SBIネット銀行の「SBIハイブリッド預金」との併用は不可とのこと。
SBIハイパー預金を使うには、ハイブリッド預金の休止(解除)が必要です。
住信SBIネット銀行「ハイブリッド預金」との違いを比較
SBIハイパー預金の位置づけを明確にするため、住信SBIネット銀行の「SBIハイブリッド預金」と機能面を整理します
買付余力への反映タイミング
SBIハイパー預金(SBI新生銀行):預金残高が買付余力に自動反映。入金操作なしで即戦力の待機資金に。
SBIハイブリッド預金(住信SBIネット銀行):こちらも買付余力反映に対応し、受渡日に自動スイープ(資金移動)を行う仕組み
表現こそ違えど基本的に同じ感じですね。
以前のSBI新生コネクトは為替・株式売却代金の自動振替が現状対象外となっていました。
ちょっとわかりにくいですが、購入する時は自動振替。
売却した後は手動で処理しないとSBI新生コネクトの口座に戻らないってこと。
それがSBIハイパー預金では改善された形となります。
自動入出金の対象・頻度
次に自動入出金の対象や頻度をみてみましょう。
SBIハイパー預金:円普通→ハイパーへの定額自動振替を用意。投信積立だけでなく、幅広い買付資金を“即時に使える預金残高”として保持できるのが特徴。
SBIハイブリッド預金:受渡日0時に差額スイープなど、1日1回の自動処理で広範囲の取引に対応。
こちらは後発のSBIハイパー預金の方が即反映というメリットを追加してきた感じですね。
ちなみに旧来のシステムはこんな感じでした。
新生コネクト(旧来機能):投信積立の設定金額を毎営業日21時頃に自動入金し、使わない資金は16:30頃に自動出金。株式等は手動入金が前提でした。
金利面
SBIハイパー預金:年0.42%(税引前)。待機資金の金利としては目を引く水準。
SBIハイブリッド預金:年0.21%(税引前)。ネット銀行としては一般的な水準
金利面ではSBI新生銀行の方が上ですね。
インパクト重視なのかちょうど倍となっています。
今後、SBI新生銀行がこの金利を維持できるか、住信SBIネット銀行が対抗してくるかが注目です。
その他の違い
他にも細かい違いがあります。
まだSBI新生コネクトのころにまとめた記事ですが、参考に御覧ください。

まとめ――どちらが向いているか
基本的にSBIハイブリッド預金の機能とSBIハイパー預金は同等にしてきたという戦略です。
金利差がありますので“証券でいつでも即買い”ד待機資金も利回り”を両立したい人はSBIハイパー預金への乗り換えが有力ですね。
既に住信SBIネット銀行中心で、アプリ完結や既存の自動スイープ運用に慣れている人で、金利はどっちでも良いって方はSBIハイブリッド預金継続も選択肢。
ただし併用不可のため、金利・UI・手数料回数・他サービス連携まで含め、生活動線全体で最適化を検討しましょう。
SBIハイパー預金開始を記念したキャンペーンも
ちなみにSBIハイパー預金開始を記念したキャンペーンも実施されます。
かなり気合をいれたキャンペーンばかりで、本気で住信SBIネット銀行の「ハイブリッド預金」利用者を取りにきているのがわかります。
現時点の公表内容は次の通り(開始時期や詳細は公式で最新を確認を)。
第1弾:暗号資産(XRP)交換券プレゼント(9月下旬予定)
キャンペーン期間中に所定の条件を満たしたお客さまに、もれなく1,000円相当の暗号資産交換券(XRP)をプレゼント
さらに追加で、1億円相当を山分けした金額の暗号資産交換券(XRP)もプレゼント
キャンペーン期間:2025年9月24日(水)~2025年12月30日(火)17:00まで
SBIらしい“クリプト連動”の誘因。
配布条件・対象者・数量などの細目は現時点で未公表なので公式続報で要確認。
第2弾:新規口座×ハイパー預金利用で最大22,000円現金(~12月末)
SBI新生銀行口座を新規で開設されたお客さまが、口座開設月を含む3ヵ月目の末日までにエントリーの上、所定の条件を満たすと最大22,000円をプレゼント
キャンペーン期間:2025年9月1日(月)~2025年12月30日(水)口座開設完了&お手続き完了分まで
「はじめて」×「利用」へ強いインセンティブとなります。すでにSBI新生銀行の口座を持っている方は対象外なのは残念。
各種条件・対象者・数量などの細目は現時点で未公表なので公式続報で要確認。
第3弾:住宅ローン金利優遇プログラム(9月下旬予定)
預金利用と住宅ローンの連携で家計面の総合最適を狙う設計。
具体的な優遇幅・条件は詳細発表待ち。
第4弾:ハイパー預金保有者は“毎月のプレゼント金額200%”に(10月予定)
キャンペーン概要(予定):当月のエントリーと銀行サービスのご利用状況に応じて、毎月現金をプレゼントするキャッシュプレゼントプログラムにおいて、SBIハイパー預金をお持ちの方は毎月のプレゼント金額が2倍になります。(2025年10月~2026年3月お取引分まで)
ポイント・現金付与の倍率アップが示唆。
既存の月次プレゼント施策と連動する可能性も。
詳細は発表をお待ち下さい。
第5弾:SBI証券ポイントの最大20%相当現金プレゼント(9月下旬予定)
キャンペーン概要(予定):キャンペーン期間中にSBIハイパー預金をお申し込みのうえ、各月の月末時点でSBIハイパー預金に5万円以上お預け入れいただくと、本キャンペーン期間中のSBI証券のポイントサービスで付与されるポイントの10%分の現金をプレゼントいたします<特典1>。
さらに、SBI証券にNISA口座を新規開設完了、またはSBI証券へ金融機関変更を完了された場合には、追加で10%分を上乗せし、合計で最大20%分の現金をプレゼントいたします<特典2>。
こちらも詳細の発表をお待ち下さい。
第6弾:店頭&新規資金限定“3ヵ月定期”好金利(10月予定)
短期資金の受け皿を用意。
店頭限定のため、来店コストと見合うかは要計算。
第7弾:Xで1,000名様にAmazonギフトカードが当たる(10月予定)
抽選ですがXでのキャンペーンも予定されています。
第8弾:準備中
内容は未定ながら第8弾までのキャンペーンが告知されていますね。
よくある疑問
ありそうな疑問を解決しておきましょう。
Q. 住信SBIネット銀行のハイブリッド預金から乗り換える価値は?
金利を重視するなら乗り換え余地あり。
一方、住信SBIの優遇枠(他行振込・ATM)を重視するなら現状維持も合理的。
併用不可が最大の判断軸となります。
Q. 投信積立だけなら?
ハイパー預金の定額自動振替で運用の“止まり”を防げます。
投信積立中心でも、いざという時の即買いは武器になります。
Q. 乗り換えのリスクは?
金利変更リスクと移行時の運用ブレでしょう。
キャンペーン目当ての短期移動は、手続き・時間コストも含めてネットベネフィットで判断を。
まとめ
今回は「SBI新生銀行から「SBIハイパー預金」爆誕。住信SBIネット銀行のハイブリット預金からの乗り換え続出か?」と題してSBIハイパー預金についてみてきました。
「入金が間に合わず買えない」「証券に置きっぱなしで金利ゼロ」――この小さなロスの累積を0.42%の金利×即応性で埋めるのがSBIハイパー預金の価値
住信SBIネット銀行エコシステムに根ざした家計動線が既に最適化されている人は、無理な移行をしない選択も正解
魅力的なキャンペーンも含めて検討しましょう。
個人的には将来の乗り換え前提でキャンペーン締め切りギリギリまで様子見をして判断しようと思います。

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