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住民税非課税世帯になる条件と得られるメリットまとめ【国民健康保険】【NHK】

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住民税非課税世帯のメリット

先日書いた、高額療養費制度などの社会保険が8月から値上げの記事について読者サマからご質問が来ました。

住民税非課税世帯の条件についてです。

前述の記事でご紹介しましたが、高額療養費制度などでも住民税非課税世帯はかなり優遇されていますしね。

あまり知られていませんが公的な支援や免除制度など様々な場面でこの住民税が非課税か否かが条件として大きく関わっていたりします。

新型コロナウィルスの現金給付も住民税非課税世帯が一つの条件であるとでていましたね。

今回はその住民税非課税世帯になるための条件及び住民税非課税世帯の場合に得られるメリットをみていきたいと思います。

※加筆修正を加えました。

目次

住民税とは

住民税とは都道府県及び市町村に支払う税金のことで、地方自治体独自に行う事業、ごみ処理や教育、防災などに使われます。

金額は収入に応じて決定。多少控除項目や控除額は違いますが所得税と同じような計算の仕組みになっています。

また、その後、引っ越しをしたとしても1月1日現在の住民票の住所の自治体に納付するのも特徴です。

後述しますが、前年分が6月くらいに納付書として届きます。

例えば8月くらいに引っ越していたとしても翌年の1月1日現在の住所地で6月ころに請求されることになります。

このような場合には現在の住所の自治体と支払う先が違う可能性がありますので注意が必要ですね。

ちなみに自動車税は4月1日現在の持ち主で決定します。

このあたりは統一してほしいところですね(笑)

その年に払う住民税額は前年分

また、所得税はその年の分はその年に支払う(自営業などの場合には確定申告期限までに)のに対して、住民税は所得が確定してから翌年分を払うというのも大きな特徴です。

例えば今年働いた分の住民税はサラリーマンで特別徴収の場合には住民税決定通知書に基づいて翌年の6月からその次の年の5月まで給料から引かれることになります。かなりタイムラグがあるんですね。

そのため、高額年俸をもらっていた野球選手などが現役を引退したあとに一番苦労するのが住民税っていいますね。

引退してかなり経ってから(5月〜6月)請求が来ますのですでに使ってしまってお金がない・・・て話が多いのです。


住民税額算定の流れ

住民税額は以下の流れで決まります。

所得金額

収入から必要経費を差し引いた合計所得金額を算定します。

必要経費は給与所得の場合には給与所得控除額、公的年金収入の場合には公的年金等控除額が該当します。自営業者の場合には掛かった経費のことですね。

繰越損失

過年度に繰越損失があれば前述に所得金額から差し引きをします。

それを総所得金額等といいます。なければ総所得金額等と合計所得金額はイコールですね。

控除額を引く

総所得金額等から生命保険料控除等の控除を差し引きます。

注意点としては所得税と控除額が違う点ですね。

差し引いた課税対象となる所得のことを「課税総所得金額等(課税標準額)」といいます。

これをベースとして計算をしていきます。


住民税の仕組み

住民税は「所得割」と「均等割」の2つで構成されています。

このあたりの仕組みは所得税と違うところですね。詳しく見ていきましょう。

所得割

所得割はその名前のとおり納税義務者の所得によって決まるものです。

住民税の所得割は基本的に所得金額から所得控除を引いたものに対して市町村6%+道府県4%(特別区民税や都民税にも同率)で合計10%を掛けたものとなります。

ただし、名古屋市のように減税(5.7%)していたり、豊岡市のように増額(6.1%)している自治体もあります。

所得控除を引いたものに対して掛けられるので個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)などの節税策も効くのが住民税だったりもします。

所得税と住民税で所得控除が同じもの

雑損控除、医療費控除、社会保険控除、小規模企業共済等控除、青色申告特別控除は所得税と同様な条件です。

前述の個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は小規模企業共済等控除にあたりその年に支払った金額の全額が所得控除の対象となります。

控除の種類 所得税/住民税同じ
雑損控除 次のいずれか多い金額

(1)(損失の金額-保険等により補てんされた額)-(総所得金額等×1/10)
(2)(災害関連支出の金額-保険等により補てんされた額)-5万円

医療費控除

(支払った医療費-保険等により補てんされた額)
-{(総所得金額等×5/100)または10万円のいずれか低い額}

社会保険料控除 その年に支払った金額
小規模企業共済控除  その年に支払った金額
青色申告特別控除 65万円または10万円

所得税と住民税で所得控除が違うもの

以下の所得控除は所得税と住民税で対象となる金額等が異なります。

少し住民税の所得控除のほうが少なくなっていますね。

控除の種類 所得税 住民税
生命保険料控除 一般生命保険料控除限度額4万円
個人年金保険料控除限度額4万円
介護保険料控除限度額4万円
合計最大で12万円
一般生命保険料控除限度額2.8万円
個人年金保険料控除限度額2.8万円
介護保険料控除限度額2.8万円
合計最大で7万円
地震保険料控除 最高5万円 最高2万5千円
寄付金控除 特定寄附金 − 2000円 = 寄附金控除額 (控除の対象となる寄付金は総所得金額等の40%まで) 特定寄附金 − 2000円 = 寄附金控除額(控除の対象となる寄付金は総所得金額等の30%まで)
寡婦・寡夫控除 27万円(35万円の場合もあり) 26万円(30万円の場合もあり)
勤労学生控除 27万円 26万円
障害者控除 障がい者である納税義務者、控除対象配偶者及び扶養親族1人につき

障がい者 27万円
特別障がい者 40万円
同居特別障がい者 75万円

障がい者である納税義務者、控除対象配偶者及び扶養親族1人につき

障がい者 26万円
特別障がい者 30万円
同居特別障がい者 53万円

配偶者控除 38万円(控除対象配偶者が70歳以上である場合には48万円) 33万円(控除対象配偶者が70歳以上である場合には38万円)
配偶者特別控除 最高38万円(配偶者の所得により段階) 最高33万円(配偶者の所得により段階)
扶養控除 基本的には38万円(扶養親族の年齢により異なる) 扶養親族1人につき33万円
ただし、扶養親族が19~22歳である場合には45万円
70歳以上である場合には38万円

納税義務者またはその配偶者の直系尊属で、同居している70歳以上の扶養親族は1人につき45万円
基礎控除 38万円 33万円

均等割

均等割とはこちらも名前そのままですが、住民税の納税義務者が一律で納税する必要がある税金のことです。

平成26年度(2014年)から平成35年度(2023年)までの標準税率は、市町村税が3,500円、道府県税が1,500円(特別区民税、都民税も同額)と決まっています。

また、森林環境税として都道府県税にプラスで300円から1200円程度を追加している自治体も多くなっています。

ちなみに均等割は住民税の納税義務者が一律で納税する税金ですので、今回の主題である住民税非課税世帯の場合には非課税となります。


住民税非課税世帯とは

それでは今回の主題である「住民税非課税世帯」とはどのような状況のことを指すのでしょうか?

住民税非課税世帯とはその名前のとおり世帯全員が住民税が非課税になっている状況を言います。

住民税が非課税になる条件

住民税非課税世帯の要件がわかったところで、住民税が非課税になる条件はを見ていきましょう。

非課税になるための条件は3つありそのうち1つ以上に該当する必要があります。

生活保護を受けている

まずひとつ目は生活保護(生活保護法による生活扶助)を受けているケースです。

この場合に住民税は非課税となります。こちらはそのままなので解説は不要でしょう。

未成年者、障がい者、寡婦、寡夫で前年の合計所得金額が125万円以下

次は未成年者、障がい者、寡婦、寡夫で前年の合計所得金額が125万円以下というケースです。

合計所得金額が125万円以下は給与所得者の場合は給料が2,043,999円、公的年金収入の場合には65歳未満で2,166,667円、65歳以上で2,450,000円までの方が該当します。

前年の合計所得金額が各地方自治体の定める額以下

最後は前年の合計所得金額が各自治体の定める額以下の方です。

金額は自治体により違いがあります。

例えば東京23区の例を見てみましょう。

東京23区の場合

東京23区の場合には以下のルールとなります。

扶養対象配偶者及び扶養親族なし35万円以下
扶養あり35万円×(本人・扶養者・控除対象配偶者の合計人数)+21万円以下
扶養対象配偶者及び扶養親族なし35万円以下
扶養あり35万円×(本人・扶養者・控除対象配偶者の合計人数)+32万円以下

と定められています。今回テーマとなっている住民税非課税世帯に該当するのは前述の所得割・均等割とも非課税のケースです。均等割が課税された場合には該当しませんのでご注意ください。この場合、後述するメリットが受けられません。

東京23区で住民税非課税世帯となるのは給料のみの収入がある場合の条件は以下のとおりです。

合計所得金額 給与収入金額
扶養なし 35万円 100万円
扶養1人 91万円 155万円
扶養2人 126万円 205万円
柏市の場合

柏市の場合には場合には以下のルールとなります。

扶養対象配偶者及び扶養親族なし31万5千円以下
扶養あり35万円×(本人・扶養者・控除対象配偶者の合計人数)+18万9千円以下
扶養対象配偶者及び扶養親族なし35万円以下
扶養あり35万円×(本人・扶養者・控除対象配偶者の合計人数)+32万円以下

と定められています。東京23区と比較すると均等割の非課税のルールが少し厳しくなっていますね

柏市で住民税非課税世帯となるのは給料のみの収入がある場合の条件は以下のとおりです。

合計所得金額 給与収入金額
扶養なし 31万5千円 96万5千円
扶養1人 81万9千円 146万9千円
扶養2人 113万4千円 187万9千999円

東京23区と柏市でもかなり違いますね。

自治体毎でそれぞれですからご確認ください。

給料が高くても住民税非課税世帯になるケースもある

給料はそれなりにもらっていて住民税非課税世帯にならないかたでも、副業で事業を始めたはいいけど大きな損失を出したようなケースではそれらをまとめて計算するため住民税非課税世帯となるケースもあります。

また、前述のように所得控除後で判断するので大きな医療費が発生したとか、火事や盗難で雑損が生じたようなケースも該当する可能性があります。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の支払いなども全額控除対象となりますのでこれら控除を増やす意識は所得税や住民税の節税にはもちろん繋がりますし、住民税非課税世帯までいけばさらにメリットを享受できることを押さえておきましょう。


住民税非課税世帯になった場合のメリット

住民税非課税世帯になると生活が苦しい低所得者と判断されるため様々な救済制度があります。

給付金

平成26年4月の消費税率の引上げによる影響を緩和するため、暫定的・臨時的な措置として、「臨時福祉給付金」(簡素な給付措置)の支給を行われました。

金額は毎年変わっていましたが、例えば平成28年は支給対象者1人につき1万5千円となっています。対象は平成28年度分の住民税が課税されていない方となっていました。

平成31年の消費税増税分については

簡素な給付措置について、平成31年9月までの2年半分を一括して措置する。平成31年10月より消費税率引上げ後の低所得者対策、逆進性対策として軽減税率を導入する。よって簡素な給付措置は終了する

とされているため支給は終了となります。軽減税率があることで必要はなくなったという判断なのでしょう。

しかし、その代わりにプレミアム商品券を買うことが出来るようになりました。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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NHKの受信料の全額免除

条件次第によってはNHKの受信料が免除される可能性があります。

NHKの受信料全額免除の条件は以下のとおりです。

・世帯構成員のどなたかが、障害者の手帳(身体障害者手帳、療育手帳(または判定書)、精神障害者保健福祉手帳)のいずれかをお持ちで、かつ、世帯全体が市町村民税非課税の場合
出所:NHK公式サイト

つまり、住民税非課税世帯かつ世帯構成員のだれかが障害者の手帳を持っていることが条件となります。

国民健康保険料の減免措置

こちらも自治体によりますが、国民健康保険料の減免措置が行われていたりもします。

国民健康保険は本当に高いですから該当する方は自治体に確認してみてください。

自治体により対応が違いますが、減免措置を受けるためには申請が必要なケースがほとんどです。

また、住民税非課税世帯まではいかなくても所得が少ない場合には相談に乗ってくれるケースもありますので一度相談にいってみてもよいかもしれませんね。

国民健康保険の免除や減額についてはこちらの記事を御覧ください。
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高額療養費の自己負担が少なくなる

前述したように高額療養費の自己負担の金額は8月から増額されましたが、住民税非課税世帯の場合には据え置きとなりました。該当するかしないかでかなり金額に差がでますので確認してみてください。

詳しくは下記記事をご覧ください。
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他にも自治体により様々な優遇策があり

他にも自治体により様々な優遇策が設けられています。

例えば保育料の減免、幼稚園入学の際の補助金の増額、健康診断やがん検診の料金減免などなどです。

これらは自治体により異なりますの住んでいる自治体にご確認ください。

自己申告制となっているケースがほとんどですのでアンテナ張っていないと損してしまいますよ。


まとめ

今回は「住民税非課税世帯になる条件と得られるメリットまとめ【国民健康保険】【NHK】」と題して住民税非課税世帯についてみてきました。

特に住民税非課税世帯になるかならないかくらいの所得の場合には超えるか超えないかで大きな違いが生じてしまいますのでご注意くださいね。

また、ふるさと納税は住民税が非課税の方が行うと損をしますのでご注意くださいね。

読んでいただきありがとうございました。

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