6月5日に待望の Nintendo Switch 2 が発売され、抽選に当選した人や当日販売を期待する人が早朝から全国の量販店に長蛇の列ができました。
メーカー希望小売価格4万9,980円(税込)に対し、メルカリでは6〜9万円、最高で10万円超えの出品も登場しています。
「抽選に外れたけどどうしても欲しい」「子どもの誕生日に間に合わせたい」という切実なニーズを狙い、早くも Switch2転売 が横行。
X(旧Twitter)で有名インフルエンサーが「転売屋違法では?」と批判し、トレンド入りするほどの盛り上がりを見せました。
今回はSwitch2の転売について見ていきましょう。
Switch2の争奪戦に買う方法についてはこちらでまとめておりますので合わせて御覧ください。
なぜSwitch2は転売されるのか
過去にもSwitch、PS5など数多くのゲーム機が転売されてきました。
なぜゲーム機が転売されるのかというベースの話から見ていきましょう。
供給不足と発売直後の熱狂
まず、一番大きいのが発売直後は需要と供給のバランスが崩れることにあります。
メーカーが生産できる量には限界があり、その量がユーザー側の供給になかなか追いつかないんですよ。
Switch2は抽選応募条件の厳しかった(オンライン1年以上加入、50時間以上Switchで遊んでいるなど)任天堂の公式抽選すら220万の応募があったとのこと。
当選率は小売店にもよりますが、当選確率1%〜50%とかなり狭き門となりました。
コストコなど先着販売を行った小売店もありますが、告知なしで実施したにも関わらず30分程度で完売となっています。

そんな状況なのでどうしても争奪戦が発生するのです。
また、Switch2は初動で「早く触りたい」「レビューを発信したい」層や誕生日プレゼントなどの需要もあることから高値でも購入したいという層が存在するのです。
転売の利便性があがっている
また、以前と比べて転売がしやすくなったことも大きいでしょう。
メルカリや楽天ラクマ(楽天フリマ)はスマホ一つで出品可。
匿名配送や売上金チャージの仕組みが整い、薄利でも大量取引で利益を積み上げやすい環境があります。
そのため、転売目的で抽選に参加する、先着で購入しようとする層も少なからず存在しています。
任天堂も対策を取っているが・・・
今回のSwitch2は任天堂もかなり転売対策に力を入れていました。
ですから以前と比べると転売は少なくなっているとはおもいますが・・・
具体的には以下の取組をしております。
国内版と多言語版を分ける
過去には中国などへの横流しで品薄になったSwitchやPS5。
それもあり、国内版と多言語版を出して価格差もつけたんですよ。
国内版は価格が約2万円安い代わりに
・対応言語は「日本語」のみ
・「国/地域」を「日本」に設定しているニンテンドーアカウントのみ連携可能
・「ニンテンドーeショップ」で購入できるソフトは日本地域を対象にしたソフトのみ
という制限を付けたんですよ。
これで海外への転売はかなり防げたかと思われます。
フリマ3社は共同で「不正出品を防止する取り組み」を作るも・・・
また、任天堂はYahoo、楽天、メルカリのフリマ3社と共同で「不正出品を防止する取り組み」を制定しました。
ただし、対応は各社まちまちなんですよ。
Yahooはヤフオク、ヤフーフリマでSwitch2の出品を当面禁止としていますが、楽天フリマとメルカリはそのまま継続。
注意書きを出す程度の対応に留まっています。
備蓄米は出品禁止にしてるのに儲かると踏んで放置している2社についてはネット上でも批判が殺到していますね。
とくに楽天フリマはヤフオク、ヤフーフリマの客を取り込みたいのでしょうが、このタイミングで初めての出品で手数料全額還元というキャンペーンまでやっています。
転売屋は違法なのか? 5つの視点で法律を整理
それでは転売屋は法律的に問題ないのでしょうか?
結論から先にいうと
といった感じとなります。
視点 | 関係する主な法律 | 違法になるケース | 罰則例 |
---|---|---|---|
古物営業 | 古物営業法 | 継続反復して取得・再販売→古物商許可(公安委員会)が無い | 3年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
不当表示 | 景品表示法 | 「正規店より安い」と誤認させる表記 | 措置命令、課徴金 |
商標権 | 商標法 | 偽物・改造品を正規品と偽って販売 | 5年以下の懲役または500万円以下の罰金 |
チケット転売禁止 | 特定興行入場券転売禁止法 | ゲーム機は対象外 | – |
特商法 | 特定商取引法 | 個人でも事業者性があれば表示義務(住所・氏名等) | 行政処分・業務停止 |
正規ルートで仕入れ→価格を上乗せして再販売する行為自体は違法ではなく、現行法は“高額転売”を直接禁止されていないんですよ。
転売に関しては
・“営利目的で繰り返す”と 古物営業法の「業として」 に該当
・たとえ新品でも一度消費者の手に渡れば「古物」
・法人化・個人事業主でなくても摘発例あり
という判断となります。
無在庫(まだ持っていない商品)の転売は法律ではなく、フリマ各社の規約的にアウトで削除対象となっていますね。(ただし、判別が難しい)
ちなみにチケットに関しては「チケット不正転売禁止法」という法律が新たに作られたために、興行チケットの高額転売を刑事罰で禁止されています。
株式投資と転売は何が違う?
Xでは株式投資も転売じゃん。
Switch2の転売となにが違うんだ?とインフルエンサーがキレていたのを見かけました。
これについても解説しておきましょう。
まとめると下記のとおり。
株式投資 | 転売ビジネス | |
---|---|---|
主な対象 | 企業の持分(有価証券) | 物理的な商品(Switch2 など) |
取引市場 | 証券取引所・PTS | フリマアプリ・オークション |
参入条件 | 証券会社口座開設・本人確認 | 原則自由(古物商許可は必要な場合あり) |
規制法令 | 金融商品取引法(インサイダー規制など) | 古物営業法・景表法など |
価格決定 | 市場全体の需給で透明性高い | 出品者の裁量、情報格差大 |
社会的評価 | 資本市場の健全運営に貢献 | “買い占め”は消費者利益を損なうとの批判 |
株式投資は 指名検索 で企業情報を調べられる透明性と、投資家保護の法整備が土台。
一方の転売は「誰が売っているか」「品質保証はあるか」が見えにくく、消費者トラブルに発展しやすいのが大きな違いです。
すでにメルカリなどでは「箱」のみの出品、「電気のスイッチが2個」などの詐欺的行為も横行しています。
どちらもある意味転売ですが、法的にしっかりルールのある株式投資とそうでもない転売ビジネスという差ですね。
メーカー小売希望価格のあるスイッチ2と、そういったもののない株式との違いもあります。
それでも転売屋からの購入はおすすめしない
今までみたように法的には個人が数台売る程度だと問題はなさそう。
また、大規模にやっている人も古物商の免許があれば問題はありません。
しかし、個人的には転売屋からSwitch2を買うのはおすすめしません。
まず、詐欺のリスクがあります。
前述したように「箱」のみの出品、「電気のスイッチが2個」さらには「写真のみ」などの出品も見つかっています。
これらは商品説明をしっかり読めば書いてあるのですが、慌てて注文すると実は箱だけでした・・・ちゃんと説明書きに書いてあるじゃんと言われると某フリマサイトは基本的に対応してくれないんですよ。
また、過去には中身をあけてみたらグミが入っていただけだったとかいろいろありました。
さらには故障時の保証の問題もあります。
また、転売屋を儲けさせることで今後も同様なことが起こりやすくなるという長期的な目線でもおすすめしません。
3台ゲットした私は・・・
ちなみに私も実はSwitch2の抽選に応募しまくったら、3つ手に入ったんです。
抽選結果が出る前にコストコの先着で購入成功。
喜んでいたらその後の抽選発表で2つ当たった感じ。
購入を辞退することも考えましたが、抽選ハズレまくった人が知り合いに何人もいたので、余った2台は周りで欲しい人に定価でそのまま販売しました。(保証が受けられるように領収書もお渡し)
今回のSwitch2は過去にないレベルで生産していると聞きますので、任天堂公式や家電量販店などを定期的にチェックすればそこまで遠くない未来に購入は可能かと思われます。
転売屋に対抗する最もシンプルな方法は“高額品を買わず、正規ルートで待つ”ことです。
Switch2の争奪戦に勝つ方法についてはこちらでまとめておりますので合わせて御覧ください。

まとめ
今回は「【Switch2転売は違法?】転売屋法律の基礎と株式投資との違いを徹底解説」と題してSwitch2の転売について考えてみました。
まとめると
・Switch2転売そのものは直ちに刑事罰の対象ではない
・しかし「業として」継続→無許可古物営業なら 転売屋違法 で摘発リスク
・株式投資は厳格な開示と法規制下で行われる“公の市場取引”であり、無秩序な高額転売とは根本的に仕組みが異なる
・消費者は公式ルートをこまめにチェックし、“焦り買い”を防ごう
転売問題は需給ギャップが生む“社会のゆがみ”です。
消費者・企業・プラットフォームが三位一体で対策を強化し、健全な市場を守ってほしいところです。

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