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量子コンピュータでビットコインは無価値になる?──暗号資産の未来と量子耐性を徹底解説

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量子コンピュータとビットコインの未来を示すイメージ

「量子コンピュータが実用化されたら、ビットコインなどの暗号資産は一瞬でハッキングされて紙くず同然になる」──そんな刺激的な見出しがSNSやメディアを賑わせています。

しかし本当に“Q-Day(量子コンピュータが公開鍵暗号を破る日)”が来れば、暗号資産の価値はゼロになるのでしょうか?

今回は最新の量子研究や暗号技術のアップグレード動向を踏まえて“ウワサと現実”を整理します。

目次

量子コンピュータとは?

まずはあまり聞き慣れない方も多いと思いますので量子コンピュータとはなにかというところから見てきましょう。

量子コンピュータは「量子ビット(qubit)」の重ね合わせ・干渉を利用して、古典コンピュータでは膨大な時間がかかる計算を飛躍的に高速化する次世代コンピュータです。

従来のコンピュータが0と1のビットで計算するのに対し、量子コンピュータは量子ビットと呼ばれる単位で情報を処理し、より複雑で高速な計算を可能にします。

特に Shor(ショア)アルゴリズム は、RSA や楕円曲線暗号のような公開鍵暗号を多項式時間で解読できる理論的枠組みとして知られます。

2024 年 8 月、米 NIST はポスト量子暗号(PQC)として CRYSTALS-Dilithium など 3 つの標準を正式決定し、「2035 年までに既存の RSA・ECDSA を廃止する」との移行ガイドラインを示しました。

ちょっとわかりにくいと思いますが、めちゃくちゃ簡単に言えば仕組みを変えて高性能になったコンピュータってことですね笑

ビットコインなど暗号資産の仕組み

一方、ビットコインなどの暗号資産の仕組みも見ておきましょう。

主な特徴は以下のとおり。

ブロックチェーン

ビットコインは、取引に「ブロックチェーン」と呼ばれる技術を利用しています。

ブロックチェーンとはビットコイン取引の土台となる技術で、一言で言うとビットコイン取引の記録をまとめた台帳の役割を果たしています。

デジタル署名によって、ネットワーク上のビットコインに対する所有権が独立した形で認証され、これによってビットコイン所有者がビットコインを、当人になりすまして他人のビットコインを使おうとする悪意を持った者を排除した上で、自由に使うことができるようになっています。

デジタル署名

ビットコインは secp256k1 曲線上の ECDSA(最近の Taproot では Schnorr 署名)で「送金者が秘密鍵を持っている」ことを証明しています。

技術の肝の部分ですね。

マイニング

ブロックの整合性は SHA-256 によるハッシュで守られ、マイニングはこのハッシュ計算競争です。

暗号資産の新規の取引情報を正確に記録して、全体の整合性を保つためには、コンピューターによる莫大な量の計算が必要になります。

新しい情報を記録する際に、以前のデータと新しく追記するデータの両方を検証する必要があり、その作業量は膨大になるのです。

それをマイニングによって担保されているんですね。

※マイニングとはブロックチェーン上で仮想通貨の取引を検証・承認し、その報酬として仮想通貨を獲得する作業のこと。

公開鍵 vs. アドレス

ビットコインアドレスは公開鍵のハッシュ値。

その部分が解読されるリスクがあるのです。

なお、未使用 UTXO では公開鍵が未公開のため、量子攻撃の直接対象になりにくい。

量子コンピュータはビットコインを解読できるのか?

それでは本題について見ていきましょう。

解読に必要な量子ビット数

最新の見積もりでは、ビットコインの ECDSA 秘密鍵を割り出すには「数百万の論理 qubit(誤り訂正後)」が必要とされています。

現在世界最大級の量子プロセッサでも物理 qubit は 1000 程度にすぎず、実用レベルへのギャップは桁違いです。

つまり、今現在の能力では解読は無理ってことです。

技術進展は加速している

ただし、今後はわかりません。

2025 年 2 月、マイクロソフトはトポロジカル量子ビット試作機「Majorana 1」を発表し、“数年で 100 万 qubit チップ”へのロードマップを提示。

出典:medium.com

グーグル研究陣は RSA 2048 の解読に必要な資源を「従来比 1/20」に削減できる新手法を公表。楕円曲線にも応用可能との示唆が注目を集めました

出典:forbesjapan.com

つまり、今すぐ ECDSA を破る量子コンピュータは存在しない。とはいえ研究速度が上がり「2030年代前半」には実用攻撃が現実味を帯びるという専門家予測もあるのです。

暗号が解読されたら暗号資産は無価値?

それではそもそも暗号が解読された暗号資産はどのような扱いとなってしまうのでしょう?

影響を受けるのは「公開鍵が既に鎖上に露出しているコイン」

分析によると 全ビットコインの約 30 %(600 万 BTC 以上)の公開鍵がブロックチェーン上で既に可視化 されており、量子コンピュータでの解読が可能になれば即時奪取のリスクがあります。

一方、未使用 UTXO はアドレスがハッシュ化されているため、攻撃者はまず受取人に署名を強要しない限り鍵を計算できません。

無価値化シナリオは「対策なし」ケース

量子攻撃で大量 BTC が盗まれれば、価格暴落・チェーン分岐・法的混乱が起こりえます。

ただしこれは“何も対策を講じなかった場合”のワーストケースです。

ビットコインコミュニティの対抗策

実は暗号が解読された場合の対抗策もあるとされています。

量子コンピュータが実用化されても、技術的・ガバナンス的に“逃げ道”はすでに整備されつつあるんですよ。

むしろ「いつ移行するか」がリスク管理の本丸です。

ポスト量子署名の導入

QRAMP(Quantum-Resistant Address Migration Protocol)案:ソフトフォークで PQC 対応アドレスへ段階的に資金を移す提案 medium.com

Winternitz Vault 等の実装例

Solana は 2025 年に Winternitz 一回限り署名をオプション提供し、量子耐性の実験を開始。thetokendispatch.com

ハイブリッド署名

既存 ECDSA と PQC 署名を併用し“安全サイドに倒す”設計。サイズ増大の課題はあるが、SegWit や Taproot でスクリプト拡張余地を確保済み

NIST 標準準拠へ移行

Dilithium(署名)+Kyber(鍵交換)を組み合わせたウォレット実装がテストネットで動き始めている。

個人投資家はどう備える?

それでは個人投資家は量子コンピュータによるビットコインなどの暗号資産の解読にどのように備えればよいのでしょう?

チェックポイント具体策ひと言アドバイス
ウォレットの種類ハードウェア or マルチシグを選択し、再署名で公開鍵露出を最小化送金テストでアドレスが変わるか確認
取引所リスク量子耐性移行計画を開示している取引所を優先FAQ やブログで方針を要チェック
長期保管将来の「PQC 住所」への移行方法を把握備えあれば憂いなし
分散投資株、金、国債など“非デジタル資産”をポートフォリオに混ぜるブラックロックのリスク開示も要注目(forbesjapan.com)

まとめ:量子時代は“脅威”であり“進化のチャンス”

今回は「量子コンピュータでビットコインは無価値になる?──暗号資産の未来と量子耐性を徹底解説」と題して量子コンピュータとビットコインの話を見てきました。

まとめると量子コンピュータは確実に暗号資産の前提を揺さぶるが、直ちに崩壊させるわけではないということですね。

とはいえ、資産配分を検討する必要はあるでしょう。

ちなみに下記リンクから口座を開設するとビットコインがもらえますよ。

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