家を買うor賃貸の論争をよく見かけますが、もう一つ論点があります。
それは家を買う場合にマンションなのか一戸建てなのかです。
どちらにもメリット・デメリットがあり難しいんですよね。
本記事では、マンション vs. 一戸建ての住宅ローンの総支払額から将来の資産価値、日々の維持費、そして家族のタイムパフォーマンスまで、数字と実例で“徹底検証”。
読み終える頃には「わが家にベストな選択肢」が腹落ちしていることを目指しています。
総支払額シミュレーション
まずは購入時の総支払額です。
項目 | シナリオA都心駅近マンション | シナリオB郊外一戸建て |
---|---|---|
物件価格 | 6,629万円(首都圏平均) | 4,724万円(首都圏平均) |
頭金 | 10% | 10% |
借入額 | 5,966万円 | 4,252万円 |
返済期間 | 35年 | 35年 |
変動金利 | 年0.70%(メガバンク平均) | 同左 |
固定金利 | 年1.84%(フラット35最頻) | 同左 |
当然ながら場所や建てる会社などによって金額はかなり違いますので、上記はスーモが算出している平均的となります。
価格差は1,900万円程度ですが、利息が同じ金利なら“総額差”はそれ以上に開くので注意が必要です。
毎月返済額・総利息・総支払額
変動0.7% | 固定1.84% | |||
---|---|---|---|---|
A:マンション | B:戸建て | A:マンション | B:戸建て | |
毎月返済額 | 16.0万円 | 11.4万円 | 19.3万円 | 13.7万円 |
35年総支払額 | 6,728万円 | 4,795万円 | 8,096万円 | 5,770万円 |
総利息 | 762万円 | 543万円 | 2,130万円 | 1,518万円 |
変動がこのまま0.7%というのは現実的ではありませんので、固定1.84%の場合で比較すると35年で2,326万円の差となります。
固定金利が良い、変動金利が良いいろいろな意見がありますが、正直最終的にどちらが得なのかは専門家でも間違えまくってます。

自分のおサイフ事情で検討するのが良いでしょう。
個人的な考えとしてはもし金利が急激に上昇しても、手持ち資金で繰り上げ返済とかできてしまうなら、現状の金利が低い変動金利を選ぶほうが得だと考えます。
逆にそれができないなら危険なのが変動金利ですね。
急激に金利が上がると最悪返済できずに家を取られてしまうリスクさえあります。
その辺りのリスクも踏まえて比較して検討してください。
資産価値の推移と売却時シミュレーション
次に資産価値の話から見てみましょう。
マンション派はこちらの部分を優先した方が多いですね。
築20年想定価格推移
残価率:駅近マンション70%、郊外戸建て55%。東京カンテイ・SMTRC中古事例分析より推計したものが以下です。
年数 | マンション | 一戸建て |
0年 | 6,629万円 | 4,724万円 |
10年 | 5,630万円 | 3,685万円 |
20年 | 4,640万円 | 2,598万円 |
20年後の差額は約2,000万円。
“出口”を見据えるとマンションがかなり有利ってことですね。
ただし、総支払額はマンションのほうが35年で2,326万円高かったので、ここで差がほぼなくなる形ですね。
立地要因と流動性の違い
資産価値を考えると他にいくつか考える必要がある部分があります。
それは立地と流動性です。
マンション
駅徒歩10分圏は賃貸需要も高く、値下げせず売れる確率◎。
逆に駅から遠いマンションは価値が下がりやすくなります。
将来売却 or 賃貸運用を視野に入れるなら「駅距離」が最大のリセール指標ですね。
そのような場所は売却までの期間もかなり短くなります。
一戸建て
土地値≒資産価値で基本的に下がりません。
場所によっては上がっていきます。
最後には建物の価値がなくなっても土地だけの価格は必ず残ります。
ただし、売ろうとすると解体費用が別途掛かる可能性もあるので注意が必要かも。
また、郊外は流動性に問題があります。
売却までの期間も平均6.2カ月とマンションと比較して長くなりがちです。
維持費・固定費の比較
次は維持費と固定費の比較です。
結論から言えばこちらは一戸建てが優位ですね。
管理費・修繕積立金 vs. 固定資産税・外壁塗装
マンションも戸建てもその物件によってかなり修繕関連の費用は変わってきますが、平均的なもので以下の通り。
マンション | 一戸建て | |
---|---|---|
管理費 | 18,000円/月 | ― |
修繕積立金 | 12,000円/月 | ― |
固定資産税 | 10,000円/月相当 | 10,000円/月相当 |
将来大規模修繕 | 管理組合が計画 | 外壁塗装150万円/15年ごと |
あまり購入時には意識されませんが、金額としては意外とどちらも掛かるんですよ。
※外装塗装は家の外壁の種類などにもよって異なります。
ライフサイクルコスト(30年累計)
30年でだいたいこれくらい掛かると言われています。
マンション | 一戸建て | |
---|---|---|
30年維持費総額 | 1,440万円 | 660万円 |
住宅ローン総支払額(変動) | 6,728万円 | 4,795万円 |
30年総コスト | 8,168万円 | 5,455万円 |
一戸建てはマンションと比較して780万円ほど維持費が低くなりました。
ただし、戸建ては“自主管理”ゆえ、気づけば後回し→資産価値ダウンのリスクもありますのでご注意ください。
大手ハウスメーカーだと事前に数十年先まで掛かるメンテナンス内容と費用を提示されていると思いますけどね。

また、最近はマンションの管理費や修繕積立金を低く抑えていて、足りなくなってあとから請求して揉めるなんて話も増えています。
自分たちだけで決められないのでそこはリスクですね。
ライフスタイルと時間価値の比較
他にも考えないと行けない点がいくつかあります。
通勤時間、周辺環境
通勤時間の平均はマンションは夫婦平均通勤30分。
保育園・商業施設が徒歩圏というケースが多いです。
一方、戸建ては夫婦平均通勤60分。
園送迎は自家用車必須のケースが多いです、
このあたりはデメリットになりがちです。
ただし、月々の浮いた住宅費を“家事外注”へ回せば、戸建てでもタイパは逆転可能かもしれません。
また、庭遊びができるのは戸建てのメリット。
これらは物件や勤務先の場所にもよりますので、そのあたりも加味する必要があります。
セキュリティ・コミュニティ・災害リスク
マンションはオートロック&管理人がいる物件ならセキュリティ面は比較的安心。
高層階は浸水リスク低いです。
ただし、過去には浸水で地下の電気設備が駄目になってしまい、水も電気もないという大変なことになったマンションもありましたので一概には言えません。
一方、戸建てはプライバシーは守られやすいですが、セキュリテイは自身で対策する必要があります。(監視カメラをつける、セコムに入るなど)
地区によっては町内会とかの集まりがあり、隣人付き合い濃いケースも。
うちが住む地区は回覧板が回ってくる程度でほとんどなにもありませんので楽。
事前に地区の調査はしたほうが良いでしょうね。

震災に関しては最近の戸建てはほとんどが耐震等級3でよほど大丈夫です。
ただし、その他の水災などのリスクはありますので、個別に地盤やハザードマップ要確認
太陽光や蓄電池を入れておけば停電リスクなども回避可能です。
ちなみにうちも太陽光や蓄電池を入れていますが、天気の良い日はほとんど電気代が掛からず、売電まで発生するのは戸建ての隠れたメリットですね。
こんな人にはマンション/一戸建てが向いている
それではどんな人がマンションに、一戸建てに向いているのでしょう。
よく言われる点をまとめてみました。
なるほど! マンション向きチェックリスト
- ✅ 保育園・駅近を最優先
- ✅ 管理に時間を割きたくない
- ✅ 将来の賃貸・売却も視野
- ✅ 共働きで夜間の防犯が気になる
なるほど! 一戸建て向きチェックリスト
- ✅ 子どもを庭で遊ばせたい
- ✅ 多少の通勤時間より家の広さ優先
- ✅ ペット・DIYを自由に楽しみたい
- ✅ 定年後も“終の棲家”前提
私が一戸建てに決めた理由
うちは元々できたばかりの駅チカマンションを検討してましたが、ふらっと展示場にいったときに説明を受けたらそちらに一気に傾いて一戸建てにに決めました。
周りを気にしなくてよいのと、ペットを自由に飼えるのはマンションにはない大きなメリットですね。
また、マンションと比較して物理的に広いのも大きいですね。
ちなみにふらっと展示場に入ったときに聞いたセールストーク。
売りたいがために言っていると思っていましたが、振り返ってみると物価高など現状全くその通りになっていて驚きます。
あの時決断しておいて正解だったですね。

まとめ
今回は「マンション vs. 一戸建て ― “後悔しない”住まい選び完全ガイド」と題してマンションと一戸建ての比較をしてみました。
まとめると
・総コストは戸建て有利、残価まで含めるとマンションが肉薄
・時間価値は駅近マンションが優位だが、家事代行活用で戸建ても巻き返し可
・金利上昇リスクに備え、変動選択時は“繰上げ返済用バッファ”を必ず確保
・出口(売却・賃貸)まで見据えた立地選びが結局は家計を守る
特に戸建ての場合は土地がとても重要ですね。
まずはどこの土地探しからメインで考えるとよいでしょう。

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