このサイトでも何度か老後資金について見てきました。
なんだかんだいっても老後資金の中心的な資金源は国民年金や厚生年金など公的な年金に違いありません。
しかし、自分がどれだけの公的な年金をもらえるのか意外に知らない方が多いのです。
そこで今回は自分が年金をいくらもらえるかわかる「ねんきん定期便(年金定期便)」の見方について見ていきたいと思います。
※加筆修正を加えました。
「ねんきん定期便(年金定期便)」とは
ねんきん定期便とは厚生年金や国民年金の加入者の方に毎年誕生日月に送られてくる年金加入記録を確認することができる書類のことです。
一時期年金の問題が多発したときに自分の年金記録が間違えていないか確認するために発行されるように成りました。
このねんきん定期便よくみるといろんなことがわかる書類なのです。
「ねんきん定期便(年金定期便)」の見方
ねんきん定期便の見方について見ていきましょう。
ねんきん定期便は、その書類をもらうときの年齢に応じて4つのパターンがありますので分けて見ていきます。
50歳未満の人に届く「ねんきん定期便(年金定期便)」の見方
まずは50歳未満の人に届くねんきん定期便の見方からいきましょう。
50歳未満の方には以下の様式で送付されてきます。(はがき)
出所:日本年金機構 ねんきん定期便本体解説 著者加筆
50歳未満の人に届く「ねんきん定期便(年金定期便)」に書いてある内容
50歳未満のねんきん定期便には以下の内容が書いてあります。
・これまでの加入実績に応じた年金額
・(参考)これまでの保険料納付額
※厚生年金保険の保険料は被保険者負担分のみ表示しています。厚生年金保険料は、各被保険者の標準報酬月額および標準賞与額に、その当時の保険料率を乗じて計算し、事業主と被保険者で折半して納めることになっています。被保険者負担額は、一般的には事業主が報酬または賞与から控除し、事業主がまとめて納めます。
A欄
まずはA欄です。
A欄には各年金実施機関に問い合わせるための番号が書いてあります。
なにかねんきん定期便の内容におかしな点があったときはとりあえず確認してみることをおすすめします。
私も一番始めに勤めた会社で厚生年金登録をしたときに年金事務所が名前の読み方を間違えていてその間の登録が別人扱いになっていたことがありました・・・。そんなこともあり得ますのでぜひ疑問を感じたらとりあえず連絡してみましょう。
出所:日本年金機構 ねんきん定期便本体解説
B欄
次がB欄です。
現時点(誕生日の2ヶ月前)での国民年金や厚生年金の加入期間が記載されるのがB欄です。
厚生年金は公務員や私立学校の勤務があれば別途記載されます。
こちらも自分が掛けてきた期間と相違がないか一応確認しておくと良いでしょう。
出所:日本年金機構 ねんきん定期便本体解説
C欄
最後がC欄です。
ここにはこれまでの加入実績に応じた年金額と今までの保険納付額の累計額(本人負担分のみ)が記載されます。
つまり今の時点なら年金がいくらもらえるのかはこのC欄を見ればわかるのです。
出所:日本年金機構 ねんきん定期便本体解説
裏面
裏面には自分の年金情報をウェブ上で見ることができる「ねんきんネット」へ登録するために必要なアクセスキー
直近1年間の年金納付状況が記載されています。
50歳以上の人に届く「ねんきん定期便(年金定期便)」の見方
次に50歳以上の人に届くねんきん定期便の見方からいきましょう。
50歳以上の方は以下の様式で送付されてきます。(はがき)
出所:日本年金機構 ねんきん定期便本体解説 著者加筆
50歳以上の人に届く「ねんきん定期便(年金定期便)」に書いてある内容
50歳以上のねんきん定期便には以下の内容が書いてあります。
・老齢年金の年金見込額
※既に老齢年金を受け取られている方にはお知らせしていません。
※厚生年金保険の保険料は被保険者負担分のみ表示しています。厚生年金保険料は、各被保険者の標準報酬月額および標準賞与額に、その当時の保険料率を乗じて計算し、事業主と被保険者で折半して納めることになっています。被保険者負担額は、一般的には事業主が報酬または賞与から控除し、事業主がまとめて納めます。
A欄
A欄は50歳未満の方と全く同じで各年金実施機関に問い合わせるための番号が書いてあります。
問い合わせする際に必要になります。
出所:日本年金機構 ねんきん定期便本体解説
B欄
B欄も50歳未満の方とおなじですね。
現時点(誕生日の2ヶ月前)での国民年金や厚生年金の加入期間が記載されます。
合っているか一応確認しておきましょう。
出所:日本年金機構 ねんきん定期便本体解説
C欄
最後がC欄です。
50歳未満の方と違うのがここですね。
出所:日本年金機構 ねんきん定期便本体解説
こちらには年金をもらえる種類と見込額が記載されます。
特別支給の老齢年金と行って65歳より前にもらえる分と65歳からの金額に分けて記載されます。
裏面
裏面には自分の年金情報をウェブ上で見ることができる「ねんきんネット」へ登録するために必要なアクセスキー
これまでの年金保険料の納付額、直近1年間の年金納付状況が記載されています。
35歳、45歳、59歳の方に届く「ねんきん定期便(年金定期便)」の見方
35歳と45歳、59歳の方には特別なねんきん定期便が届きます。
通常ははがきですが、この年には封書で届きます。
35歳、45歳の人に届く「ねんきん定期便(年金定期便)」に書いてある内容
35歳、45歳の人に届くねんきん定期便には以下の内容が書いてあります。
・これまでの加入実績に応じた年金額
・(参考)これまでの保険料納付額
※厚生年金保険の保険料は被保険者負担分のみ表示しています。厚生年金保険料は、各被保険者の標準報酬月額および標準賞与額に、その当時の保険料率を乗じて計算し、事業主と被保険者で折半して納めることになっています。被保険者負担額は、一般的には事業主が報酬または賞与から控除し、事業主がまとめて納めます。
・これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況
※厚生年金保険の加入履歴がある方のみにお知らせしています。
※国民年金の加入履歴がある方のみにお知らせしています。
50歳未満の方に届くのと比較して年金加入履歴や月別状況がわかります。
納付漏れがないかおかしなところがないか確認しておきましょう。
これまでの年金加入履歴
上記3つは50歳未満のねんきん定期便と内容は同じですので割愛します。
これまでの「年金加入履歴」は過去にどの年金制度に加入したかわかります。
会社を転職していればここに記載されてきます。
確認しておきたいのは所属した会社の記録があるのか、資格を取得した年月日、資格を失った年月日、加入月数が合っているかです。
出所:日本年金機構 ねんきん定期便本体解説
これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況
次が厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況です。
これはたまにあるのが会社が給料からは適正額を徴収しているのに社会保険事務所などに嘘の報告をして少なく納めているなどがあったときに確認しておきたいところです。
よほどないとは思いますが自分の給料などと大きくずれがないかだけはチェックしておきたい所ですね。
出所:日本年金機構 ねんきん定期便本体解説
これまでの国民年金保険料の納付状況
こちらは国民年金保険料の納付状況です。
納付状況が誤っていないか確認しておきたいところ。
出所:日本年金機構 ねんきん定期便本体解説
59歳の人に届く「ねんきん定期便(年金定期便)」に書いてある内容
59歳の人に届くねんきん定期便には以下の内容が書いてあります。
内容は35歳、45歳の方と老齢年金の年金見込額以外は同じです。
老齢年金の年金見込額の見方は50歳以上のねんきん定期便と同じですからそちらを参照ください。
・これまでの年金加入期間
・老齢年金の年金見込額
※既に老齢年金を受け取られている方には、老齢年金の見込額はお知らせしていません。
・(参考)これまでの保険料納付額
※厚生年金保険の保険料は被保険者負担分のみ表示しています。厚生年金保険料は、各被保険者の標準報酬月額および標準賞与額に、その当時の保険料率を乗じて計算し、事業主と被保険者で折半して納めることになっています。被保険者負担額は、一般的には事業主が報酬または賞与から控除し、事業主がまとめて納めます。
・これまでの年金加入履歴
・これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況
※厚生年金保険の加入履歴がある方のみにお知らせしています。
・これまでの国民年金保険料の納付状況
※国民年金の加入履歴がある方のみにお知らせしています。
「ねんきん定期便(年金定期便)」のポイント
これまでねんきん定期便の見方をみてきましたが、重要なポイントを纏めておきましょう。
もらえる年金額はいくらか?
まずはいちばん重要なのが自分がいくら年金をもらえる予定なのかを確認していきましょう。
とくに受給までそれほど時間がない方は今後の老後生活にとても重要な意味を持ちます。
もし老後資金が足りないようなら下記の裏技を考えて見てください。
老後資金を増やす裏技についてはこちらをご覧ください、
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漏れがないか?
最近はよほど大丈夫になってきているとは思いますが、一応漏れが無いかを確認しておくことは重要です。
とくに35歳、45歳、59歳のねんきん定期便には過去のすべての年金記録が記載されてきます。
ちゃんと確認しておきたいところですね。
下記の記事のように給料から天引きされているはずなのに加入処理されていないようなこともありますからね。
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年金の加入期間
年金は加入期間でいろいろな意味を持ちます。
ギリギリ足りないようなケースなどは退職日をずらすなど考えることにも繋がりますので意識しておきたいところです。
とくに意識しておきたいのは下記の3つの期間です。
ギリギリ足りないようなら任意加入という方法もあります。
10年(国民年金がもらえるか否か)
25年(遺族年金がもらえるか否か)
厚生年金20年(振替加算、加入年金の有無)
まとめ
今回は老後資金の要である年金がいくらもらえるかがわかる「ねんきん定期便」の見方について見てきました。
毎年1度来ますのでしっかり確認しておきたいところですね。
老後資金対策はこちらをご覧ください。
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個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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