最近は人出不足が顕著ですね。
いろいろな社長さんとお話する機会がありますが、たいていどの会社も人手不足に悩んでいます。
そのため転職市場が売り手市場となり、転職する人も増えている状況です。
また、売り手市場ですから思いっきって退職してそこから転職を探す方も増えています。
日本も人材の流動化が進んで来たのかもしれませんね。
これはこれで良いことだと思いますが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)加入者は少し考えなくてはならないことがあります。
それは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に手続きが必要なことです。
今回は退職や転職時の手続きについていくつかのケースでみていきたいと思います。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)加入者が転職や退職した場合の手続き
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入できる方は3つのタイプがあります。
- 一つ目は第1号加入者(国民年金の第1号被保険者)で自営業者
- 二つ目は第2号加入者(国民年金の第2号被保険者)で会社員や公務員の方
- 三つ目は第3号加入者(国民年金の第3号被保険者)で第2号被保険者の方の扶養に入っている専業主婦の方
今回は一番多い二つ目の第2号加入者の方が他の会社に転職したり公務員になって第2号加入者となる場合。
独立して第1号加入者で自営業者となる場合。
結婚して第3号加入者となる場合。
それぞれについてみていきたいと思います。
他の会社や公務員に転職する場合の手続き
まずは、他の会社や公務員に転職する場合です。
こちらについてはいくつかのパターンが考えられます。
転職先に企業型確定拠出年金がない場合
転職先に企業型確定拠出年金がない場合は、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に引き続き加入することができます。
ただし、手続きは必要となります。
第2号加入者の方が厚生年金の適用事業所に転職した場合は加入者登録事業所変更届に転職先が記入した事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書を添付して、運営管理機関に提出ください。
自営業の方(第1号加入者)や主婦(第3号加入者)が転職する場合には加入者被保険者種別変更届(第2号被保険者用)に、転職先が記入した事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書を添付して、運営管理機関に提出ください。
なお、自営業の方(第1号加入者)や主婦(第3号加入者)が第2号加入者になる場合には、掛け金上限が違いますのでご注意ください。
それぞれの書類とも運営管理機関(証券会社など)からもらうことができます。
転職先に企業型確定拠出年金がある場合
次に転職先に企業型確定拠出年金がある場合です。
こちらは2つのパターンが考えられます。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の同時加入が認められていない場合
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の同時加入が認められていない場合には、加入者資格の喪失、及び資産の移換の手続きが必要となります。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者の資格を喪失することになりますので、速やかに加入者資格喪失届 に、加入者の資格を喪失した理由及び喪失年月日を証明する書類を添付して、運営管理機関(証券会社など)に提出します。
また、この場合、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の資産を転職先の企業型確定拠出年金に移換する必要があります。
詳細な手続きは、転職先の人事・労務・経理等の担当の方に相談しましょう。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の同時加入が認められている場合
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の同時加入が認められている場合には、そのまま掛け金を拠出することもできます。
転職先の企業型確定拠出年金規約で、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)への同時加入が認められている場合は、引き続き、個人型確定拠出年金への加入者となれます。
対象となるのかどうかは転職先の人事・労務・経理等の担当の方にご確認ください。
ただし、企業型確定拠出年金の手続きとは別に、加入中の個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を継続する場合は、登録事業所の変更の手続きが必要です。
第2号加入者の方が厚生年金の適用事業所に転職した場合は、加入者登録事業所変更届に、転職先が記入した事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書を添付して、運営管理機関に提出ください。
自営業の方(第1号加入者)や主婦(第3号加入者)が転職する場合には加入者登録事業所変更届に、転職先が記入した事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書を添付して、運営管理機関に提出ください。自営業の方(第1号加入者)や主婦(第3号加入者)が第2号加入者になる場合には、掛け金上限が違いますのでご注意ください。
なお、それぞれの書類とも運営管理機関(証券会社など)からもらうことができます。
転職先に確定給付企業年金がある場合
転職先に確定給付企業年金制度があった場合、確定給付企業年金の規約において、確定拠出年金の個人別管理資産を受入れることが可能と定められている場合に限り、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)で運用していた個人別管理資産を転職先の確定給付企業年金へ移換することが可能です。
移換の可否については、転職先企業の人事・労務・経理等の担当の方にご確認ください。
確定給付企業年金は企業によって内容がマチマチですからよく確認しておきましょうね。
一般的にはあまり財政等が良くないケースが多いので移換はおすすめしません。
自営業者や無職になった場合の手続き
個人事業主やフリーランスなど自営業者になった場合や無職になった場合も個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に引き続き加入することができます。
第2号加入者(会社員など)又は第3号加入者(主婦)の方が国民年金の第1号被保険者(自営業者等)になられた場合は加入者被保険者種別変更届(第1号被保険者用)を、運営管理機関に提出ください。
この場合、掛け金の上限が大きくなりますのでいくら掛けるのかを考えてみましょう。
専業主婦等になった場合の手続き
専業主婦等になった場合もそのまま個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に引き続き加入することができます。
第1号加入者(自営業者)又は第2号加入者(会社員など)の方が国民年金の第3号被保険者(専業主婦等)になられた場合は加入者被保険者種別変更届(第3号被保険者用)を、運営管理機関に提出ください。
なお、共済組合員の方は、取扱いが異なる場合がありますので、運営管理機関に確認ください。
手続きを怠るとどうなる
今までみてきたように個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)加入者が転職や退職した場合にはなにかしらの書類提出が必要なことが分かっていただけたと思います。
転職はなにかと面倒ですから、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の手続きはあとでいいやって後回しにするのはやめて置いたほうが無難です。
例えば余分な手数料が取られたり、掛け金が還付されたりする可能性があるからです。
できるだけ後回しにせず速やかに手続を済ませておきましょうね。
まとめ
今回は「退職や転職したら個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)はどうなるのか」と題して退職時や転職時に加入している個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)がどうなるのか、どんな手続が必要なのかを見てきました。
ほとんどのパターンで書類等の手続きは必要ですので速やかに忘れずにやっておきましょうね。
企業型確定拠出年金に加入している場合については下記記事ををご覧ください
企業型も手続き忘れると大変ですよ。
確定拠出年金はこのサイトでも何度もご紹介している個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の他に勤め先の企業が掛金を拠出する企業型確定拠出年金(企業型DC)があります。そのうち企業型確定拠出年金は、掛けてくれていた会社を退職や転職する[…]
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行、大和証券、楽天証券の6択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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