iDeCoやつみたてNISAやるなら注目!JPモルガンが10年〜15年の期待リターン超長期予想を発表

2018年の相場は波乱な感じに終わりました。iDeCoやつみたてNISAをやっている方の大半はマイナスとなった2018年だったと思います。今後つみたて投資をするのに不安を感じてしまった方もいるかもしれませんね。

それでは今後長い目で見るとどうなのか?それをJPモルガン・アセット・マネジメント株式会社(以下JPモルガン)が発表しましたのでご紹介しましょう。JPモルガンが発表したのは今後1015年のマクロ経済の見通しに基づき、60の資産クラスや投資戦略について期待リターン、想定ボラティリティ、相関係数を算出した年次レポートです。今年で23回目となります。

あくまでも一金融機関の予想ではありますが、iDeCoやつみたてNISAのアセットアロケーションを考える上での参考になりそうですね。今回はJPモルガンの超長期予想について見ていきます。

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アセットアロケーション

JPモルガンの超長期予想レポートのポイント

それでは順番に今回発表されたJPモルガンの超長期予想レポートのポイントを見ていきましょう。

今後10年〜15年の実質成長率見通し

まずは今後10年〜15年の実質成長見通しです。

今後10~15年の実質GDP成長率見通しは、先進国で年率2.5%と、昨年対比で横ばいとなりました。昨年は、過去10年続いた下方修正に底打ちのきざしが見える結果となりましたが、今年はさらに、その兆候が強まる結果となりました。
出所:JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社「2019 Long-term Capital Market Assumptions

具体的には各国ごとの実質GDPの成長率は下記の通りです。世界全体だと年率2.5%と予想しています。

成長が大きいのはインドの7.0%、次いで中国の5%、ブラジルの3.0%となっています。新興国全体だと4.25%です。2018年予想は4.5%でしたから少し下方修正されていますね。

先進国は全体で年率1.5%の成長と予想されています。アメリカは1.75%予想ですね。日本は先進国中最低の0.5%の予想となっています。長い目で見て日本への投資はどうなんだろうと思ってしまう結果となっています。

JPモルガン実質GDP予想
出所:JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社「2019 Long-term Capital Market Assumptions」より

主要資産の期待リターン

今回発表された60資産の期待リターンのうち、iDeCoやつみたてNISAで投資できるものをピックアップしてみてみましょう。

株式

日本大型株式 5.00%
日本小型株式 5.50%
米国大型株式為替ヘッジなし 3.50%
米国小型株式為替ヘッジあり 4.25%
先進国株式為替ヘッジなし 4.00%
先進国株式為替ヘッジあり 4.00%
世界株式為替ヘッジなし 4.25%
世界株式為替ヘッジあり 4.25%
新興国株式為替ヘッジなし 6.75%
出所:JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社「2019 Long-term Capital Market Assumptions」より

個人的には日本は実質GDPの成長は低いのに日本株はかなり期待リターンが高いのがが驚きました。逆にアメリカ株はあまり高い評価となっていないんですね。やはり分散投資が必要ですね。

債券

日本債券(国内債券)      0.75%
先進国債券為替ヘッジあり 1.00%
先進国債券為替ヘッジなし 1.25%
先進国債券(除く日本)為替ヘッジあり 1.25%
先進国債券(除く日本)為替ヘッジあり 1.25%
新興国債券為替ヘッジあり 4.50%
新興国債券為替ヘッジなし 4.50%
出所:JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社「2019 Long-term Capital Market Assumptions」より

債券では新興国がかなり高めの期待リターンとなっています。

REIT他

グローバルREIT除く米国 為替ヘッジなし 4.75%
米国REIT 為替ヘッジなし 4.50%
欧州(除く英国)REIT 4.75%
コモディティ 為替ヘッジなし 0.5%
コモディティ 為替ヘッジあり 0.5%
金 為替ヘッジなし 0.75%
出所:JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社「2019 Long-term Capital Market Assumptions」より

日本(国内)REITや新興国REITの予想はなかったのが残念ですがREIT自体の期待リターンは結構高めですね。この数字だけをみると分散投資先としてはREITもありですね。

コモディティや金の予想は低めです。このあたりまであえてiDeCoやつみたてNISAで分散する必要はなさそうですね。

主要資産間の相関係数

次に代表的な各アセット間の相関係数も見てみましょう。相関係数とは2つの変数の間の相関(類似性の度合い)を示す統計学的な指標のことです。投資に置き換えればその資産ごとの値動きがどれくらい近いかを表します。分散投資をするなら動きが近くないほうが効果があります。分散投資をするなら意識をしておきたい数字ですね。相関係数について詳しくは下記の記事を御覧ください。なお、数値の出所はすべてJPモルガン・アセット・マネジメント株式会社「2019 Long-term Capital Market Assumptions」よりです。

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分散投資は相関関係を意識する

国内株式

先進国株式(除く日本)為替ヘッジなし 0.82
世界株式(除く日本) 為替ヘッジなし 0.82
新興国株式 0.73
国内債券   -0.35
先進国債券 0.64
新興国債券 0.73

国内株式は国内債券だけ負の相関となっています。(逆の動きをするってことですから分散投資に大きな意味があります)

先進国株式

世界株式(除く日本) 為替ヘッジなし 1.0
新興国株式 0.87
国内債券   -0.34
先進国債券 0.73
新興国債券 0.36

こちらも国内債券だけ負の相関となっています。

新興国株式

世界株式(除く日本) 為替ヘッジなし 0.9
国内債券   -0.07
先進国債券 0.61

こちらも同じく国内債券が少しだけですが負の相関となっています。

国内債券

世界株式(除く日本) 為替ヘッジなし -0.34
先進国債券 -0.18
新興国債券 -0.25

国内債券はすべてマイナス相関となっていますね。分散投資には意味があるということです。

先進国債券

世界株式(除く日本) 為替ヘッジなし 0.72
新興国株式 0.61
新興国債券 0.83

先進国債券も同じような傾向ですね。

10年〜15年の期待リターン予想に基づいた最適なポートフォリオ

10年〜15年の期待リターンと相関係数に基づいて予想された最適なポートフォリオは以下のとおりです。
最適ポートフォリオ
出所:JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社「2019 Long-term Capital Market Assumptions」より

株式30%、債券70%となっていますね。EAFE株式とは欧州(Europe)、豪州(Australia)、極東(Far East)の意味です。米国の株が入っていないのが驚きです。

均衡リターン予想のポートフォリオ

均衡リターン予想によるポートフォリオは以下のとおりとなります。均衡リターン予想はたぶんですがCAPM理論のことでしょう。これはリスクとリターンで算出するやり方ですね。こちらだと上記の期待リターンに基づいたものとはだいぶ結果が違います。一般的にはリスクも加味したこちらの方を使いますが・・・

均衡リターン
出所:JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社「2019 Long-term Capital Market Assumptions」より

こちらだと株式42%、債券58%の比率となります。アメリカ株も36.1%含まれており、逆にEAFE株式はない形ですね。

まとめ

今回は「iDeCoやつみたてNISAやるなら注目!JPモルガンが10年〜15年の期待リターン超長期予想を発表」と題してJPモルガンの期待リターン超長期予想を見てきました。このような長期予想はなかなか無料で出回ることは少ないですから是非参考にしたいこところです。

今年初めてiDeCoやつみたてNISAで投資を始めた方だとどうしても不安がよぎってしまうと思います。しかし、このような超長期レポートをみて長期的な目で将来の資産を予想することができれば安心する部分もあるでしょう。

iDeCoやつみたてNISAの加入者が12月の大暴落で減っているという話もあります。しかし、iDeCoやつみたてNISAは短期的に見る制度ではありません。10年、20年先を見据えて地味に積み立てて行きましょうね。

IMF(国債通貨基金)の予想は以下のとおりです

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2020年に投資するならあの国が狙い目?

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。

しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。

簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。

私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。

(※私が加入しているのはSBI証券です)

この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。

また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。

順番に見ていきましょう。

SBI証券

まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。

SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。

選択の楽しさがありますよね。

また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。

SBI証券iDeCo
5

SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。

マネックス証券

次点はマネックス証券 iDeCoです。

こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。

iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。

マネックス証券iDeCo
5

マネックス証券 iDeCo

マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。

松井証券

松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。

その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。

こちらも有力候補の一つですね。

松井証券iDeCo
5

松井証券【iDeCo 口座開設申込】

2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。

大和証券

大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。

他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。

また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。

大和証券iDeCo
4.5

大和証券 iDeCo

運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。

楽天証券

楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。

この2つのファンドは人気ですね。

楽天証券iDeCo
4.5

楽天証券 401K用プログラム

楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。

総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。

他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・

つみたてNISAはSBI証券がおすすめ

つみたてNISAは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)ほど証券会社の差はありません。

選ぶ際のポイントは取扱商品と注文の仕方です。その点を加味すると下記のSBI証券が有力となります。

SBI証券

SBI証券は商品ラインナップや注文の仕方などは一番優れていますので筆頭候補となるでしょう

なにより注文の自由度がかなり高いのがいいですね。

SBI証券の資料請求等はこちらから

SBI証券
5

SBI証券は商品ラインナップや注文の仕方などが優れています。
また、三井住友カードとの連携で投資信託購入でのポイントが貯まるのも嬉しい。
ネット証券開設するなら持っておきたい口座の筆頭でしょう。

読んでいただきありがとうございました。

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