国民健康保険の減額(軽減)
次は国民健康保険の減額について見ていきましょう。
こちらは前年の所得が一定額以下の世帯の場合に減額してくれる仕組みです。
こちらも基本的には同じルールですが、微妙に自治体により違っているところがあります。
詳しい内容は各市町村毎により規定されていますのでお住まいの市町村役場にお尋ねください。
ここでは名古屋市と大阪市の例を見ておきましょう。
名古屋市の例
減額の割合 | 平成29年中の世帯の所得 | 減額される額 |
---|---|---|
7割 | 33万円以下のとき | 世帯の均等割額の7割 |
5割 | 33万円+(27万5千円×被保険者数)以下のとき | 世帯の均等割額の5割 |
2割 | 33万円+(50万円×被保険者数)以下のとき | 世帯の均等割額の2割 |
名古屋市は上記の式に当てはまると世帯の均等割額が7割、5割、2割減額されます。
大阪市の例
世帯人数 | 7割軽減 | 5割軽減 | 2割軽減 | 3割軽減 |
---|---|---|---|---|
1人 | 330,000 | 605,000 (600,000) | 830,000 (820,000) | 610,000 |
2人 | 330,000 | 880,000 (870,000) | 1,330,000 (1,310,000) | 890,000 |
3人 | 330,000 | 1,155,000 (1,140,000) | 1,830,000 (1,800,000) | 1,170,000 |
4人 | 330,000 | 1,430,000 (1,410,000) | 2,330,000 (2,290,000) | 1,450,000 |
大阪市は上記の式に当てはまると世帯の医療分・後期高齢者支援金分・介護分保険料の平等割、均等割が軽減されます。
会社都合等で退職した場合
会社都合で会社を退職した方も保険料が軽減される場合があります。
こちらも自治体によりルールが異なっていますので詳しくはお住まいの自治体でご確認ください。
こちらも名古屋市と大阪市の例を見てみましょう。
名古屋市の例
雇用保険受給資格者証の離職理由欄に記載の番号が「11」、「12」、「21」、「22」、「23」、「31」、「32」、「33」、「34」の方
出典:名古屋市「保険料を軽減する制度」
この場合には給与所得金額を100分の30として保険料額の算定されます。
特定受給資格者や特定理由離職者については下記記事を御覧ください。実は該当しているケースが結構あるんですよ。
大阪市の例
雇用保険受給資格者証の離職理由コードが以下のいずれかに該当する方(離職時に65歳以上の方を除く)
11・12・21・22・31・32(特定受給資格者)
23・33・34(特定理由離職者)
出典:大阪市「保険料の軽減・減免」
該当する対象者のルールは基本的に同じですね。軽減内容は多少違います。所得割について、給与所得を100分の30にして計算します。平等割、均等割について、7、5、2割軽減及び3割軽減の判定の際は、給与所得を100分の30にして判定
全額免除・減額は基本的に申請が必要
上記のような全額免除や減額に該当する場合には基本的に自分から申請をする必要があります。(一部は自動的に適用)
ですからもし該当するかもしれないと感じた方は住んでいる自治体の窓口で相談しましょう。
相談する際には健康保険証、世帯の所得がわかるもの(給料明細や源泉徴収票)などをご用意しておくとスムーズに運ぶでしょう。
また、自治体によって必要な書類も違いますので無駄足にならないように事前に必要書類を確認しておくとよいかもしれませんね。
全額免除・減額のデメリットはあるのか?
国民年金にも免除制度がありますが、こちらの場合は将来もらえる年金が減ってしまうというデメリットがありました。
しかし、国民健康保険の全額免除・減額は基本的にデメリットはありません。
全額負担している方と同様に医療費の軽減などを受けることができます。
もちろんそれ以外の葬祭費などの給付も受けることができます。
ですから該当するならば申請したほうが良いものと言えるでしょう。
国民年金の免除制度についてはこちらの記事を御覧ください。
先日、知り合いの方から国民年金の「年金特別催告状(ねんきんとくべつさいこくじょう)」が届いたと相談がありました。どうしてよいのかわからなかったようです。確かに名前からしてかなり怖い書類ですよね・・・「差し押さえ」の言葉も書い[…]
さかのぼって減免はできない。
また、国民健康保険は多くの市町村で「減免を受けようとする国民健康保険の納期限の7日前までに、あるいは納期限までに必要書類を添付して申請しなければならない」とされています。
つまり、さかのぼって申請したり、減免を受けることはできないのです。
ですから該当するかもしれないと思った方は早めに市町村の窓口に相談にいきましょうね。
まとめ
今回は「国民健康保険を全額免除されたり一部免除(減免)される条件や基準を解説」と題して国民健康保険を全額免除されたり一部免除されたりする場合の条件についてみてきました。
まとめると以下のとおりです。
国民健康保険は免除等をしてもデメリットはないため該当するなら申請したほうが良い
国民健康保険は会社等の健康保険に加入していないかに加入義務がある制度です。
一定期間滞納すると保険証が使えなくなり、被保険者資格証明書というものになり、一旦医療機関の窓口で全額負担をして手続き後7割が戻ってくる制度になっていまいます。かなり面倒ですよね。
さらに延滞すれば延滞金もついてしまいますし、7割戻ってくるはずのものが延滞額と相殺されたりもします。そうなる前にどうしても払えないなら自治体の窓口に相談に行ってみてください。
上記の免除が減免、減額に該当しているかもしれませんよ。
国民健康保険とはなんぞや?って方や国民健康保険ってなぜ高いの?という疑問がある方は下記の記事を御覧ください。
そろそろ自営業者の方など第一号被保険者の方には国民健康保険の納入通知書が届いたころかと思います。私の手元にも先日届きました。毎年感じますが本当に国民健康保険って高いですよね。今回は国民健康保険が高い理由と少しでも安く[…]
また、国民年金の免除については下記記事を御覧ください。
国民年金を払っても将来自分がもらえる頃には対してもらえないでしょ?と年金を払いたくないと考えている方が多くいます。また、国民年金が破綻すると思っているため払わないと言う方もいます。生活保護の方が多いから年金もらえなくても将来[…]
なお、新型コロナウィルスで収入が減った方用の減免制度も要請されています。
国民健康保険は自営業者などが加入する健康保険ですが、サラリーマンの方が入る健康保険と比較して会社負担もありませんし、加入者の多くが高齢者なこともありかなり割高なんです。そんな国民健康保険にあまり知られていませんが、全額免除されたり、[…]
読んで頂きありがとうございます
フェイスブックページ、ツイッターはじめました。
「シェア」、「いいね」、「フォロー」、「ツイート」してくれるとうれしいです