老後に必要な資金は5100万円

老後に必要なのは2,000万円ではなく退職金を含め5,100万円だった件。

先日、金融庁が発表した人生100年時代を考えると2,000万円くらい蓄えが必要だよとの調査結果「高齢化社会における資産形成・管理報告書」は麻生さんが火消しをするなどかなりの社会問題となり始めています。

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しかし、実はこの資料をまとめた金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の会議の議論過程でてていた資料だと老後に現在と同程度の生活をするためには退職金を含め5100万円必要というデータだったんですね。

強烈すぎるのか最終的な発表された資料ではこのあたりは入っていませんでしたけどね。

今回は本当に老後に5100万円は必要なのか、用意するためにどうしたらよいのかについてみていきたいと思います。

なお、今回の話の前提となる年金の仕組みはこちらを御覧ください

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5,100万円確保しないと現在と同程度の生活ができない

5,100万円必要という話の根拠は今回高齢化社会における資産形成・管理報告書を発表した金融審議会「市場ワーキング・グループ」の資料にあります。

下記は2018年10月11日の会議で提出された資料の一部です。

老後に必要な資金は5,100万円
老後に必要な資金は5,100万円

出所:2018年10月 第14回金融審議会「市場ワーキング・グループ」高田委員提出資料

黄色で書かれた箇所をご注目ください。

年金の所得代替率低下を想定しても現在と同程度の生活ができる水準として
退職金を含め約5,100万円確保

と書かれています。つまり、5,100万円は用意しないと現在と同程度の生活水準が保てないよって算定なのです。

また、同会議に厚生労働省がだしたこちらの資料でも退職金が組み入れられていますね。合計するとやはり退職金を含めて年金以外に5000万円程度必要な計算となります。

2000万円足りない根拠資料
2000万円足りない根拠資料

出所: 第21回金融審議会「市場ワーキング・グループ」厚生労働省提出資料

所得代替率が低下

所得代替率とは年金を受け取り始める時点(65歳)における年金額が、現役世代の手取り収入額(ボーナス込み)と比較してどのくらいの割合かを示すものです。

年金は賦課方式といって現役世代が掛けた年金を老後世代の方が受け取る仕組みとなっています。そのため今後少子高齢化が進展してくることで現役世代が減り、受け取る側が増えることが確実ですから現在の水準を維持するのは難しいのはだれが考えてもわかるでしょう。

それが減ることを想定すると5,100万円は用意が必要ってことなんですね。

2000万円足りないというのは今年金をもらっている人のデータ

ちなみに2,000万円足りないという今回発表されているデータは現在の老後世代の人が毎月年金だけでは5万円足りない。それが30年ちょっとは続くことが想定されますのでだいたい2000万円足りないという算定となっています。

つまり、所得代替率の低下(年金が減る)ことを想定してはいないのです。


若ければ若いほど必要な金額が多い

今若ければ若いほど少子高齢化の急激な進展の影響を受けますので必要となる資金は増えることが予想されます。

同資料に以下のデータもありました。

老後に必要となる資金の世代別の金額です。所得代替率が徐々に低下していきますので若い世代は必要となる貯蓄額が増えているのがわかると思います。

25歳の人でも月額4.3万円(利回り2%)の準備が今から必要な計算となります。

世代別必要資金
世代別必要資金

出所:2018年10月 第14回金融審議会「市場ワーキング・グループ 」高田委員提出資料

いくらの金融資産を持っているのか

老後の蓄えを考える前提となる現状みなさんいくらの金融資産額を持っているかについてから見てみましょう。

また、退職金がいくらもらえるのかについても考えてみましょう。

世代別金融資産額

まずは、実際に今の世代別の金融資産額がいくらあるのかです。

なお、以下の資料は金融資産となっていますから現金預金だけでなく株なども含まれています。

世代別の老後への備え
世代別の老後への備え

出所:金融庁「高齢化社会における資産形成・管理報告書」より

ぜんぜん5,100万円には足りていないんですよ。ここに退職金が加わるとしても全然足りません。

詳しくはこちらの記事も御覧ください。

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退職金はいくらもらえるのか?

それでは公的年金と並んで老後資金の中心となる退職金はいくらもらえるのでしょうか?

これは会社によって大きな違いがあるんですよ。

最近では退職金を廃止する企業も増えています。

有名なところではソフトバンクは退職金を廃止して「確定拠出年金」に一本化していますね。

まずは会社の就業規則や退職金規定を確認してみてください。

退職金について詳しくはこちらを御覧ください。

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厚生労働省が考える対策

そうはいっても5,100万円はかなり大きな金額です。

なかなか準備できない人も多いでしょう。

厚生労働省が考える対策をみてみましょう。

就労と私的年金でカバーする

こちらも最終報告書には掲載されていませんが、会議に提出された厚生労働省の資料だと以下のものがあります。

年金を繰り下げして老後も働く
年金を繰り下げして老後も働く

出所:2019年4月 第21回金融審議会「市場ワーキング・グループ」厚生労働省提出資料

簡単に言えば足りない部分は定年後も就労することと私的年金(iDeCoつみたてNISA)でカバーして公的年金は繰り下げしてもらう金額を増やすという方法です。

定年後も就労して老後資金を稼ぐ

最近は65歳でも皆さん元気な方が多いです。

十分就労できる人はありな選択肢でしょう。

また、若い人にはない経験と知識をもっていますしね。

ただし、老後でも雇ってもらるだけのエンプロイアビリティ(雇用される能力)や自分でお金を稼げる能力を退職までに培っておくことは必要となるでしょう。

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また、定年後も働く場合には下記の給付金についても知っておきましょう。

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私的年金でカバー(iDeCoとつみたてNISA)

iDeCoやつみたてNISAは老後資金を作るための定番です。

両方とも投資ですが、iDeCo(個人型確定拠出年金)は払ったときに所得控除の対象となります。またiDeCo、つみたてNISAとも運用に対しての利益は非課税となります。

つまり、老後資金を作るためにかなり優遇されている制度となります。

そうはいっても投資をしたことない方にとってはハードルが高いのも事実です。

しかし、長期・積立・分散投資をすると長期であればあるほど投資先を分散すればするほど収益のばらつきは少なくなりリターンが得やすいのです。

今回の「高齢化社会における資産形成・管理報告書」でも下記の通り20年のスパンで考えれ投資収益は2%〜8%に収斂するとしていますね。

つまり、長期・積立・分散投資をするとプラスになる可能性がかなり高いってことです。

長期・積立・分散投資の効果
長期・積立・分散投資の効果

出所:金融庁「高齢化社会における資産形成・管理報告書」より

個人型確定拠出年金(iDeCo)とつみたてNISAについて詳しくは下記の記事を御覧ください。

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繰り下げして公的年金を増やす

繰り下げとは簡単に言えば年金をもらうのを遅らせることで一回あたりの年金額を増やす制度です。

繰り下げをすると国民年金、厚生年金は1月遅らせるごとに0.7%ずつ増額されます。

現在の制度だと70歳まで繰り下げれば増額率は42%増となります。

なお、70歳まで繰下げの42%が今のところ満額となっていますが、これを75歳まで伸ばそうという話もありますね。

繰り下げについて詳しくは下記記事を御覧ください。

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まとめ

今回は「老後に必要なのは2,000万円ではなく退職金を含め5,100万円だった件。」と題して実は5,100万円くらいの用意が必要だった件をみてきました。

5,100万円はなかなか大きい数字ですが老後に現在と同程度の生活をするためにはそのくらいは用意しておくのが必要でしょうね。

厚生労働省が提案するように以下の点を準備しておくべきでしょう。

老後でも働けるだけの健康を維持、能力をつける
iDeCoやつみたてNISAを活用する
繰り下げしても生活できる状況を作っておく

補足:年金返せデモについて

また、老後に2,000万円必要だという話が出たことで年金返せというデモを起こそうという話まであります。しかし、2,000万円で済むのは公的年金をもらっての話です。もし公的年金がなければもっともっと必要だということは認識しておきましょう。

また、そんな状況ならもう年金を払わないという発言もネットで目にするようになりました。しかし、そもそも国民年金等の納付は義務ですし、公的年金には障害年金遺族年金という保険的な意味合いもあることを知っておきたいところです。

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また、投資は危険だ。貯金しなさいという評論家も信じないほうがよいでしょう。

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