IPO(新規公開株式)は当選確率はかなり低いですが、当たってさえしまえば勝率がよい投資法です。
ちなみにIPO投資の利回りはこんな感じです。
先日から、iDeCoの利回り、つみたてNISAの利回りと見てきました。今回はそのシリーズとしてIPO(新規公開株式)の利回りについて考えてみたいと思います。IPO投資はそもそも買えるか買えないかは抽選であるため運の要素が強く[…]
しかし、ちょっとむずかしいのがいつ売り抜けるのかという売るタイミングです。
IPOは値動きが激しいですから、せっかく当選してもタイミングを間違えると大きな損をしてしまうことに・・・
今回はそんなIPO株の売り時について考えてみましょう。
初心者におすすめは初値売り
まずいちばん確実なのが上場時の価格で売る初値売りです。
リスクは公開価格が初値を下回ってしまう可能性があることだけです。
初心者の方はどうしても心理につられてしまうため、売りタイミングを逃してしまうことがあります。
しかし、初値売りの場合は感情が入り込む余地がありませんので確実に売れるのです。
ちなみに直近のIPO銘柄だと9割くらいの銘柄は初値が公開価格を上回っています。
下回った1割ははじめから高い価格の公開価格だったり、業績が悪かったり、嫌われる親子上場や再上場だったりして怪しい銘柄でしたから応募する銘柄さえ選別すればかなり高い確率で勝てる売り時となります。
ただし、銘柄によっては思いの外もうからないということも・・・
初値天井銘柄が意外と多い
初心者のかたに初値売りをおすすめするもう一つの理由が初値が天井となってしまう銘柄がそれなりにあることです。
つまり、ずっと右肩下がりってことですね。
この場合には初値売りした人が最も正解だったということになります。
初値からどんどん上がるケースも
ただし、初値が思いの外のびなかった場合などにはその逆もあります。
上場後どんどん上がっていくパターンですね。
この場合は初値売りの場合には儲けが少なくなりますが諦めるしかありません。
セカンダリ(上場後に買うこと)のチャンスの銘柄ですね。
知っておきたいロックアップと財務分析
上記のとおり、IPO株の売り時としては初値売りがセオリーでしょう。
しかし、初値からどんどんあがっていってしまう株があるのも事実です。
そのため、私もそうですが初値売りを避ける方も見えます。
それでは私がどうやって初値売りをするかしないか、いつ売るのかを解説しておきます。(あくまでも私のやり方です)
基本的には下記のロックアップと財務分析を元に売り時を考えています。
ロックアップを確認する
ロックアップを知っておくことが必要です。
まずはロックアップについて解説しておきましょう。
会社が株式を新規公開する時には元々その会社の株を持っている人がいます。
例えば創業者、役員、従業員、ベンチャーキャピュタルなどです。
その方たちは大量の株を保持しています。上場する前は株を売ろうとしてもなかなか面倒ですが、上場してしまえばある程度自由に売買することができます。
そのため大株主が利益確定のために大量の株を売ることがあります。
そうなれば株価は大きく影響を受けてしまいますよね・・・
それを避けるために上場後、しばらくは株式を売りませんっていう約束をするケースがあります。
それがロックアップです。
つまり、ロックアップがある間は大株主からの売りが想定しなくてよいってことになります。
特に新規上場の会社は株式数がそれほど多くありませんので大口からの売りが株価に大きな影響を与えるケースがありますので必ずロックアップがどうなっているのか確認しておきたいところですね。
ロックアップのパターン
ロックアップにはいろいろなパターンがあります。
例えばロックアップ90日
これは上場後90日は株式を売りませんってことでロックアップ期間と言われます。
ロックアップ90日もしくは株価1.5倍
これは上場後90日経つのか、株価が公募価格の1.5倍になるまでどちらか満たすまでは売ってはダメですよってことです。
このうち株価の条件はロックアップ解除条件と言われます。
この2つは必ず確認しておきましょう。
この条件が外れたら大株主が売ることができるようになります。
露骨な銘柄だと外れた瞬間にかなり大きな売り圧力が発生するケースがあります。
ですから基本的にはロックアップが外れる前に売ってしまうのが安全ですね。
要注意なロックアップ
株主全員に同じロックアップ期間やロックアップ解除条件がついている場合もあれば一部株主だけの場合もあります。
ロックアップ期間やロックアップ解除条件がついていない株主は上場後自由に株を売る事が可能ですから注意が必要です。
特にベンチャーキャピュタル(VC)はそもそもまだ上場していない会社へ資金を投資して、上場させ売却して利益を得るのが目的ですから早い段階で売ってくる可能性が高いです。
ベンチャーキャピュタル(VC)にロックアップがないケースは注意が必要なのです。
また、ベンチャーキャピュタルのロックアップの条件が解除されるタイミング(90日経つとか株価が1.5倍を超えたなど)も注意が必要です。
ロックアップ期間/ロックアップ解除条件の調べ方
ロックアップ期間やロックアップ解除条件は新規上場の際に発行される「新規発行並びに株式売出目論見書」の「ロックアップについて」に記載があります。
「新規発行並びに株式売出目論見書」はIPOの抽選に参加できる証券会社なら見れるようになっていますのでそちらからご確認ください。
財務分析をする
もう一つが財務を分析することです。
IPOの初値やしばらくの株価は基本的に需要と供給で決まります。
そのため、IPOに財務分析なんて必要ないと考えている方も多いようです。
もちろん初値売りや数日のうちに売ってしまう場合、セカンダリーで儲ける場合ならそれも正しいと思います。
しかし、長期的に大きく儲ける銘柄を見つける手法の場合にはIPOでも財務分析は必要であると考えます。
それは新規上場企業の中には地雷といえる企業がかなり混じっているためなのです。
私は基本的にIPO投資でも財務分析は行って戦略を考えます。当選してからじっくり見る場合が多いですけどね。
同業他社と比較しよう
単純にその会社の業績を確認することは当然ですが、ぜひやっておきたいのが同業他社との比較です。
同業他社と比較してどのくらい割高なのか、割安なのかは知っておきたいところです。
もちろん扱っている商品などにもよりますが、魅力的な商品を扱っている会社などは同業他社水準までは上昇する可能性が高いです。
ですから様子見が可能となるのです。
逆にあきらかに同業他社よりも割高な水準にまで値上がりしている場合は要注意です。
時間がたつことで同業他社水準まで落ちていく可能性が高いです。
ですから売ること検討しましょう。
前述したようにIPOは需要と供給で決まります。
しかし、中長期的な目でみると妥当な水準の株価に落ち着いて来るのです。
当選した新日本製薬はまだ売っていません。
例えば先日上場した新日本製薬という株があります。
私も当選しておりますが、まだ売っていません。
いくつか理由がありますが、一つは同業他社と比較してまだまだ割安な水準にあるからです。
上に行く余地がまだまだあると考えているんですね。
IPOは怪しい銘柄も・・・
また、前よりはだいぶ少なくなりましたがIPOは上場時にお化粧するケース(粉飾決算)が少なからずあります。
新規上場企業は玉石混淆です。
玉石混淆とはすぐれたものと劣ったものが区別なく入り混じっていることをいいます。
簡単に言えば宝玉と石ころが混じり合っているってことですね。
実際に石ころの方が多いでしょう。俗に言う地雷企業ですね・・・
ですからそんな地雷を避けるためにもある程度の財務分析はしておきたいところですね。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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まとめ
今回は「IPO株に当選したらいつ売ればよいのか?IPOの売り時について考える」と題してIPOの売り時について見てきました。
なかなか難しい売り時ですが、かなり値動きの激しいIPO銘柄ですからある程度はじめから想定しておきたいものですね。
特に初値売り以外の場合にはロックアップの確認と財務分析はしておきたいところですね。
なお、初値売りか、持ち続けるどちらが良かったのかを過去の当選銘柄で検証してみた記事はこちらを御覧ください。
IPO投資を始めるには・・・
IPO投資を始めるにはまず証券会社に口座を開く必要があります。
IPOの場合に抽選に参加できる証券会社がその銘柄によりバラバラですのでできれば複数の証券会社で口座を開いておきたいところですね。
特に主幹事と呼ばれる上場を取り仕切る証券会社は取扱の株数も多く当選確率がかなり高くなりますので主幹事となる証券会社の口座は開いておくのが無難です。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
IPO(新規公開株)の購入はかなりリスクが低くリターンが大きい投資法です。そのため人気が高くなかなか当選しにくいです。当選確率をあげるためおすすめしたいのはたくさんの証券会社の口座をつくっておくことです。当然たくさん[…]
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