先日、ちょっと興味深い連絡がふるさと納税ポータルサイトからありました。
それは10月からの消費税増税により返礼品(食品)に見直し(寄附金額上昇)がかかる自治体があるとのこと。
この話を聞いて私はいろいろな疑問が湧いてきました。
そもそもふるさと納税って寄付だから消費税掛かってないよな・・・
ふるさと納税の返礼品の多くは飲食料品で軽減税率対象なのに消費税増税の影響?
さらにそもそも地方自治体って消費税納めてるのか?
という・・・
同じ疑問を持つかたも多いでしょうから今回は、返礼品に見直しがかかる自治体を紹介するとともにふるさと納税の消費税について調べて整理してみました。
消費税増税で返礼品に見直しがかかる自治体
まず、今回消費税増税で返礼品に見直しがかかるのは鹿児島県鹿屋市です。
鹿屋市の人気返礼品は以下のとおりです。特にうなぎが人気の自治体ですね。
なお、今回紹介する5つの返礼品(鹿屋市の返礼品すべて)は8/25(日) 23:59までの受付となっています。
ほしい方は急ぎましょう。
令和元年9月1日(日)に全返礼品のリニューアルとなっていますのでそこで見直しがかかるようです。
鹿児島産特上うなぎ5尾!
寄附金額 | 20,000円 |
容量 | 鹿児島県大隅産うなぎ(無頭) 約145g×5尾、蒲焼のたれ5袋(山椒付き) |
配送 | 入金確認から、最大2ヶ月程度お時間をいただく場合がございます。 |
うなぎ養殖日本一の鹿児島から直送する自慢の逸品となっています。
備長炭手焼【鹿児島県大隅産】黒匠うなぎの蒲焼2尾セット
寄附金額 | 10,000円 |
容量 | 黒匠うなぎの蒲焼 136g~154g×2尾 特製タレ 50g×2個 |
配送 | 取扱事業者の準備が整い次第、順次発送いたします。入金確認から1ヶ月半までにお届けします。 |
鹿児島県大隅産(黒匠うなぎ)を職人の手焼き備長炭焼きで1尾1尾じっくりと焼き上げた返礼品です。
日本一売れている天然アルカリ温泉水2Lペットボトル×24本
寄附金額 | 10,000円 |
容量 | 2Lペットボトル×12本入×2箱 |
配送 | 取扱事業者の準備が整い次第、順次発送いたします。入金確認から1ヶ月半までにお届けします |
ミネラルウォーター通販売上13年連続日本一に輝いた「財宝」が24本。
こだわり素材の手作りアイスクリーム4種21個
寄附金額 | 10,000円 |
容量 | ジャージーバニラアイス90ml×6個 アセロラアイス90ml×5個 抹茶アイス90ml×5個 チョコレートアイス90ml×5個 計21個 |
配送 | 取扱事業者の準備が整い次第、順次発送いたします。入金確認から1ヶ月半までにお届けします。 |
阿蘇産ジャージー牛乳・有機(オーガニック)砂糖・九州産生クリーム・財宝のおいしい卵(卵黄)を使用。素材にこだわり、おいしさを追求した、財宝オリジナル手作りアイスクリーム4種類21個セットです。
鹿児島県大隅産うなぎ蒲焼2尾(340g)
寄附金額 | 10,000円 |
容量 | うなぎ蒲焼170g×2尾(340g) たれ・山椒×2袋 |
配送 | 取扱事業者の準備が整い次第、順次発送いたします。入金確認から1ヶ月半までにお届けします。 |
漁協の組合員が丹精込めて育てたうなぎを、職人が一匹一匹捌いて、できたてのうなぎ蒲焼を真空パックにし、急速冷凍した返礼品です。湯煎して温めるだけで「ふっくら、やわらかい」うなぎ蒲焼をお召し上がりいただけます。
ふるさと納税と消費税増税
それではふるさと納税と消費税増税の関係について考えて見ましょう。
ちょっと複雑ではあります。
ふるさと納税は寄付金だから消費税はかからない
ふるさと納税は消費税の対象となっていません。
消費税のかからない対象である「不課税取引」とされています。
不課税は他に以下の取引があります。
(2) 寄附金、祝金、見舞金、補助金等・・・・一般的に対価として支払われるものではないからです。
(3) 無償による試供品や見本品の提供・・・・対価の支払いがないからです。
(4) 保険金や共済金・・・・資産の譲渡等の対価といえないからです。
(5) 株式の配当金やその他の出資分配金・・・・株主や出資者の地位に基づいて支払われるものであるからです。
(6) 資産について廃棄をしたり、盗難や滅失があった場合・・・・資産の譲渡等に当たらないからです。
(7) 心身又は資産について加えられた損害の発生に伴い受ける損害賠償金・・・・対価として支払われるものではないからです。
しかし、損害賠償金でも、例えば次のような場合は対価性がありますので、課税の対象となります。
イ 損害を受けた棚卸資産である製品が加害者に引き渡される場合で、その資産がそのままで使用できる場合や、軽微な修理をすれば使用できる場合
ロ 無体財産権の侵害を受けたために受け取る損害賠償金が権利の使用料に相当する場合
ハ 事務所の明渡しが期限より遅れたために受け取る損害賠償金が賃貸料に相当する場合出典:国税庁「課税の対象とならないもの(不課税)の具体例」より
飲食料品は軽減税率対象
そうはいっても自治体は返礼品を仕入れているのか委託してふるさと納税をした方に配送しています。
ですから自治体は消費税を支払っていますね。
増税となればそこの負担が増える可能性があります。
ただし、今回の消費税増税は軽減税率という制度が導入されます。
軽減税率とは一部の例外を除いた飲食料品と新聞が税率を8%に据え置くという制度です。
ですから飲食料品の返礼品の場合はそもそも自治体が払う金額も変わらないはずです・・・
軽減税率について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
2019年10月1日から予定どうりに消費税が10%に引き上げらましたそれに伴い商品や買い方によって税率が変わる軽減税率が導入されました。軽減税率がかなりややこしいところがあります。特に飲食店なんかがいろいろな問題が生[…]
消費税の計算の仕組み
消費税の計算方法は少々複雑ですが簡単に説明すれば以下のとおりです。
ふるさと納税はもらう金額は寄付ですから消費税がかかりません。
払う金額は消費税を払っていたとしても払う金額が増えればそれだけ納税する消費税も減るのです。
ですからここまで考えると今回の消費税増税理由で返礼品の見直しはこのあたりの点を考えると謎です。
返礼品(飲食料品)の購入は消費税は軽減税率
返礼品(飲食料品以外)の購入は消費税2%増えるが、払った消費税が増えれば納税額も減る。
増える要素ないんですよね。。。
ポイントは以下の点にありました。
そもそも地方自治体って消費税納めているの?
次に考えたいのがそもそも地方自治体は消費税を納めているのかという点。
国、地方公共団体、公共・公益法人等は以下の特例となっています。
出典:国税庁「国、地方公共団体や公共・公益法人等と消費税」
地方公共団体の一般会計は課税標準額に対する消費税額と仕入税額控除税額を同額とみなし申告義務なしとされています。
簡単に言えば「預かった消費税=支払った消費税」とされているのです。
ただし、地方公共団体でも特別会計については特別会計ごとに一の法人が行う事業とみなして消費税法の規定を受けるとされています。
ふるさと納税は一般会計に当たるようですから消費税は無関係です。
ですが、実際には自治体は消費税を業者に払っているはずです。
今回、消費税が増税されることで購入する返礼品の金額が上がればそれだけ自治体の負担が増えるわけです。
そこで返礼品の見直しという話になったということでしょう。
ちょっと一般企業とは違った話なんですよね。
ただ、軽減税率対象の商品も一律に上げるのはどうなんだ・・・って気がしないでもありませんが。
インボイスが導入されたら自治体の消費税の扱いはどうなるんでしょうかね。。
まとめ
今回は「【ふるさと納税】急げ!!消費税増税で返礼品の見直しがかかる自治体がある件。」と題してふるさと納税の消費税についてみてきました。
整理すると以下のとおりです。
・自治体は返礼品を購入するのに消費税を払っている
・自治体は消費税の申告義務なし
・消費税が上がればそれだけ負担が増えるから返礼品値上げ
・飲食料品は軽減税率で据え置きだから一律値上げはちょっと・・・
今後、他の自治体も続いてくる可能性が高いですからふるさと納税をするなら増税前がよいかもしれません。
ちなみに2019年10月からは他にも中小企業でキャッシュレス決済をすると5%が還元されるキャッシュレス還元事業、子育て世代や住民税非課税世帯にプレミアム付き商品券、年金を含めても所得が低い方の生活を支援するために、年金に上乗せして支給する年金生活者給付金が実施されます。
これらも合わせて押さえておきましょうね。
消費税増税の駆け込み関連ではこちらの記事も合わせてお読みください。
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