投資信託などの「資産形成」が高校家庭科授業に採用!。私ならこんなカリキュラム・シラバスにする

興味深いニュースが流れてきました。

2022年度から高校の家庭科範囲に投資信託などの「資産形成」が加えられるというのです。

2022年度から始まる高校の新学習指導要領は、家計管理などを教える家庭科の授業で「資産形成」の視点に触れるよう規定した。家庭科の先生が裁縫や調理実習に加え、株式や債券、投資信託など基本的な金融商品の特徴を教えることになる。教育現場では戸惑いも広がるなか、金融庁は「出張授業」や教材づくり、先生を対象にした投資イベントなどを通じて準備を後押ししていく。
出所:日経新聞 11/12 高校家庭科で「投資信託」 22年4月から授業

私の時代は家庭科と言えば裁縫や料理などをやった覚えしかありません。

しかし、最近は悪徳商法などに騙されない的な消費者目線の授業も範囲に入っているそうです。

そこに2022年から資産形成も加えられることになったとのこと。

今回の新しい試みはぜひ期待したいところですね。

だれが教えるんだ・・・って問題もありそうですけどね・・・

そこで資格の予備校で教師経験があったり、仕事でよくセミナー講師を担当する私ならこんなことを教えますよ。ってカリキュラムやシラバスを勝手に考えてみました(笑)

日本人はお金の教育がほとんどされていない

日本人は相対的に世界的に見て金融リテラシーが低いです。

上記のようなやばい統計結果まであります。

落ちているお金を拾うことすらできないですよね・・・

この原因として大きいのは教育にあるでしょう。

下記記事にも書きましたが、欧米はお金の教育をそれなりにやっています。

対して日本は教育がほとんどされていないんですよ。

この差がとても響いてしまっています。

実際に日本人の多くは投資=ギャンブル投資=損するというイメージを持ってしまっているんですね。

日本人の金融資産の多くが現金・預金

そのため多くの方の金融資産は預貯金という世界的に見ても歪な資産構成となってしまいっているのです。

日・米・欧の金融資産比較
日・米・欧の金融資産比較

出所:日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」2019年8月29日

日本人の金融資産における現金預金の占める割合は約53%、対してアメリカは約13%しかありません。

逆に株や投資信託は日本人は合わせて14%しかありませんが、アメリカは46%もあるのです。

ヨーロッパの国と比較しても日本は現金・預金がかなり多く株や投資信託が少なくなっています。

かなり大きな差となっていますね。

日本人は実際に金融知識に乏しい

また、実際に金融知識も他国と比べると低いというデータもでています。

下記は知るスポットが行った「金融リテラシー調査2019」の結果です。

パーセンテージは正答率を示しています。

金融問題をどれだけ解けたのかの平均でみると日本は47%に対しアメリカは53%とかなり大きな差となっていますね。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

日本アメリカ
複利44%75%
インフレ55%59%
住宅ローン70%75%
分散投資47%46%
債券価格24%28%
72の法則42%33%

出所:金融広報中央委員会「知るすぽっと」金融リテラシー調査2019より

72の法則と分散投資以外はアメリカのほうが上となっており、アメリカと比べて日本はだいぶ金融知識が薄いと言えます。

特に複利の部分の差がかなり大きいですね。

ちなみにヨーロッパの国々と比べてもだいぶ劣る結果となっておりました。

このような状況ですから今回の高校の授業で資産形成が加えられるのは大変意義のあることだと思います。

高校の家庭科で教えられる内容

それでは今回高校の家庭科でどのようなことが教えれられることになったのでしょうか。

新学習指導要領によると「持続可能な消費生活・環境」の中の「生活による経済の計画」として以下の項目が入っています。

家計管理については , 収支バランスの重要性とともに,リスク管理も踏まえた家計管理 の基本について理解できるようにする。その際,生涯を見通した経済計画を立てるには, 教育資金,住宅取得,老後の備えの他にも,事故や病気,失業などリスクへの対応が必要であることを取り上げ,預貯金,民間保険,株式,債券,投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット,デメリット),資産形成の視点にも触れるようにする。

出所:文部科学省 高等学校学習指導要領解説 家庭科より

としています。

つまり、社会保険などお金全般の話に加えて「預貯金,民間保険,株式,債券,投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット,デメリット),資産形成の視点にも触れるようにする」という部分が今回の資産形成ということです。

ただし、ちょっと気になるのが「触れるようにする」という部分です。

この書き方だとほんとうにちょっとだけ触ってさらりと終わってしまう予感しかしません。

しかし、この専門的な分野に詳しい先生は少ないとみられ、東京都内の私立高校で家庭科を教える女性教諭は「(資産形成の教育は)必要だとは思うが……」と困惑気味。地方の公立高校の女性教諭も「授業ではほとんど触れないだろう」と消極的だ。
出所:日経新聞 11/12 高校家庭科で「投資信託」 22年4月から授業

実際に日経新聞のコメントにも上記のように「授業ではほとんど触れないだろう」との発言までされている始末・・・

自分たちが資産形成をやっていない方からすると教えるのはなかなか難しいというのが本音でしょうね。

今でも税務の出張授業を税理士が、社会保険の出張授業を社会保険労務士が、経営の出張授業を中小企業診断士が受け持つケースがありますが、ファイナンシャルプランナーなどで出張授業とするのが現実的かもしれません。

ファイナンシャルプランナーも知名度アップや信頼度アップのチャンスかもしれませんね。

下記記事に書いたようにオリラジ中田氏の動画なんかもありましたしね・・・

私ならこんなカリキュラム・シラバスにする

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