最近、楽天証券から毎日のようにあるメールが来ます。
【投信基準価額下落メール】です。
これは保有している投資信託が前営業日と比較し、5%以上基準価額が下落したタイミングで配信されるもので急落をお知らせしてくれるものです。
他の証券会社も同様のサービスを提供しているところもあります。
最近は基本的に上げ相場でしたからここまで急激な下げはあまりなく、投信基準価額下落メールをはじめて見た方が多いでしょうから驚かれたかもしれませんね。
その投資信託をどうすればよいのかを含めて不安を抱えている方も多いでしょう。
そこで今回は「投信基準価額下落メール」が届いた場合の対処法について考えて見たいと思います。
投信基準価額下落メールとは
投信基準価額下落メールは一定程度以上基準価額が下落したタイミングで配信されるメールです。
楽天証券では以下の条件となっています。
普段、株や投資信託の価格を見ない方にも急落をお知らせしてくれるってことですね。
通知される内容は証券会社によって異なりますが、私がつかっている楽天証券を例にご紹介しましょう。
通知される内容(通常設定)
通知される内容は通常設定なら下記の3点です。
メールには直接記載されておらず楽天証券にログインして見る形となります。
記載されるのは以下の3点です。
・前営業日比・率
・委託会社からのレポート
投信基準価額下落メールから楽天証券にログインするとすると以下のように表示されます。
例えば上記の通り、私が楽天ポイントが貯まると買っている「グローバル3倍3分法ファンド」は3月13日に以下の通り5%以上の下落となりました。
どれだけ下がったのか一目でわかりますね。
さらにレポートをクリックすると各委託会社が出しているレポートを閲覧することが可能です。
各社そこまで深い内容が書いてあるわけではありませんが、大きく下げた理由が明記してあります。
例えば上記のグローバル3倍3分法ファンドは以下の通りとなっていました。
3月11日、トランプ米政権による経済対策の不透明感を背景に失望感が高まり、米国を中心に 株価が下落しました。また、米エネルギー情報局が同日発表した米原油の在庫が、市場予想以 上に増えたことなどから、原油価格や主要な資源国の通貨(対円)が下落しました。この流れを 受け、翌12日の日本の株式市場も下落しました。
出所:日興アセットマネジメント 「弊社ファンドの3月12日における基準価額の下落について」より
通知される内容(任意設定)
さらに任意で設定をしておくと以下の点まで表記されることになります。
この辺りは保有商品一覧でも確認することは出来ますのでそこまで必要はないと思いますが・・・
一目ですぐに見れるようにしたい方は設定しておくとよいでしょう。
・前営業日比・率
・(委託会社からの)レポート
・分配金コース
・口座区分
・評価額(数量)
・評価損益(率)
・評価額前営業日比
・時価評価額合計
・時価損益額合計
設定変更も可能
なお、上記の任意設定は楽天証券にログイン後、以下の手順で変更可能です。
また、同じ画面から配信タイミングを翌日朝(標準設定)から当日(23時〜)に変更も可能です。
そもそも配信が来ないようにすることも可能です。
投信基準価額下落メールは不要と思ったら「配信しない」を選択しておきましょう。
逆に下落していなくても投信の基準価額を配信してほしい場合は、同じ画面から「投信基準価額メール」の配信設定することも可能です。(標準は配信しない)
投信基準価額下落メールが来たら売却したほうが良いのか?
今回のように大きな下げが来てしまうとその投資信託を売却したほうがよいのかを悩む方が多いでしょう。
これには正解はありません。
考え方や取引形態次第です。
今は損してても儲かるからそのまま続けろなんて書いている方も多いですが、それはかなり無責任な言葉だと思います。
相場の世界に絶対はありませんからね。
ですので私はこう考えているよってことをここではお話ししましょう。
つみたてNISAやNISAで購入している場合
まず、つみたてNISAやNISAなど非課税枠で投資している場合です。
この場合には私なら売りません。
なぜなら売ってしまえばその部分の非課税枠が終了となるからです。
また、つみたてNISAはマイナスがでても他の株の利益と相殺できないという部分がありますので売却するメリットがあまりないんですよ。
そもそもつみたてNISAは20年間の長期投資をすることを考えて投資していますからね。
ちなみに私のつみたてNISA口座の成績は以下の通りです。
新型コロナウィルスでマイナスに転じています。
なお、つみたてNISAが始まる前のNISA分は今の所まだプラスとなっていますのでとりあえずこちらもそのままの予定です。
長期投資目的で買ったもの
つみたてNISAやNISA枠以外で長期投資目的で買ったものは一度見直ししてみるのも良いでしょう。
当初の目的、実際の利益(損失)、投資先の将来性などを含めてですね。
特にここ数年は信託報酬が低かったり、魅力的な投資信託がどんどん出てきています。
あえてその投資信託を持ち続ける必要があるのかを見直すチャンスかも知れません。
特にその投資信託の過去のリターンや純資産額の推移などを見比べてみるとよいでしょう。
また、今回の暴落でかなりストレスを感じているようならリスクを取りすぎの可能性もあります。
投資先、投資金額も含めて見直してみるのもおすすめですね。
短期投資目的で買ったもの
短期的な利益を目的として買った投資信託はどうでしょう?
この場合、私なら損切りします。
この辺りは考え方しだいですが、当初の想定とズレてしまった時点でその投資は失敗です。
一旦損を認めて、次のチャンスを待つのが良いと考えます。
資金は有限ですしね。
損切りしない派の人も多いですが、その方たちも「売却するまで損ではない」と考えるのはやめたほうがよいと思います。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
積立投資をしている
つみたてNISA以外で積立投資をしている場合も長期投資をしている場合と同様ですね。
いい機会ですから投資先や投資商品を一度見直ししてみるのも良いでしょう。
ただし、投資信託の基準価額が下がっているということは現在は安く買えるってことです。
その辺りも加味して考えましょうね。
相場の底や天井なんてだれにもわかりません。
時間分散して継続して積立投資をしていくというのはある意味、理にかなった投資法なんですよ。
理論上はプラスになる確率が高い
結局、お蔵入りになってしまった資料ですが、金融庁が年金だけでは2000万円足りないとのレポートが9月ころに話題になりました。
その際に金融庁が出した資料で積立投資の優位性が分かりやすいものがありましたのでご紹介しましょう。
出所:金融庁「高齢化社会における資産形成・管理報告書」より
長期的に投資先を分散して積立投資をすればかなりの確率でプラスになるというデータです。
20年間資産運用しても定期預金では年平均0.1%で1.32%しか増えませんが、国内、先進国、新興国の株や債券に分散投資の場合で79.9%増、国内の株、債券に半分ずつでも38%の増となっています。
これもあくまで過去のデータですから絶対儲かるとは言えませんが・・・
まとめ
今回は「楽天証券からの【投信基準価額下落メール】へどう対応すればよいのか?設定変更も可能」と題して楽天証券から送られて来る投信基準価額下落メールの話を見てきました。
基本的に投信基準価額下落メールはあくまで前日の基準価額が変動したという連絡です。
投資信託は株などと違って慌てて動いても意味はありませんから冷静になってどうするのが良いのかを判断してくださいね。
個人的には保有している投資信託は長期・分散・積立ですから淡々と積み立てていくだけですね。
特にiDeCoやつみたてNISAのような税制優遇を受けられる仕組みを利用するのがおすすめですね。
詳しくは下記を御覧ください。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)とは
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は簡単に言えば自分の老後生活のために老後資金を自分で作るための制度です。
具体的にはこんな感じの流れになっています。
↓
その積み立てたお金で投資信託や定期預金、保険などの商品を選択して運用
↓
60歳以降にその運用した資産を受け取ることができる。
国民年金や厚生年金と合わせた年金制度の上乗せ部分を自分で運用できる制度として考えると良いでしょう。
最大のメリットは掛けた金額が全額所得控除の対象となり、掛ければ掛けるだけ所得税と住民税の節税効果があるところです。(種別により掛けられる上限があり)
運用で利益がでてもその部分について非課税となります。
つまり、税金面でかなり優遇された制度ってことですね。
ただし、イデコはどこの銀行や証券会社で始めても同じかと言うとそうではありません。
手数料が大きく違います。
また、取り扱い商品も大きく違うんですよ。
どこで始めるのかは慎重にお選びください。
個人型確定拠出年金(iDeCo)について詳しくは下記の記事を御覧ください。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)はかなりお得で良い制度です。その反面、株式投資などの資産運用などの経験がないとかなりわかりにくく難しい制度でもあります。そのため「お金に生きる」でもかなり力を入れて記事を書いてきました[…]
つみたてNISAとは
つみたてNISAは簡単に言えば少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に似た部分もありますが、大きく違うのは途中で解約が可能という点でしょう。
ただし、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にある所得控除がありません。
また、大きな特徴として投資できる対象となる商品が金融庁が選別してくれている点があります。
金融機関等は顧客の利益よりも自社の利益を優先する傾向があり、地雷と呼ばれる悪徳商品を売りつける事案が多数発生していました。
それを防ぐ意味もあり、金融庁が厳しい条件の元に長期、積立、分散投資に適した商品を選んでくれているのです。
かなり初心者にもやさしい投資制度なんですね。
ただし、つみたてNISAもどこの銀行や証券会社で始めても同じかと言うとそうではありません。
取り扱い商品や注文の柔軟性が大きく違うんですよ。
どこで始めるのかは慎重にお選びください。
つみたてNISAについて詳しくは下記の記事を御覧ください。
つみたてNISAは個人型確定拠出年金(iDeCo)と並んで老後資金を作るための制度として金融庁が推奨しています。話題となった老後資金が年金だけでは2000万円足りないという資料でも対策として紹介されていましたね確かにつみたて[…]
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