最近、レバレッジ型バランスファンドが続々登場しています。
そのきっかけとなったのが日興アセットマネジメントの「グローバル3倍3分法ファンド」です。
当初、突飛であるため色物扱いをされていた「グローバル3倍3分法ファンド」ですが最近では実績の高さもあり、じわじわ人気を上げてきているですよ。
実際にSBI証券の投資信託ランキングでも軒並み上位入りしています。
最新(2019/10/15~2019/10/18)データによるとグローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)が販売金額ランキング2位、積立設定金額人気ランキングでも2位、銘柄注目度人気ランキング10位、資金連続流入ランキング2位と人気ファンドの仲間入りを果たしました。
売れていれば良い投資信託というわけではありませんが、人気の高さが伺えますね。
その人気を受けて各社が後追いで「楽天米国レバレッジバランス」や「ウルトラバランス世界株式」などレバレッジ型バランスファンドが続々登場しているのです。
今回はそんな「グローバル3倍3分法ファンド」について人気の秘密に迫るべく徹底レビューをしていきます。
ちなみに私も「グローバル3倍3分法ファンド」は貯まったTポイントや楽天ポイントで買っているんですよ。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
グローバル3倍3分法ファンドとは
それでは「グローバル3倍3分法ファンド」について詳しく見ていきましょう。
「グローバル3倍3分法ファンド」は日興アセットマネジメントが2018年10月4日に販売を開始した新しいタイプの投資信託です。
最大の特徴がカチカチなアセットアロケーションにレバレッジ(借金)を掛けるという投資スタイルにあります。
グローバル3倍3分法ファンドの投資先
それではグローバル3倍3分法ファンドの投資先について見ていきましょう。
出典:グローバル3倍3分法ファンド「目論見書」より
グローバル3倍3分法ファンドの投資比率は株式が20%、REITが13.3%で、債券が66.7%です。
債券が2/3もあるかなりカチカチなアセットアロケーションです。
3倍のレバレッジを掛ける
それを先物取引で3倍にレバレッジを掛けることで信託財産の純資産総額の3倍相当額の投資をおこないます。
それにより以下のように投資していると同じ状態となるのです。
REIT40%(日本REIT20%、先進国REIT20%)、
債券200%(日本国債40%、米国国債40%、ドイツ国債40%、イギリス国債40%、豪州国債40%)
イメージとしては100万円投資をする場合、100万円を元出に借金して株式60万、REIT40万、債券200万円の合計300万円分を買うって感じですね。
いいどこ取りの投資信託
カチカチなアセットアロケーションにレバレッジ(借金)を掛けることで
(2)上がるときにはしっかり上がる(60%を株式、40%をREITにあてることでリターン追求)
という2つの特性をそなえています。
実際に過去のシュミレーション(バックテスト)によると「先進国株」「新興国株」「REIT」「債券」といった単一資産に投資したり、単純に「3分法」に投資するよりもリターンとリスクの効率が改善し、高いリターンを得ているそうです。
グローバル3倍3分法ファンドの手数料
グローバル3倍3分法の手数料は以下のとおりです。
レバレッジ型バランスファンドとの比較
例えば後発で出てきたレバレッジ型バランスファンドは以下の信託報酬率です。
アセットアロケーションが違いますから一概には比較できませんが比較的低い部類に入ってきますね。
「ウルトラバランス世界株式」信託報酬率(税込)/年:0.743%
「米国3倍4資産リスク分散ファンド」信託報酬率(税込)/年:1.1275%程度
インデックス型バランスファンドとの比較
レバレッジを掛けないインデックス型のバランスファンドとも一応比較しておきましょう。
同じアセットアロケーションの商品はありませんので、一番人気のインデックス型のバランスファンドであるeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)と比較してみましょう。
8資産均等型は国内株、先進国株、新興国株、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内REIT、先進国REITに均等に投資をするタイプです。
グローバル3倍3分法ファンドとはかなり投資対象が違いますから単純な比較できませんが、インデックス型と比較すると少し高めの信託報酬であることがわかると思います。
レバレッジを掛けている分それだけたくさんの投資をしていますし、借金をしていることと一緒ですからそれら費用も嵩みますから仕方ないところもありますね。
グローバル3倍3分法ファンドの種類
グローバル3倍3分法ファンドは分配金の違いで2種類の商品がラインナップされています。
グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型)
個人的には下記記事のように分配金や配当は不要だと思っています
そのため、グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)一択かな・・・
分配金や配当、株主優待の投資に与える影響はこちらの記事を御覧ください。
先日、親戚が株を始めたいということで少し相談をされました。その方はもうすぐ定年を迎えるため、ボケ防止と老後の収入を増やすために株を始めたいとのこと。近所の方が株をやっておられ株主優待や配当をもらっていて、その方にNISAで株[…]
グローバル3倍3分法ファンドの成績
グローバル3倍3分法ファンドはできて1年くらいのファンドですが一応過去の成績も確認しておきましょう。
わかりやすいように同じ期間の日経平均とアメリカを代表する株式指標S&P500とで比較してみましょう。
騰落率
2019年10月21日時点の騰落率は以下のとおりです。
スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型) | グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型) | 日経平均 | S&P500 | |
1ヶ月 | 1.53% | 0.52% | 1.74% | -0.15% |
6ヶ月 | 12.33% | 8.96% | 1.89% | 0.38% |
1年 | 27.64% | 23.77% | -1.47% | 5.83% |
設定来 | 25.32% | 21.33% | – | – |
なお、グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)とグローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型)の大きな差は分配金にあります。
グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型)はこの間に120円、115円、110円、110円と4回の分配を出しています。
対してグローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)は分配金を出していません。
その差ですね。
また、日経平均やS&P500よりもかなり好成績なのが分かります。
これを牽引しているのは国内REITなんですよ。
トータルリターン
2019年9月30日時点のトータルリターンは以下のとおりです。
スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型) | グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型) | 日経平均 | S&P500 | |
1ヶ月 | 3.07% | 3.05% | 6.05% | 2.70% |
6ヶ月 | 11.33% | 11.29% | 0.89% | 3.09% |
1年 | – | – | -10.51% | -1.89% |
設定来 | 24.72% | 25.65% | – | – |
こちらも同期間で比較して日経平均やS&P500よりかなり強いのが分かりますね。
ただし、あくまでも1年しか実績がありませんのでこの間はこういう結果でしたとしか言えませんけどね。
グローバル3倍3分法ファンドにデメリットや懸念材料はないのか?
今まで見てきたようにグローバル3倍3分法ファンドはバックテストの結果も良好ですし、実際の成績も順調に来ています。
それではグローバル3倍3分法ファンドにデメリットや懸念材料はないのでしょうか?
そんなことはありません。
当然いくつか考えられますのでご紹介しておきましょう。
償還日が決まっている
まず1つ目のデメリットや懸念材料として償還日が決まっていることが挙げられます。
償還日とは運用期間の終了日を示します。
償還日は以下のとおりです。
約10年後には償還されてしまうんですね。
もちろん今後の状況によっては運用期間が伸びたり、無期限になる可能性もあります。
しかし、現状では10年しか運用してくれませんので老後資金を準備するといった用途には向かないかもしれませんね。
ただ、その時点で魅力的な投資信託に乗り換えればよいだけの話ですけどね。
債券と株の同時下落もあり得る
グローバル3倍3分法ファンドは債券の比率をかなり高くしてリスクを押さえつつ、レバレッジを掛けることでリターンを増やした投資信託です。
通常、債券と株、REITの相関係数をみるとあまり相関がなかったり、逆相関になっています。
つまり、動きに連動性がなかったり、逆に動いてくれますので同時に購入することでリスクをおさえることができるのです。
しかし、大きな何かがあった場合には債券と株、REITが同時安となってしまう可能性もなくはないのです。
そうなった場合にはグローバル3倍3分法ファンドは3倍のレバレッジを掛けていますので大きな損失を被る可能性も考えられます。
グローバル3倍3分法ファンドまとめ
今回は「【グローバル3倍3分法ファンド】レビュー。カチカチなアセットアロケーションにレバレッジを・・・」と題して【グローバル3倍3分法ファンド】レビューを見てきました。
結論としては以下のとおりです。
評価:4.5グローバル3倍3分法ファンドかなり尖った商品となっています。理論上はリスクが低く、リターンが大きいという理想的な商品となっています。また、バックテストの結果も実際の運用1年での実績もすばらしいです。ですからかなりおすすめしたい商品です。信託報酬も同系列の投資信託と比較すると低めですしね。
しかし、債券と株、REITが同時安となってしまう可能性もなくはないです。つまり、それなりにリスクがある投資信託ってことです。ですから老後資金をこれだけに頼って全力で投資をする対象としてはあまりおすすめしません。私は様子見の部分もありポイント投資のみで購入していますね。
グローバル3倍3分法ファンドを購入するならこSBI証券がおすすめですよ。
使い勝手もよく、投資信託の購入でポイントが貯まるのがうれしい限りですね。
CHECK! SBI証券
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