厚生労働省が公式の「年金アプリ」を検討しているとのこと。
ねんきん定期便(郵送)やねんきんネットはすでにありますが、パソコンを持っていない若い世代にも対応するためにはスマホで手軽に見れる「アプリ」で年金情報を見えるようにするのは大変良いことだと思います。
ただし、公的なところが出すアプリはどうしても微妙に使い勝手が悪く、結局使われないことが多いんですよね。
どこかの大手IT企業に高いお金を出して委託しているのでしょうが・・・・
せっかく、税金を掛けてやるなら意味のある、使われるものとしてほしいところです。
今回は「年金アプリ」について私一個人の意見を書いてみたいと思います。
もし本業務に関わっている方がご覧になるようでしたら少しでも参考にしていただけると幸いです。
厚生労働省が検討する年金アプリとは
年金アプリは令和2年改正年金法の趣旨をわかりやすく正確に伝え、かつ、公的年金、私的年金等を通じて個々人の現在の状況と将来の見通しを全体として「見える化」するための仕組みとして検討されているとのこと。
出典:厚生労働省年金局総務課年金広報企画室「個々人の年金の見えるかのための取り組みについて」より
将来もらえる年金がわかる
年金アプリでできることとしては「ねんきん定期便」にあるように現在の納付状況によって将来年金がいくらもらえるのかわかったり、iDeCo(個人型確定拠出年金)や確定給付企業年金(一部 )の資産残高も提供できるようにしたいとのこと。
便利そうではありますが、すでに私が使っている家計簿アプリの「マネーフォワードME」ではねんきんネットやiDeCo口座を紐付ければそそれらを残高に反映させることが可能です。
マネーフォワードMEなら預金や株などの資産も一覧で見ることができますのでわかりやすいんですよ。
つまり、マネーフォワードMEで出来る一部の事ができますよってだけなのです。下位互換ですよね。
一応、民間アプリとの連携もできるようですが、CSVファイルを書き出して読み込ませるとかいつの時代の話なんでしょうか・・・・
すでにマネーフォワードMEで出来ることを新しいアプリでやるメリットをまったく感じられません。
シュミレーションができる
また、以下のようなシュミレーションができるようです。
便利そうではあります。
しかし、そもそも将来もらえる年金の試算といっても日々大きく変わるようなものではありませんから正直言ってしまえば、この内容なら一度みれば十分ですね・・・・
実際、「ねんきんネット」も一度ログインして一通り見たらそれでOKな内容しかありません。
繰り上げ・繰り上げのシュミレーションも下記記事に書いたように何歳で年金をもらうのが良いのかは様々な要素が絡んでしまうので予想するのが難しいんですよ。
単にもらえる金額だけのシュミレーションをしてもそれほど意味はないのです。
ですからいま出てるこの内容のだけのためにアプリとしてスマートフォンにいれておく意味をあまり感じないですね。
アプリとして入れるなら定期的に見るような内容でないと意味はないと考えます。
年金アプリ導入のスケジュール
年金アプリの導入スケジュールは以下のとおりです。
令和2年度開発とのことですからすでにプロジェクト等は動いている状況なのでしょう。
私見:公式アプリは不要。民間に情報提供すればよい
スマートフォンで気軽に年金情報に触れられる環境をつくるという意図はよいでしょう。
しかし、個人的な意見としては多くの税金を使ってわざわざ専用に公式アプリを作る必要はないと考えます。
それならばすでに普及している家計簿アプリなどとの連携を強化したほうが利用者側も有意義ですし、税金の利用も少なくなるはずです。
すでに多くの家計簿アプリは運営が長く改良を重ねてますから使い勝手もかなり良いんですよ。
今から「年金」に特化したアプリを作っても、利用範囲の面でも、使い勝手の面でもスマートフォンの容量を圧迫する存在になるだけの予感しかしません。
公式の年金アプリを作るなら家計簿アプリで出来ないことを提供しないと意味はないでしょうが、私はぱっと浮かびませんね。
せっかく作るならなにかそういう要素を入れていただきたいものです。
やりそうで怖いのが・・・
今回の話で一番怖いのは公式の年金アプリの意味を持たせるために、既存の家計簿ソフトの「ねんきんネット」の連携を取りやめるということでしょう。(セキュリティの心配とか理由を付けて・・・)
一番に考えなければならないのは利用者側の利便性であることを忘れてないでいただきたいところです。
まとめ
今回は「厚生労働省が公式の【年金アプリ】を検討中・・・しかし、内容を見ると税金の無駄使いにならないか心配な件。」と題して厚生労働省の年金アプリについてみてきました。
年金アプリは令和2年改正年金法の趣旨をわかりやすく正確に伝え、かつ、公的年金、私的年金等を通じて個々人の現在の状況と将来の見通しを全体として「見える化」するための仕組みを導入するという趣旨はとてもよいと思います。
しかし、いま出ている内容だとわざわざアプリを作らなくてもマネーフォワードMEなどの家計簿アプリで実現できることです。
せっかく税金を掛けて作るなら公式の年金アプリだからできることを考えてほしいですね。
また、アプリで作るなら定期的に利用したいような内容をいれていただきたいものです。
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