ARK社から助言で銘柄選定【グローバル・プロスペクティブ・ファンド】レビュー

最近、ARK社(アーク・インベストメント・マネジメント・エルエルシー)の「ARKK」や「ARKQ」などにETFがかなりの好成績なのもあり日本でも話題となっています。

しかし、日本からは日本の主要ネット証券、大手証券会社とも取り扱いがなく購入しにくいのが玉に瑕。

そこで注目されるのがARK社から助言で銘柄選定している「グローバル・プロスペクティブ・ファンド(愛称:イノベーティブ・フューチャー)」です。

今回はグローバル・プロスペクティブ・ファンドについてレビューしていきます。

グローバル・プロスペクティブ・ファンド概要

それではグローバル・プロスペクティブ・ファンドについて詳しく見ていきましょう。

主な概要は以下の通り。

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ファンド名グローバル・プロスペクティブ・ファンド(愛称:イノベーティブ・フューチャー)
運用会社日興アセットマネジメント
運用方針

主に、世界の上場株式の中から、破壊的イノベーションを起こし得るビジネスを行なう企業の株式を実質的な投資対象とします。個別銘柄の選定において、アーク社の調査力を活用します。

設定日2019年6月28日
償還日2029年5月21日

今のところ、償還日が設定されているのが要注意ですね。

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの特徴

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの最大の特徴はARK社から銘柄選択において助言を受けるという部分にあるでしょう。

なお、投資対象となるのはARK社のETF「ARKK」と同じく世界の上場株式の中から、破壊的イノベーションを起こし得るビジネスを行なう企業の株式となります。

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの運用ルール

出典:日興アセットマネジメント グローバル・プロスペクティブ・ファンド目論見書より

ARK社は、破壊的イノベーションを発掘するには、従来の伝統的なリサーチ手法だけでは不十分と考え、ユニークなプロセスで調査を行なっています。

それによりARK社のETFはかなりの好成績を誇っており人気となっているのです。

破壊的イノベーションとは

破壊的イノベーションとは業界構造を劇的に変化させるイノベーション(革新)のことです。

ARK社では以下の3つの条件を破壊的イノベーションとして定義しています。

  • 劇的に生産性の向上をもたらすこと
  • 急激なコスト低下をもたらすこと
  • 他のイノベーションを創出するプラットフォームであること

過去に当てはめると

スチームエンジン、内燃エンジン、電話、電気、飛行機、マイクロプロセッサ、インターネット、ヒトゲノム解析
がそれに当たるとされ現在はゲノム解析、ロボティクス、プロックチェーン、エネルギー貯蓄、人工知能などに注目しているようです。

ARK社のETFは成績はすごい

例えばARK社の代表的なETFであるARKKは2021年1月8日時点で以下の成績となっています。

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トータルリターン3ヶ月3年(年率換算)5年(年率換算)
ARKK44.0%56.32%51.77%

出所:Bloomberg ARKK:US

トータルリターンが3ヶ月で44%とかなりの好成績なのです。

3年や5年でみても年率換算で50%超えとかなりやばい数字となっています。

人気となる理由がわかりますね。

具体的にはARKKは2021年1月8日時点では以下の銘柄に投資をしています。

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投資割合会社ティッカー
10.90%TESLA INCTSLA
7.37%ROKU INCROKU
5.80%CRISPR THERAPEUTICS AGCRSP
5.18%SQUARE INC-ASQ
4.43%TELADOC HEALTH INCTDOC
4.22%INVITAE CORPNVTA
3.05%ZILLOW GROUP INC-CZ
2.85%EDITAS MEDICINE INCEDIT
2.77%PROTO LABS INSPRLB
2.73%SPOTIFY TECHNOLOGY SASPOT

出典:ARK社 WEBページより

最大の注目はテスラでしょう。

10.9%も保有。

テスラはここ1年でかなりの高騰を見せていますのでARKKの好成績も納得です。

2位のROKUは最近発売されてiFreeNEXT NASDAQ 次世代50が発売されて話題のNASDAQ Q-50指数のETFQQQNでも上位銘柄となっていましたね。

ちなみに8/21時点では投資銘柄は以下の銘柄が投資先でした。

投資比率会社名
10.02%TESLA INC
7.70%INVITAE CORP
6.71%SQUARE INC-A
5.39%CRISPR THERAPEUTICS AG
4.55%ROKU INC
3.59%PROTO LABS INC
3.44%2U INC
3.34%イルミナ株式会社
3.17%ZILLOW GROUP INC-C
3.00%EDITAS MEDICINE INC

比率こそかなり変化していますが、テスラ、ROKU、 SQUARE、CRISPR THERAPEUTICS AG、INVITAE CORP、ZILLOW GROUPと銘柄は大きくは変わっていませんね。

上位10銘柄中8つは8/21の時点の上位10銘柄に入っているものでした。

投資銘柄からして短期売買のイメージを持っていましたが、破壊的イノベーションというコンセプトを考えると意外と中長期投資なのかもしれません。

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの手数料

次に手数料を見ていきましょう

信託報酬率

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの信託報酬率は

年率0.858%(税抜0.78%)
となっています。
ただし、別途純資産総額に対し年率0.8%程度掛かるとのことで、実質的には純資産総額に対し年率1.658%(税抜1.58%)程度となっています。
ちなみに他にもあるARK社から助言を受けている投資信託もほぼ同じくらいの手数料ですね。

購入時手数料

購入時手数料は
3.3%(税抜3%)以内
となっています。

ちなみに2021年1月10日時点で唯一取り扱いのあるみずほ証券での購入時手数料は5,000万円未満3.3%、5,000万円以上1億円未満1.65%、1億円以上0.55%となっています。

購入手数料は無料が当たり前になっている現状を考えるとちょっと高いですね・・・

信託財産留保額

信託財産留保額は

なし
となっています。
ただし、信託財産留保額はなしが得とは一概には言えない部分もあります。

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの取扱い金融機関

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの2021年1月10日時点での取り扱い予定金融機関は以下です

みずほ証券

取り扱いは現在のところ、みずほ証券のみとなっています。

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの成績

それでは肝心のグローバル・プロスペクティブ・ファンドの過去実績をみてみましょう。

日経平均、S&P500との比較

「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」が新規設定された2019年6月28日と約1年半年前程度ですから、1月8日現在の1年間で日経平均、S&P500と比較してみましょう。

なお、青色がグローバル・プロスペクティブ・ファンド、ピンクが日経平均、緑色がS&P500となっています。

グローバル・プロスペクティブ・ファンド対日経平均、S&P500
グローバル・プロスペクティブ・ファンド対日経平均、S&P500

出典:ヤフーファイナンス

びっくりするくらい日経平均、S&P500を圧倒する成績となっていますね。

日経平均とS&P500はこの間は新型コロナの暴落からの金融緩和で大きく上がっているのですが、それでも大きな差となっています。

これだけの実績を見せられると信託報酬率の高さも許せてしまう水準です。

問題はこの強さがどれだけ維持できるかということでしょう。

上げ相場では強いけど下げ相場では駄目な投資信託というのはたくさんありますしね・・・

ただし、銘柄選定のアドバイスをしているARK社のETFは過去の成績をみても抜群ですからその心配は少なそうな気もしますが・・・

グローバル・プロスペクティブ・ファンドのトータルリターン

具体的なリターンは以下の通り(2020年12月末)

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トータルリターン3ヶ月6ヶ月1年
グローバル・プロスペクティブ・ファンド33.44%73.19%125.85%

出所:みずほ証券 グローバル・プロスペクティブ・ファンドより

1年のトータルリターンが125.85%と恐ろしい事になっていますね。

なお、2019年6月28日に設定されたファンドのため、1年リターンまでしかでておりません。

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの投資先

グローバル・プロスペクティブ・ファンドの投資先は世界の上場株式の中から、破壊的イノベーションを起こし得るビジネスを行なう企業の株式となります。

2020年11月30日時点のマンスリーレポートによると投資先は以下のとおりです。

投資比率会社
9.2%TESLA INC
6.9%INVITAE CORP
6.8%ROKU INC
6.0%CRISPR THERAPEUTICS AG
5.6%SQUARE INC-A
4.2%Slack Tecnolges INS
2.8%TELADOC HEALTH INC
2.8%SPOTIFY TECHNOLOGY SA
2.8%PROTO LABS INS
2.7%Pure Storage INC

主要な投資先はARKKとほぼ同じですね。

時期が違いますので一概には比較できませんが、2021年1月8日時点のARKKの投資先上位10銘柄と8銘柄が同じとなっています。

まとめ

今回は「ARK社から助言で銘柄選定【グローバル・プロスペクティブ・ファンド】レビュー」と題してグローバル・プロスペクティブ・ファンドのレビューをみてきました。

結論としては以下のとおりです。

ARK社のETF(ARKK)の代替え候補
投資と猫
koge

評価:4.5今回のグローバル・プロスペクティブ・ファンドは成績が抜群でした。ARK社のETFは日本の方が買うのにはちょっとハードルが高いですから、ARK社のETF(ARKK)の代替えするのはありでしょう。実際成績もARK社のETFに負けていませんし、投資銘柄もほぼ同じでした。ただし、信託報酬や購入時手数料の高さなどの難点もありますのでそのあたりも加味して検討したいところですね。
現在みずほ証券のみでしか取り扱いがありませんが、大手ネット証券あたりで取り扱いが始まるとさらに人気となりそうですね、

なお、ARKXなど他のARK社のETFを買いたい方やARK社から助言を受けている他の投資信託に興味ある方はこちらの記事をご覧ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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