日経平均3万円超はバブルなのか?過去データから検証してみた

日経平均が30年ぶりに3万円を超えるなどかなり高値水準となっています。

新型コロナウィルスでの経済の落ち込みを抑えるために、各国が金融緩和をしたことが大きな要因ですね。

そのため、実際の業績と株価が釣り合っていない「バブル状態」であるという指摘が最近よく聞こえてくるようになりました。

コロナバブル」とも言われていますね。

それでは本当に現在はバブル状態なのでしょうか?

今回は過去のバブルと現在を比較して検証してみたいと思います。

バブルとはどういう状況を指すのか?

まずは大前提となるバブルとはどういう状況を指すものなのでしょう?

バブルは日本経済で1980年〜1990年に起こった状況を指す際に使われた言葉です。

ウィキペディアによると以下の説明となっています。

バブル経済(バブルけいざい、Economic bubble)とは、概ね不動産や株式をはじめとした時価資産価格が、投機によって経済成長以上のペースで高騰して実体経済から大幅にかけ離れ、それ以上は投機によっても支えきれなくなるまでの経済状態を指す。バブルは英語で「泡、あぶく」の意味。多くの場合は信用膨張を伴っており、投機が停止すると一転して信用収縮に陥る。

出典:ウィキペディア バブル経済

金融広報中央委員会の運営する「知るぽると」によると以下の説明です。

バブルは「泡」という意味で、実態の価値以上の評価(泡の部分)が生じている経済状態のこと。具体的には株、土地、建物、絵画、宝石など各種の資産価格が、投機目的で異常に上がり続け、その結果、それらの資産額が膨らみ、大きな評価益が発生しているかのように見える状況のこと。

出典:知るぽると バブル経済とは

どちらも概ね同じですね。

バブルとは泡のことを指します。

泡は中身はないですが、大きくなりますよね。

そのような感じで実態はないのに経済(株価など)が大きくなってしまう状況ということです。

現在の経済状況と株価

現在の経済状況はかなり2極化しています。

新型コロナウィルスで業績が大きく落ち込んでいる企業が多いです。

しかし、新型コロナウィルスの恩恵を受けて業績を伸ばしている企業もあります。

全体でみると経済は落ち込んでいるように見えますが、実はデータでみるとそうでもないようです。

日経新聞によると主要企業のデータでは新型コロナウィルスの影響がなかった前年よりも10月〜12月だけをみれば純利益が大きいんですよ。

世界の主要企業1万227社の業績を調べたところ、2020年10~12月期の純利益は新型コロナウイルスの影響がなかった前年同期に比べて1割強増えました

出典:日経新聞 2021年2月10日

各国の金融緩和や各種支援策が功を奏している部分や為替の部分もありますから、このデータだけで実態が回復しているとまでは言えないですが・・・

一方、株価はどうでしょう?

新型コロナウィルスの影響がある前の1月末ころは日経平均は23,000円前後でした。

それが現在の日経平均は30,000円前後と新型コロナウィルス前よりも3割近くかなり高くなっています。

つまり、利益は1割増(各種支援策で嵩増しして)なのに株価は3割増ですから、言葉の意味合いからするとバブルと言われても不思議ではない状況と言えるかもしれません。

過去のバブルとの比較

それでは過去のバブル状態のときと比較すると現在の状況はどうなのでしょう?

日経平均を単純比較

まずは日経平均を比較してみましょう。

前回のバブルは1986年から始まって1989年にピークとなります。

史上最高値を付けたのは1989年で日経平均は38,957円ですね。

バブル経済が始まる前は日経平均は15,000円未満でしたから2.5倍とかなり急ピッチで上げたことがわかりますね。

今回は前述のように新型コロナ前と比較すると3割近くの増しかありません。

また、新型コロナでの暴落した際の最安値は日経平均16,500円くらいでしたからそこからみても1.8倍くらいです。

当時のバブルほど急激ではないということですね。

ただし、日経平均は下記の記事のとおりかなり歪な指標ですし、当時とは上場企業の数が全然違いますのであくまでも参考程度の話ではありますが。

PERで比較

次は株価の割高、割安を示す際に使われるPERも比較してみましょう。

なお、PERとは「Price Earnings Ratio」の略で

株価÷1株あたりの当期純利益
の計算で算出されます。
株価が1株当たりの当期純利益の何倍になっているのかを示す指標です。
この数字だけを見てもあまり意味はありませんが、同業他社や過去のPERと比較することで割安なのか割高なのかを見ることができます。
現在の日本株のPERは日本取引所が公開している2月末時点でのデータによると
  • 東証一部:23.2倍
  • 東証二部:16.0倍
  • マザーズ:192.8倍
  • ジャスダック:21.3倍

となっています。(全体のPERは2012年までしか公開されていませんでした)

東証一部はバブルとまでは言えない

東証一部はPER23.2倍となっています。

バブル時期の平均PERは80倍程度、ITバブルの2000年頃にはPER100倍超えの時期もあります。

つまり、PERだけをみればバブルとは言えないレベルですね。

また、東日本大震災が起こるまではPER30倍超が定位置でした。

それを考えるとまだまだそこまで高い水準とは言えないのです。

ただし、それ以降のここ10年はPER20倍未満の時期が長いです。

そのため、少しここから先は割高に感じるでしょうね。

株価には行動経済学でよく言われる「アンカーリング効果」が働くのが大きいんですよ。

アンカーリング効果について詳しくはこちらの記事を御覧ください。

マザーズは要注意

しかし、要注意なのがマザーズです。

マザーズはデータがある2013年からで、2021年2月は過去2番目にPERが高い月となっています。

特に直近の平均PERの上がり方がすごいですからちょっと気になりますね。

これは米国株にも言えることですが、小型株は株価が異様に高いケースが増えていますのでちょっと怖いと感じています。

個人的に米国株(特に新興銘柄)やマザーズはライブドア、マネックスショック前に近いものを感じています。

特に日本の株は米国株に連動しやすいですから米国株の新興銘柄の動きはちょっと怖いですね。


まとめ

今回は「日経平均3万円超はバブルなのか?過去データから検証してみた」と題してデータから見て日本の株がバブルなのかを考えてみました。

結論としては

・東証一部全体で見ればバブルとまでは言えない

・マザーズ銘柄など一部はかなり割高となっており要注意

となります。
ただし、最近私の周りでも新たに株を始める人がかなり増えていたり、一般のテレビや雑誌で株特集が多くなっているのが気になります。
こういう暴落フラグって当たるんですよね。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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