2024年の平均初値騰落率は+30.45%
一見バラ色ですね。
しかしジンジブのように+127%で跳ねた銘柄がある一方、公募割れスタートも約27%ありました
特に小型ITの連続上場で需給が緩み、東証グロース指数は失速しがちです。
オルツのように上場後、約半年で問題が生じてしまうケースも・・・

今回は「地雷」を踏まずに初値高騰の恩恵だけを享受したい!
そんな初心者・中級者向けに、粉飾疑惑・公募割れ・ロックアップ崩れといった“危険地帯”を避ける具体策を10ステップで示します。
地雷回避のための10のチェックポイント
それでは地雷回避のためにチェックしたいポイントを順番に見て行きましょう。
ビジネスモデルに深堀り障壁はあるか
まず確認したいのはビジネスモデルです。
ビジネスモデルとは、企業が事業を通じて利益を生み出し、継続的に事業を運営していくための仕組みのことです。
具体的には、誰に、何を、どのように提供し、どのように収益を得るのかを明確にした事業の設計図のようなものです
そこをしっかり確認しましょう。
例えば広告依存のSaaSは販促費が収益を食う“利益なき成長”に陥りやすいです。
粗利率と販管費率を3年比較し、販管費>粗利なら要警戒でしょう。
もし、ビジネスモデルが理解できないならばその会社に投資するのは避けるべきです。
横文字でなんとなく凄そうな雰囲気だけで、内容が伴っていないIPO銘柄は本当に多いんですよ。

市場規模>自社成長率か
次に市場規模を考えて見ましょう。
とてもよいビジネスでも市場規模が小さければ大化けは難しいです。
AIが最近人気になっているのは市場規模がこれから大きくなると予想されている部分が大きいです。
AIといってもその分野がどうかというのも考えるべきでしょう。
逆に縮小市場でシェア横ばいなら成長ストーリー破綻しており、リスクは高くなります。
決算書:営業CFが赤なら回避
決算書は見るべきポイントはたくさんあります。
特に注意したいのはキャッシュフロー計算書の営業CFですね。
ここは最低プラスか、年々改善していることが必要です。
営業CFがマイナスということは本業でお金が回せてないという状況ですから・・・
お金が回っていなければ追加増資などで希薄化したりしますしね。
個人的には回避要件のNO1です。

黒字化ロードマップは具体的か
赤字で上場してくる企業もありますが、黒字化ロードマップがしっかり作成されているかを確認する必要があります。
例えばキオクシアは「2026年度営業黒字化」と数値目標を開示し投資家心理を安定させていました。
目標年度が曖昧だったり、内容が具体的でない銘柄は×
転職サイトや商品、店舗の口コミは必ずチェック
良い会社は辞めた社員クチコミも悪くないんですよ。
辞めた社員なのである程度バイアスはかかりますが、そこで悪いことを言われていなければ会社として問題は少ないと可能性が高いです。
逆に口コミが★2以下で離職理由に「ガバナンス不足」とか「社長」の悪口が並ぶ企業は要注意
また、その会社が発売している商品や店舗の口コミ等も探してみましょう。
そこでも商品力などがわかってきます。
ロックアップ条件
ロックアップとは既存株主が上場に株を売らないと約束している条件です。
例えば90日とか180日、株価1.5倍など様々です。
その条件がクリアされると大口株主が売ってくる可能性がありますので必ずチェックしておきましょう。
銘柄によっては露骨にその条件がクリアされてから重くなったりするんですよ。(大口が売りに出している)
ただし、ロックアップは紳士協定みたいなもので定期的に違反する人が出てきますが・・・


主要株主の構成
主要株主の校正も確認しましょう。
ロックアップ対象外の大株主(創業者親族など)が30%超だと、上場後の持ち株売却が株価重しになったりします。
VCによってはそこが株主にいると売り方がひどいので、まず上がらないなんてケースもあります。
詳しくは書きませんが・・・・
ロックアップとともにチェックすべきですね。
主幹事の需要形成力
大型案件を成功させた証券(例:東京メトロを担当した野村)なら安心感が高いです。
逆に地方証券単独主幹事×マイナー業種は需給弱く公募割れリスクが高くなります。
どこが主幹事なのかのチェックは重要です。
過去に問題を起こしたIPOの主幹事は結構被っていたりするんですよ。
バリュエーション:同業平均と比べよう
そのIPO企業だけをみるのではなく、同業他社と比較することが重要です。
IPOにPERやPBRは役に立たないという意見もありますが、割高割安の目安にはなります。
粉飾疑惑の早期察知
上場をするための条件をクリアするためにお化粧(粉飾決算)する企業はそれなりにあります。
そこを見破るのはなかなか難しいですが、傾向はあります。
下記の記事でまとめておりますので合わせてチェックしてみてください。

どこで情報収集するか
それでは上記の10項目はどこで情報収集するのが良いのでしょう?
おすすめをいくつか紹介します。
EDINET
まずはEDINETです。
有価証券届出書などが直接確認することができますのでおすすめです。
前述した10のチェックポイントのうちビジネスモデル、決算書、黒字化ロードマップ、株主構成などは確認することができます。
OpenWorkなどの転職サイト
次に転職サイトなどで元社員や現役社員などの口コミを確認してみましょう
★評価と口コミで離職理由を抽出しましょう
★2以下なら警戒するべきです。
転職サイトによっては会社側からお金が出るので、社員が悪く書けない(書くと削除される)というところもありますけどね。
私も昔ボロ株企業の経理責任者みたいなことをしていましたので、ボロクソに口コミ書いたら消されました笑

商品などの評価サイト
BtoCでもBtoBでも多くの商品を評価するサイトが存在します。
そこでその会社が販売している商品や店舗の評価を確認してみましょう。
粉飾決算疑惑で問題になっている某社などは相当数売れているはずなのに、商品の口コミが全く見つからないと話題になっていましたね。
XなどのSNS
XなどのSNSでも元社員や関係者の口コミが見れるケースがあります。
社名、商品名、社長や役員、株主の名前などで検索してみるといろいろわかるケースも
まとめ
今回は「IPO投資の地雷回避10チェック|決算書と口コミで見抜く」と題してIPO投資での地雷回避法をみてきました。
まとめると以下の10項目をチェックしてみてください。私は3点以上ないと危険地雷帯と判断して回避しますね。
ビジネスモデル
市場規模
決算書
黒字化
口コミ
ロックアップ
株主構成
主幹事
バリエーション
粉飾兆候
ぜひ自分なりのチェック項目を検討してみてください。
また、最近未公開株詐欺も増えていますのでお気をつけください。


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