SBI証券が11月から単元未満株(S株)の手数料を実質無料とすることを発表しました。
ライバルであるマネックス証券も7月から同様に単元未満株(ワン株)の買付手数料を撤廃していますのでそれ対抗するものでしょう。
すでにLINE証券、SBIネオモバイル証券、CONNECTなどの1株単位の株手数料が無料の証券会社がいくつか出てきています。
今回はそれらと比較しながらSBI証券が単元未満株の手数料無料化について見ていきます。
1株単位で買えるメリットとは
日本では基本的に株の売買は単元単位となります。
ほとんどの銘柄は1単元は100株ですから、購入時にそれなりにまとまったお金がかかるのです。
例えばユニクロを運営するファーストリテイリングなどは2021年11月2日時点で1株あたり78,990円です。
1単元買おうとすると789万9千円必要です。
つまり、最低購入株数でも800万円近く必要になるという・・・
他にも子供に人気の任天堂などでも1株49,970円です。
1単元で500万円近く必要なんですよ。子供では手は出せないでしょう笑
他にも日本株にはキーエンスなど値がさ株(高い株価の銘柄)が多くあり、気軽に手が出せない銘柄もあるのです。
アメリカ株ははじめから1株単位
実は最近人気になっているアメリカ株では1株購入が標準なんですよ。
例えばAppleは2021年11月3日時点1株151.49ドル。
アメリカ株の中では値がさ株ですが、日本円で17,269円(1ドル114円換算)で買えるのです。
このあたりもアメリカ株が人気の理由でしょうし、アメリカ人が株に積極的な理由の一つかもしれません。
このくらいならお小遣いでも買えますしね。
つまり、1株単位で買えれば株の購入の敷居がかなり減るんですよ。
例えば先程例に挙げたファーストリテイリングも1株単位で買えれば78,990円。
任天堂も49,970円で買えますから手が出しやすくなるのです。
1株単位でも配当がもらえる
1株単位だと配当がもらえるの?と心配される方も多いようですが、問題なく支給されます。
私もLINE証券の口座開設記念である会社の株を3株、STRAMも口座開設記念でも違う会社の株を1株もらってそのまま保有していますが、ちゃんと配当されています笑(STRAMでもらった会社は配当を出していません)
ちゃんと株主総会の招集通知なんかも送られてきてますので費用面で心配になったりもしますが・・・
株主優待は銘柄による
SBI証券の単元未満株(S株)の手数料を実質無料化の概要
それでは今回発表されたSBI証券の単位未満株の手数料を実質無料化した話の概要を見ていきましょう。
S株とは
SBI証券では単位未満株のことをS株と呼びます。
具体的には以下のような条件となっています。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
対象銘柄 | 【東証(1部・2部・マザーズ・JASDAQ)上場銘柄】 取引:買付・売却共に可 【名証(1部・2部・セントレックス)・福証(Q-Board含む)・札証(アンビシャス含む)上場銘柄】 取引:売却のみ可 |
取引可能口座 | 特定口座、NISA口座 |
取引時間 | 【東証(1部・2部・マザーズ・JASDAQ)上場銘柄】 取引:買付・売却 ・0:00~7:00:当日前場始値 ・7:00~10:30:当日後場始値 ・10:30~13:30:当日後場引け(終値) ・13:30~24:00:翌営業日前場始値 |
手数料 | 買付手数料:実質無料(※取引翌月下旬頃にキャッシュバック) 売却手数料:約定代金の0.5%(税込0.55%)(最低55円) |
条件はほとんど通常の株と変わりませんね。
ただし、S株は単元株のように指値(この株価なら買うという指定)で購入できないのでご注意ください。
また、名証(1部・2部・セントレックス)・福証(Q-Board含む)・札証(アンビシャス含む)上場銘柄は売却のみが可能と制限がありますのでお気をつけください。
手数料が実質無料へ
今まで買付時も手数料は約定代金の0.5%(税込0.55%)(最低55円)でしたが、今回の改定で11月約定分から実質無料となります。
実質とは一旦手数料は発生しますが、翌月下旬頃にキャッシュバックされるという意味ですね。
システムの改修が追いつかずそうなっているのでしょう。
ちなみにS株については過去にもなんどか手数料全額キャッシュバックキャンペーンを実施しているのですが、9月に単元未満株の取引者数が過去最高を記録したとのことで今回の改定に踏み切ったようです。
追記:2022年7月4日から完全無料化となりました
単元未満株の手数料を他社と比較
すでに単元未満株の手数料無料で先行している他社と比較してみましょう。
- マネックス証券 ワン株:買付手数料:無料 売却手数料:約定代金の0.5%(税込0.55%)(最低52円)
- auカブコム証券 プチ株:0.55%(最低52円)積立購入時の買付手数料は無料
- SBIネオモバイル証券:月額200円(税込220円)で取引し放題(50万円以下)
- 日興フロッギー キンカブ:買付手数料無料、売却スプレッド0.5% 100万円超〜スプレッド1%
- LINE証券 いちかぶ:0.2%から0.5%のスプレッド
- CONNECT: 0.5%のスプレッド
- PayPay証券:0.5%から1%のスプレッド
SBI証券とマネックス証券はほぼ同じ条件ですね。
買い付け時は無料。
売却時は0.5%(税込0.55%)の手数料となっています。
auカブコム証券は積立購入時のみ無料となっています。
変わったところではSBIネオモバイルは1ヶ月の約定金額が50万円以下なら月額200円(税込220円)で取引し放題。
毎月200ポイントのTポイントが貰えますので実質20円で取引できるってことです。
SBI証券と手数料の仕組みが違う部分でグループ内でも差別化を図っているのでしょう。
また、LINE証券、CONNECTは手数料こそ無料ですが、スプレッドが発生します。
スプレッドとは為替でよくある仕組みで購入時に価格差があること。
つまり、購入時なら他の証券会社で買うより少し高く買うことになります。
実質的にその差が手数料となっているということです。
まとめ
今回は「SBI証券が単元未満株の手数料無料化。日本株も米国株のように1株単位売買の時代到来か?」と題してSBI証券の単元未満株の手数料無料化についてみてきました。
さすがネット証券王者の貫禄。マネックス証券に同質化戦略を取ってきました。
同質化戦略とは2位以下のライバルが新しい戦略を打ち出してきたら、それと同等の戦略を採用し、ライバルの戦略の効果を減殺してしまおうとするものです。
SBI証券が単元未満株に力を入れてきたことで一気に広がりそうな予感。
東証としてもアメリカ株のように単元制度をやめて1株単位にしたらいいのに・・・って思いますけどね。
上場企業の負担は増えてしまいそうですから難しいのでしょうかね?
SBI証券は商品ラインナップや注文の仕方などが優れています。
また、三井住友カードとの連携で投資信託購入でのポイントが貯まるのも嬉しい。
ネット証券開設するなら持っておきたい口座の筆頭でしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
「シェア」、「いいね」、「フォロー」してくれるとうれしいです