老後生活を考える際に国民年金や厚生年金を中心として考えている方が多いでしょう。
ねんきん定期便ではもらえる予定の金額をあらかじめ教えてくれるので計画も立てやすいですよね。
しかし、ちょっとお待ちください。
ねんきん定期便に書いてあるのは年金をもらえる金額の額面なのです。
実は年金から天引きされるお金がいろいろあるんですよ。
今回は老後生活を考える上でとても重要となる年金からの天引きについて見ていきましょう。
なお、ねんきん定期便の見方はこちらの記事で解説しております。合わせて御覧ください。
年金から天引きされる税金、社会保険がある
年金をもらっていない方の中にはあまり認識していない方も多いですが、年金から天引きされる税金や社会保険があります。
つまり、年金も給料と同じく額面と手取りは差があるんですよ。
老後生活を計画を建てる上では重要なのは手取り部分ですからしっかり天引きされるお金についても認識しておく必要があります。
昔は天引きじゃなくて自分で払う形だったのですが、どうしても支払いを滞る方とかが多かったり、手間が大きいので現在は天引き形式に変わっております。
年金から天引きされるお金:所得税
まず年金から天引きされるお金として「所得税」があります。
年金も所得税の対象なんですよ。(雑所得)
公的年金等の支払を受けるときは、原則として収入金額からその年金に応じて定められている公的年金控除を差し引いた額に5.105パーセントを乗じた金額が源泉徴収(天引き)されます。
つまり、金額によっては年金から所得税が差し引かれているということになります。
公的年金控除は具体的には以下のような形となります。
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下 | |||
---|---|---|---|
年金を受け取る人の年齢 | (a)公的年金等の収入金額の合計額 | (b)割合 | (c)控除額 |
65歳未満 | (公的年金等の収入金額の合計額が600,000円までの場合は所得金額はゼロとなります。) | ||
600,001円から1,299,999円まで | 100% | 600,000円 | |
1,300,000円から4,099,999円まで | 75% | 275,000円 | |
4,100,000円から7,699,999円まで | 85% | 685,000円 | |
7,700,000円から9,999,999円まで | 95% | 1,455,000円 | |
10,000,000円以上 | 100% | 1,955,000円 | |
65歳以上 | (公的年金等の収入金額の合計額が1,100,000円までの場合は、所得金額はゼロとなります。) | ||
1,100,001円から3,299,999円まで | 100% | 1,100,000円 | |
3,300,000円から4,099,999円まで | 75% | 275,000円 | |
4,100,000円から7,699,999円まで | 85% | 685,000円 | |
7,700,000円から9,999,999円まで | 95% | 1,455,000円 | |
10,000,000円以上 | 100% | 1,955,000円 |
出典:国税庁 公的年金等の課税関係
例えば65歳で年金が180万円の人なら公的年金等控除額は110万円を引いた70万からさらに他の控除を引いて所得税を計算する形ですね。
ちなみに全ての人に基礎控除が48万円あります。
年金から天引きされるお金:住民税
次は住民税です。
こちらも一定額を超えると天引きされます。
具体的には遺族年金、障害者年金以外の老齢基礎年金などの支給年額が18万円以上の方です。
住民税は所得金額から社会保険などの控除を引いた金額について市町村毎に定められた税率を掛けて計算されます。
計算は地区によってことなりますので詳しくは市町村にお尋ねください。
年金から天引きされるお金:国民健康保険
次は国民健康保険です。
こちらは65歳から75歳未満の方が対象となります。
国民健康保険は年間18万円以上の年金を受給していると天引きの対象となります。(その他条件もあり)
こちらも金額は地区ごとによってかなり違います。
詳しくは市町村にお尋ねください。
年金から天引きされるお金:後期高齢者医療保険
次は後期高齢者医療保険です。
こちらは後期高齢者(75歳以上)向けの健康保険ですね。
後期高齢者医療保険も年間18万円以上の年金を受給していると天引きの対象となります。(その他条件もあり)
後期高齢者医療保険について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
年金から天引きされるお金:介護保険料
最後は介護保険料です。
こちらも年間18万円以上の年金を受給していると天引きの対象となります。(その他条件もあり)
介護保険料は40歳〜64歳までは第二号被保険者。65歳以上は第一号被保険者という区分になります。
金額は地区によりかなり差があります。
2021年の基準額の全国平均は月額6,014円ですが、一番安い北海道 音威子府村は3,300円。
一番高い東京都 青ヶ島村 9,800円と3倍近い差となっていますね。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
まとめ
今回は「年金からの天引きは税金や社会保険など5つある。老後生活考えるなら年金も手取りで考えよう」と題して転勤から天引きされるお金についてみてきました。
結構天引きされるお金があるんですよね。
ざっくり計算すると標準的な方で1割くらい手取りが少なくなるイメージですね。
ただし、金額は年金やその他所得、扶養の有無、控除によって大きく異なります。
また、住んでいる地区によっても控除される金額も異なりますので、年金機構や市役所の年金相談窓口などでご相談いただくと老後生活のイメージが付きやすいかと思います。
あらかじめ年金から引かれる分も勘案して老後生活をシュミレーションしてみましょう。
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